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前回のガセネタ通信で報告した、JAFの「ポストペットパークご優待企画」。その企画に参加した限定会員に贈られる(と噂されている)特製ステッカーを、一度でいいから目にしたくて、インターネットであらゆるサイトを検索してみた。
が、しかし、努力の甲斐もなくそのステッカーに関する情報は、何ひとつ引っ掛からなかった。
やはりガセネタだったのだろうか?
ホント、世の中には人を惑わすガセネタが多すぎて、困ってしまう。
陳腐なガセネタを、平気な顔をして吹聴している不謹慎極まりない奴の顔を見てみたい。
でもでも、ステッカーの存在が妙に気になる。
いっそのこと、ソネットやJAFに問い合わせて、直接訊いてみようか……と、思ったその時、
「おい、窓の向こうに広がるブルジョアな景色の中で休息しているあのクルマ、なんか妙じゃぞ!!」
と、編集長が叫んだ。
編集長のしなびた指先は、そのクルマのリア・ウインドウを震えながら示していた。

あの色、なんだかとってもステキな予感がする。
近づいてよーく見てみよう……と、思ったその時、編集部のドアが開いて、ひとりの好青年が入り込んで来た。
「すみません、ちょっといいですか?」
焦っていた編集長は、
「なんじゃ、お前は!! ワシは男に興味はないぞ!! さぁ、どきなされ!!」
と、好青年を無視して外に飛び出して逝って……、失礼、行ってしまった。
「あの人が落ち着きがないことで有名な編集長さんですか?
せっかくいいものを持ってきたのに……」
好青年はそう言いながら、ポケットの中から一枚のステッカーを取り出した。
そのステッカーは、まさにこれだった。

なんとステッカーの方からやって来るとは……。
「このステッカー、ネットオークションで落札したんですよ。しかも二枚一組という条件付きで。
一枚は自分のクルマに貼ったんだけど、もう一枚はガセネタ通信さんにどうかな、って思ってね」
なんと、編集長が必死で見に行ったクルマは、彼のクルマだったのだ。
窓の向こうでは、編集長がクルマの持ち主を探して、オロオロしている。
「このステッカー、買ってもらえませんか? レアですよ。マジホント」
「いくらくらい?」
って訊いたら、
「落札した価格が500円だったから………」
おっと、その先は言わなくても結構。
おもむろに財布から1000円札を取り出して、好青年に渡そうとしたその時、
「ハァハァ、ハァハァ………」
編集長が息を弾ませながら戻って来た。
「あ・あのクルマ、ハァハァ……、か・鍵がかかっていなかったので、ちょいと失礼してシ・シールを剥がして来たよ。
なかなか剥がれんかったので、無理して引っ張ったら、ほれ、切れてしまったわい。ハッハッハッハッ……」
と笑いながら、ステッカーの切れ端を好青年に向かってヒラヒラさせた。
好青年は動じることなく、囁くように
「ますますレアになりましたね、このステッカー。
買ってくれませんか?、あっちの方を……」
と言いながら、編集長がヘラヘラしながらヒラヒラさせているステッカーの切れ端を、静かに指さすのであった。
そして、ひと言こう付け加えた。
「もちろん言い値でオッケーですよね?」
………………。
すると、何も知らない編集長が上機嫌で、
「このシール、半分に切れても十分価値がありますじゃよ。
ワシの見積もりだと、そじゃなぁ、10万円はするかも知れんぞ。いや、百万円は下らんな。
あ、そこの人、ワシが勝手に剥がしたコトは、どうかご内密にお願いいたしますじゃよ。
口止め料っていうワケではないんですじゃが、さっき、あのクルマの中からガムを少々拝借して来たので、一枚食って行ってくだされ。ハハハのハ……」
ああ、編集長、余計なことを………………。
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