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旅行記(2004年以前) > 2001年8月
<概要>
今年の旅行は夏の九州に挑みます。全国的に記録的な猛暑が続く中、南に行くのは少し勇気がいりますが、こうなれば徹底的に猛暑を体感するしかないと言い聞かせ、飛行機に乗ります。利用する航空会社は、2~3年くらい前に福岡路線に就航した格安航空スカイマークエアラインズです。
この年は、熊本で高校総体が行われるということで、宿や飛行機の予約がなかなか取れないなど、事前のトラブルが多かったのですが、それでもめげずに初志貫徹。
<いざ福岡へ>
2~3年くらい前に福岡路線に就航した格安航空スカイマークエアラインズ、自社では航空機を所持せず、あらゆる経費を省いて低料金を実現しているらしいです。乗り場は一番奥の30番ゲート。動く歩道をいくつも抜けて、更に階段を下りたところです。そして衝撃の事実が・・。ここから更にバスに乗って10分。ビッグバードからかなり遠いところまで連れてこられました。恐るべし。
上空から見た東京湾は、あちこち赤潮が見られます。富士山も有名な冠雪した山頂の面影などまったくなく、オセアニアの活火山のような荒涼とした山肌を露出させています。更に上空から見た博多湾は、赤潮に加え、海岸線が真緑に染まっています。猛暑の影響は、風景にも影響するようです。
<志賀島・博多市内>
ホテルに荷物を置くと、博多の観光に出かけます。キャナルシティ内で昼食を済ませ、向かった先は博多ふ頭。大相撲九州場所の会場である、国際センターやサンパレスなどが近くにあります。バスで行くのがポピュラーですが、チャレンジャーな我々は徒歩で向かうことにしました。中洲から呉服町の交差点を通り過ぎたところで刺すような日差しに負けそうになりながらも、無事博多ふ頭に着きました。ここからはフェリーのほか、志賀島へいくシーバスも運行しています。主な旅行ガイドでは、バスや鉄道で海の中道を通って志賀島に行くのが定番ですが、博多の中心街からはシーバスで向かうのが早くて楽ちんです。
志賀島は、邪馬台国の金印が発見された場所として有名です。これにより古代中国と日本列島の首長との間に交流があったことが証明されたわけですが、博多で発見されたことが邪馬台国の場所の議論を複雑にしています。島と言っても、江ノ島のように海の中道の方と陸続きになっています。実際に上陸してみると、島の雰囲気が漂っていますが。
フェリー乗り場の近くでレンタサイクルを借りると、島の風景を楽しみながら海岸線を流します。手頃な岩場に降りてみると・・・海苔やワカメなどの海草類が河川敷の芦のように生い茂っているではありませんか。飛行機から見えた真緑のラインはこれだったのです。たくさんのカニやヤドカリがせかせかと動いています。これだけの大量のごちそうにありつけたのですから、元気も出るでしょう。
島の潮風や風景を一通り楽しみ、シーバスで博多に戻ります。小腹が空きましたが、今夜の屋台巡りに向けて、串揚げを1本軽くつまむ程度で済ませます。ホテルに戻り、辺りが暗くなるまで待ちます。
夜、中洲周辺は所狭しとたくさんの屋台が並びます。ラーメンの屋台、牛スジやおでんの屋台など種類も様々です。博多のラーメンは、とんこつスープに細麺が基本です。高菜の付け合わせが付き、紅ショウガを入れて食べます。どんぶりは浅めで、こってりという印象のわりにスルスルといけます。足りない分は替え玉(麺だけのおかわり)でいきます。細麺で消火が良いので、3杯くらいはいけるでしょう。
<人吉へ>
今日は大移動の日です。熊本の阿蘇ではない方の山奥、鹿児島との県境付近にある都市である人吉を目指します。地理的には八代から球磨川の上流に登ったところにあります。綺麗な水を利用した球磨焼酎が有名ですが、そのほかにお茶や栗などが名産物になっています。
