2001.03.08
儂のペットは○○じゃ!!
先日、約一年五ヵ月にも渡る長き沈黙を破って、俺はついに、着の身着のままポストペットパークへとノコノコ出かけて来たんだ。
それはまるで、縦横無尽に都会を交差する地下鉄に、初めて乗ったときのような新鮮な驚きを改めて感じざるおえなかった。
一年五ヵ月前、初めてパークを訪れたとき、俺はまだポスペバージンだった。
「キスくらいならしたことがあるけどぉぅ〜、イクところまでは、かなり勇気がいるじゃん。まだまだウブな感じぃ〜」って、若いのか年寄りなのか、ワケのわからない化粧をしたコギャル(死語)のように、あの頃の俺はウブだった。
こうして今、ポスペにしがみついて生きている俺は、堂々とパークに入園できるだけの資格を持った、その悦びをひしひしと感じながら、汗ばむ右手でマウスをクリックしながらパークを散策した。
『ポストペットパークプレーヤー』というアイテムも入手して、ひとりで遊ぶ愉しさも覚えた。
パーク内のあらゆるイベントは、枯れ果てていく俺に少女のような甘酸っぱいひとときを与えてくれた。
パークが発するフェロモンに時間の概念を失ってしまった俺は、そろそろ帰途に就こうとした。そのとき、俺の目の前にそびえ立つ銀行に、ふと立ち寄ることにしたんだ。
俺の帰りを待っているミックに、おこづかいでも送金してやろう。
俺は自分の口座から10pt(1ペッチを日本円に換算させると、約2円。つまり20円)を、マニュアル通りにペットにあげることにした。
俺にとっては端金だが、ミックにとっては思いがけない大金だ。
俺はミックの悦ぶ顔を瞼の裏に浮かべながら、送金が届くのを待った。
自分で送金しておきながら、自分で送金を待つなんて、さすがにポスペの奥は深い。
翌日、ミックが「PostPet Event」からこんなメールを持って帰って来た。
『ペットデータが破損している可能性があります。イベントへの参加はできません。
また、ポストペットに設定している From欄の電子メールアドレスに半角スペースや改行コード、ピリオドなど余計なゴミが入っている場合、ペットデータが破損しているとみなし、イベントへの参加はできません。ポストペットの設定で電子メールの設定をご確認ください。
なお、半日程ペットは戻らない場合がございます。
その場合は、半日程経ってから、メールチェックしてみてください』
おお、なんというコトじゃ!!
儂のミックがボッ壊れておりましたじゃ!!
せっかく今回はハードコア、じゃない、ハードボイルドにチャレンジしたのに、これではトロトロのソフトボイルドじゃ。
というコトはナニかい? 儂のミックはこれからパークで開催されるイベントにも参加できないってことかい?
ああ、せっかく大金をはたいてパークに入会し(てい)たのに、設定欄も完璧だし、ああ、儂が一体ナニをしたというんじゃ。
哀しさを通り越して、もう笑ってしまうしかない。
ハハハハハハ………、さぁ、皆さんも一緒に笑ってくだされ。
「ハハハハハハ」……、笑うなんて、笑うなんて、笑うなんて失礼ですじゃ!!
トホホ。
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