■1998年2月9日(月)プルワパスチモ1ページ目の音を聞いてみる
「発表会も終わったし!」
「なんだか気分すっきり!」
発表会終了後、第一回目の練習日。久しぶりに顔をあわせたガムラン部員は、暑く苦しかった日々を忘れてしまったかのように晴れ晴れした表情です。部員より早く練習場所に到着していた先生(バパ≒既婚のMr.)は新入部員の指導もそこそこに(なんてったって、10分で1曲ひけるようになってしまうから……)、新しい楽譜を開くように言いました。実は発表会前の最後の練習の時に、新曲の楽譜を渡してくれていたのです。「宿題だよ」って言って……。ガムラン部員は冷や汗たらり……。
「さ、やるぞー!」
バパはおもむろに新曲、プルワパスチモのワンフレーズをひきはじめました。
「はい、どうぞ!」
長いお休みの後で勘の鈍っているガムラン部員達ですが、何とかバパのあとをついていきます。ワンフレーズずつひきながら、結局一日で2ページ進んでしまいました。このペースでは一回休んだら、わけがわからなくなってしまう……。でもバパが燃えているうちに習えるだけ習っておこう……いつ忙しくなって練習にこられなくなるかわからないしね。
こんな風に、最初はみんなで旋律を覚えていくのです。■2月16日(月)
スコール!練習場所にたどり着くためにバンジール(洪水)の箇所を車で通り抜けなければならないので、かなり人が揃うのが遅れました。しかし休む人はそういない……みんな根性がある……物好きなのねぇ。
「今日は、できる人はメラ(赤。ガメラン部では高音部の意。正式名称サンシ)を入れて下さいね」先生はにこやかに言った。「できる人」達は先生と視線を合わさないようにしている。旋律に対して基本的に3個右隣の鍵盤を叩くメラのパートは、以前は先生が赤ペンをつかって楽譜に丁寧に書いてくれていたのだが、このごろでは「メラ体質」の(ついハモりたくなる)人がいて、ほっといてもできるようになる事に気づいてしまったので、こんな発言をする。そして、メラの楽譜を書かないまま発表会を迎えることも多い。
先週よりゆっくりしたペースだったものの、3枚目まで進んだ。ときおり先生自身もメラを入れている。始めたばかりの人にとっては先生と自分が違うことをひいていると、自分が間違っているのでは?と不安になってしまうやり方だが、はじめから出来上がりの音をイメージすることができるので、全体の音を聞いてひくタイプの(るっちゃんみたいな)人間にはありがたい。
■2月23日(月)メラ入りプルワパスチモ1ページ目を聞いてみる(すみません後半はちょっと嘘かもしれない……後できちんとします)
今日はメラ集中レッスン。「メラ体質」とバパに思われている何人かがバパの周りに集められて、徹底指導。ここであんまり上手くやってしまうと、いくらヒタムのパートで旋律を弾きたくても、「発表の時はメラをお願いね!」なんて言われてしまう恐れがあるので、能があっても爪は隠しとかないといけません。
プルワパスチモはジュブラグという大きくて低い音を出す楽器も重要な役割を担うそうで、楽器が足りなくて遊んでいた るっちゃんをめざとく見つけたバパは、すすすと寄ってきて「ジュブラグはこうだから、弾いといてね」と楽譜を書いてくれました。しかし、何か合わせにくい……。自分の思っている拍と実際がずれる現象がまた起きているようです。これがそのうちピッタリはまってくるから不思議だよな……。
■3月2日(月)
大統領などを決める国民会議がスタート(11日まで)。この期間(+前後一週間)は大きな政治集会等も開かないように、とお達しがありました。なるべく出歩かない方がいいというのが邦人の一般的な考えのようですが、ガメラン部は怖いモノ知らずなので練習を続けます。
先週よりもかなりジュブラグが合わせやすくなっているのを感じます。
■3月9日(月)
国民会議の関係でしょうか、練習場所の「公民芸術館」が使えないとかで、部全体としての練習はお休みでした。が、おかげで物好き4人組(だぁれ?)によるグンデルの練習を牧ちゃんちですることができました。 グンデルについては別記するとして、今は「これ、本当にバリに演目として持ってくのぉ?」というややこしさです。
■3月16日(月)
バパがバリに行っちゃったので、自主練です。普段バパがだーっと走りぬけてしまって、あぁぁぁぁぁーと言っている間に終わってしまうような部分を懇切丁寧に新副部長となった館山ガメリちゃんが教えてくれようとしたのですが、ゆっくりやりすぎてタイムアップという感じでした。
それにしても人がめっきり減ってしまいました……。会社から「緊急避難命令」を出されてしぶしぶ一時帰国する人達もいます。そういう人達はどうなればジャカルタが「安全」と判断されるかもわからないので、一体いつ戻ってこれるのか見当もつきません。急に転勤や本帰国が決まった人もいます。この人数でバリへ行けるのだろうか?しかし、牧ちゃん曰く「でも、もう全員分の飛行機のチケットは予約しちゃったから!あはっ!」みんなー根性で帰ってきてねー。
■3月19日(木)
振替レッスンです。パニュンブラモという新曲に入りました。そんなに悩む部分もないけれどそこそこ面白い曲……と今の段階では思えるのですが。画期的なことに、バパはメラの楽譜を独立した1ページ分にまとめて書いておいてくださっていました。おお!しかし、それはそれで見にくい!オーケストラのスコアのように……ピアノの楽譜でもいいですが……旋律と合いの手は一目見て分かるようにしておかないと、やっぱり迷ってしまうのですね……。バパがせっかく別々に書いて下さった楽譜の下にメラを書き込んでしまう私たちでした。プルワパスチモはちょっとお休み。
■3月23日(月)
バリで演奏する曲の目玉の一つであるサラスワティを流す。新しい人を中心にパニュンブラモの2回目。細かい部分はともかく、だいたいこの曲はもう弾けるようになってしまいました。
新曲チェンドラワシに初めて入る。
■3月末〜4月中旬
日本人学校が長いお休みになるので、るっちゃんも一時帰国します。ガムランの練習もしばしお休み。
■5月16日(土)
14日(木)に起きたジャカルタ市内の暴動は一応沈静化の様相を示したとはいえ、今後も油断はできない状況です。殆どの部員が一時帰国(そのまま本帰国への可能性も)となり、練習もいつ再開できるかわかりません。この状況では満足のいく演奏ができるわけはないので、今回のバリ行きは中止になりました。残念!
そのうちMIDIデータを更新しますね