博多から西鹿児島行きのつばめにのって、熊本に行きます。路線的には肥薩線は八代から分岐しますが、熊本から人吉まで急行「くまがわ」が運行しているので、熊本乗り換えにしました。
ちょうどお昼時なので、駅周辺で昼食を摂ることにします。駅を降りるとあたりはジャージ姿の高校生で溢れていました。実はひのくに総体こと高校総体がここ熊本で行われていたのです。高校生が入りにくそうな少しグレードな高そうな店で昼食を摂りました。
くまがわの出発まで少し時間があったので、駅ビルを散策です。いかにも自家製っぽいきんつばやいきなりだんごを旅のお供にゲットしてくまがわに乗り込みました。
人吉から向きを変え、肥薩線に入ると線路のすぐ脇に球磨川が見えます。人吉に着くまで、ずっと球磨川と一緒でした。人吉につくと、魚だか海老だかよくわからない木彫りの民芸品が出迎えてくれました。キジ車という民芸品は、昔から単なるおもちゃだったみたいです。
ひのくに総体の影響か、1日目は駅前の宿がとれず、5~6kmほどはなれたところに泊まることになりました。バス停で時刻を調べましたが、しばらくは来ないようです。仕方なくタクシーで向かいます。
「新城の宿」という名のこの宿、タクシーの運ちゃんも知らない真新しい施設で、スーパー銭湯に宿泊所やレジャー施設が揃った総合レジャー施設です。温泉街なのに温泉ではないことに不満はありましたが、風呂はスーパー銭湯そのもので色々と楽しめました。コンビニやスーパーも敷地内にあるので、軽食を買いにでかけるのも楽です。
<人吉市内観光>
今日は人吉の街並みを散策します。とりあえず駅に戻り、今夜宿泊予定のホテルに荷物を置きます。ここは8月7日が七夕なのか、商店街は七夕飾りで彩られていました。しかし、日曜日のせいか、人はまばらです。
球磨川沿いを歩きながら、人吉城跡を目指します。人吉駅からは球磨川を跨いだ対岸に位置し、街全体が見渡せる高さにあります。とても大きな石段を100段ほど登ると、一気に視界が開けます。眼下に球磨川と人吉の街並みが見えます。
石段を更に30段ほど上ると、旧天守閣の高台にでます。ここまで登ると、あまり手入れはされていないのか、草が伸び放題です。
裏手の石段から降り、酒蔵街の方へ向かいます。球磨焼酎の蒸留所が何件も並んでいましたが、残念ながら日曜日でどこもお休みでした。少しくらい試飲できるかと期待していましたが、呑みっぱぐれてしまいました。
駅前に戻り、おみやげ屋さん「あおやぎ」に入ると、なんと焼酎の試飲バイキングをやっているではありませんか。そらぎゅうを購入すると、70種類の焼酎が自由に試飲できます。球磨川の恵み、米所の球磨焼酎は米焼酎です。クリアな味わいの焼酎をたっぷり味わうことができます。
ほろ酔い気味ながら夕食が心配になってきました。出町橋付近に地元で人気の餃子屋さんがあるというので、行ってみることに。店内は5~6人の餃子を食する客と、中央のテーブルで餃子を包む女将、そして大皿を抱えて並ぶ人が3~4人。どうやら、地元の人が夕食のおかずを求めて来るお店のようです。「30分以上待つよ」と言われましたが、折角なのでゆっくり待って、人気の餃子を試してみることに。
待つこと40分。ようやく餃子が運ばれてきました。具はにんにく抜きでショウガとネギの香りが効いたさっぱり風味。4人前をたいらげましたが、味がしつこくないため、これで腹八分。待った甲斐がありました。
<肥薩線で鹿児島へ>
いよいよ人吉を離れて鹿児島へ向かいます。通常は高速バスか、八代に出てつばめで行くのが正当なルートのようですが、地図上の最短ルートである肥薩線で吉松・隼人を経由して鹿児島を目指します。1日4往復と本数は少ないですが、西鹿児島まで順調に乗り継いで行けるようです。人吉発吉松行きの1両編成の列車(通称:いさぶろう、ワンマン)に乗り込むと、乗客が2人。旅行者とも地元の人ともよくわからないおっさん達です。最初の駅である大畑(おこば)駅が近づくと、最近の鉄道ではすっかり珍しくなった「スイッチバック」を迎えます。