とあるところに、とってもシャイな犬がいたんですよ。自分の気持ちをなかなか素直に表現できなかったんです。
飼い主さんに気に入ってもらえるように芸を覚えたり、番犬になったり、甘えたりするのがとっても苦手だったんですね。
ネコのようにクールに、気のおもむくままに生きることができたらいいのになぁ〜って、いつも思っていました。

ああ、ボクはなんで犬に生まれてしまったんだろう。ねこに生まれた方がずぅ〜〜っと気楽だったのに。

そのうち彼は、自分の素顔をカムフラージュすることを思い立ちました。



そして、その時々の状況に合わせて、ねこのお面を付けることにしたのです。


哀しいときには左のお面を付けます。
このお面を付けているときには、飼い主さんに放っておいてほしいという気持ちの表れです。
ちょっぴりうれしい時には、真ん中のお面を付けます。
すっごく幸せでどうしようもないときには、右のお面を付けます。
このお面を付けているときには、飼い主さんと一緒に遊びたいときです。

これなら誰が見ても、ボクが今、どんな気持ちでいるのかすぐにわかるはずさ。

そのうち彼は、すっかりねこのお面が「素顔」になって、いろんな表情を楽しむようになってしまいました。

飼い主さんもおもしろがっていますけど、ほどほどにしないと、呆れられちゃいますよ。
だって、どんなに素顔を「ねこらしく」カムフラージュしたって、キミは「犬」には違いないんですからね。「犬」としてのプライドだけは捨てないようにしましょう。




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