最初のターンのところで列車を止めると、運転手が1枚のチラシを配り始めました。どうやらこの路線は、このスイッチバックを売り物にした観光路線となっているようです。人吉から乗り込んでいたおっさん二人は1眼レフカメラを取り出して、写真を撮りまくっています。篠ノ井線姥捨のスイッチバックと違い、ここのスイッチバックは方向を替える度に運転手が運転席を前後に移動していました。チラシによると、大畑駅を出た後は「ループ」となっている路線を通るそうです。平行する国道も、急な山間を通るためにループとなっているため、「ループ」はこの付近の観光キャッチフレーズとなっているようです。そういえば「ループ」と名の付くお土産が人吉にあったなあと思い出しました。ちなみに?ループはほとんどトンネルの中なので、あまりよくわかりませんでした。
ほどなく矢岳の駅を過ぎ、熊本と宮崎の県境である矢岳トンネルを抜けます。トンネルと抜けると、真っ白な雲海の上にいるようなものすごい車窓が広がってきました。チラシによると、「日本一の車窓」だそうで、遠くに霧島連峰が見えます。サービスなのか、2~3分その場に停車していました。この辺りの肥薩線は宮崎県内を一瞬通ります。
次の駅は真幸(まさき)駅です。くまがわ鉄道「おかどめ幸福駅」と並んで幸せを願う駅です。駅には鐘があって、チラシにも1回2回3回となっていました。
いよいよ最初の乗換駅の吉松に着きます。ここから隼人まで乗り換えて向かいます。吉松からは地元の人も大勢乗り込んでいました。人吉から一緒だった2人は、折り返して人吉に戻るようです。隼人までは、特に目立ったイベントも無く、普通のローカル線らしく山間を淡々と走っていきます。隼人からは電化区間らしく、久々に「電車」に乗りました。そして人吉を出てから3時間、ようやく西鹿児島に到着しました。
西鹿児島の改札を出ると、いきなりお土産屋のゴンドラが。中にはかるかんと白クマがありました。白クマは、かき氷の上にアイスやフルーツなどをトッピングした有名な冷菓ですが、関東ではフタをして売っているため、クマの顔は真っ平らです。しかし、ゴンドラの中の白クマは、山盛りかき氷の上にトッピングしてあり、立体的でボリューム感のあるクマの顔でした。九州独特の日差しの下、条件反射的に白クマを平らげ、鹿児島での予定を考えます。
<鹿児島市内・桜島>
宿泊は桜島ですが、まだ日が高いので、2~3箇所は回れそうです。
鹿児島と言えば西郷どんです。というわけで、西郷の像を目指します。上野の西郷像はいつでも見れますが、こちら本場の西郷どんはもちろん初めて見ます。地図で見ると、西鹿児島の駅からすぐです。しかし、記録的な猛暑がつづく今夏、南九州の暑さは並じゃありませんでした。温度設定が高めのサウナにいるような暑い風、肌に突き刺さるような強い日差し、何度も木陰で休みながら西郷どんを目指します。途中の街路樹を見ると、枝が見えないほどセミがびっしりと付いていました。九州おそるべし。
30分ほど歩いて、ようやく西郷どんを拝見することができました。上野に比べると、小さめで、ひっそりとたたずんでいます。観光客も少なく、公園内に茂大きな樹の木陰が心地よい空間を作り出しています。休憩を兼ねて、次の計画を考えます。これだけの暑さの中、屋外の施設を回るのは不安です。そこで、市立博物館をゆっくり見学することにしました。駅前通りに戻り、市電に乗ります。4駅ほど揺られてそこから歩くこと5分。町中にある市立博物館に着きました。館内は比較的広く、展示物も充実していました。鹿児島の歴史に関する展示を始め、昭和初期の街並みを復元してあるなど、なかなか見応えのある博物館でした。
だいぶ暑さも和らいできたので、いよいよ桜島に渡ります。市電で鹿児島港まで行き、そこからはフェリーに乗って桜島へ向かいます。山頂が霞む桜島が見えます。
宿のお風呂は温泉でした。鉄分を多く含んでいるのか、お湯は赤茶色をしていました。これはカラダに悪くないのかなと思いながらも、ゆっくり暖まりました。