ついにロンドンでもやってしまった二日酔い。でも根性で回復は可能なのだ。気合いで臨むトゥイッケナム2日目! 待ってろよ、ストーンズ。
 朝、起きたら頭痛がしました(笑)。
 そりゃそうでしょう。タクシー難民と化して3時に寝た翌日、9時にチェルトナムに出発して、夜は狂乱の宴。これで無事だったらおかしいっつうの。
 とにかくミネラル・ウォーターをグビ飲みし、朝食を摂りました。
 ああ、さすがに腹一杯は食えないな。

 さて、これから仕事です(泣)。
 実は昨日、チェルトナムに向かう列車の中で、日本にいる部下からのメールを受信しており、とにかく我が社の未公開サイトのチェックをせざるを得ない状況のようなので、せめて問題の指摘くらいはしなきゃいけない状況です。
 ホテルのビジネスセンター(といっても、PCは1台)の料金が、何と30分5ポンドというキチガイじみた価格設定だったので、オックスフォードのネットカフェに向かいました。何せ2時間1ポンドなので。すごいよねえ、20分の1ですからね。
 どうせ7日間オールゾーンのトラベルカード(オイスター・カード)を買ってあるので、交通費はこれ以上かからない。むしろ乗らなきゃ損です。

 カフェに行ってみると、何とOSが全部Windows 98 SE! おいおいおい、もうサポート対象外じゃん……。こんなんで動作確認も何もあったもんじゃねえな。
 とにかく勝手に日本語環境をダウンロードしてインストール(最初からマルチ・リンガルなのは、WindowsならXP、MacならOS Xからです)、文字のエンコードに悩まされながらも、ひととおりの確認を行いました。
 全英広しといえども、日本のサイトのIPを直打ちして動作確認なんかしてるのは、俺だけだろうな。ましてやネットカフェで。
 Ajaxで日本語変換してくれるサイトで報告をまとめ、送信。まあ、これで何とかなったかな。

 とにかくこれで心おきなくストーンズに出撃だ!

060822トゥイッケナムのチケット

 今日は早めに会場入りして、グッズ売り場をのぞこうということになっていたので、S氏と夕方にホテルを出て、リッチモンドへ向かいます。
 リッチモンド。やはりストーンズのキャリアが本格的に始まった町ですから、特別な感慨があります。駅前のホテルのひとつが、伝説のクロウダディ・クラブがあったところらしいのですが、いやあ、さすがにどれかはわかりません。次に来たとき、ちゃんと探そうかな。次があればだけど。

 リッチモンドからトゥイッケナム・ラグビー場まではシャトルバスが出ていました。行き先の表示が「Special Service TWICKENHAM STADIUM」になったダブルデッカーが、列をなしています。
 あれ、これ料金いくらだ?

 警官(交通局の職員?)にオイスター・カードを見せて
「これ、使える?」と尋ねると、
「無料! ミック・ジャガーが払ってくれるよ!」これには一同爆笑でした。

シャトルバスの車窓から 実は、はじめてダブル・デッカーの2階に乗りました。一部路線では2階が危険と聞いていたので、敬遠していたのですが、この特別バスなら大丈夫だろうと思って。

 で、このバスの中が凄かった。聞こえてくるのは、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語……そして俺とS氏の日本語と、もうストーンズ馬鹿万博状態ですよ。最初はイタリア語がわからなかったのですが、1人が「マンマ・ミーア!」と叫んだのでわかりました(笑)。

 スタジアム周辺の交通規制のせいで道は混んでいますが、時間もまだまだあるし、何せこのままスタジアムまで行けるのがいい。

神業 さ、スタジアムに到着……って、おい! バスが、常識的に考えたら止まるようなタイミングで止まってくれません。おいおい!前のバスにぶつかるって!
 ……が、見てください。右の写真は、バスの2階最前列の窓から撮影したものです。
 ここまで前のバスに接近して停まったんです。すごい。神業だ。
 降りて横からのぞき込んでも、拳1つ入りません。いやあ、何て技だ。

グッズ売り場 まずはグッズ売り場に行ってみます。が、かなりの混雑。
 これは入場してから中の売り場に行くのがいいだろうと、ボディチェックを受けます。またもチャンピオン・ベルトが苦笑の対象でした。
 しかしすごい人出だ。
 どこの売り場も混んでいるので、もう腹を決めて並びます。
 ラグビー場だけあって、ベロのところがラグビー・ボールになったTシャツもあり、トゥイッケナム限定という意味では捨てがたいのですが、デザインが今イチで、そもそも言われないとわからないでしょ、そんなの(笑)。
 だったら、ということで、自分用+おみやげ用のユニオンジャック×ベロのTシャツを3枚と、自分用にベロ入りラガーシャツを買いました。
 ファスナー式ネックストラップと、バンダナも。さっそく頭に巻きます。

 さて、本日のテーマはBステージ突撃です。グッズが足手まといになるのもまずいので、無理矢理ショルダーバッグに押し込みました。
 席を確認したところでいったん自由行動。

 喫煙のために外に出ます。すると、女性2人の声で
「そこの日本人〜!」
 案の定、Wild Girlsでした(笑)。

 階段のところでしばし談笑。そうかあ、Kちゃん、キングス・ロードに行ってきたのか。今のキングス・ロードって、元パンクスにとってはきつかったろうなあ。もう観光パンクスすらいない、高級ファッション街だもんね。

 本日の席は“ロニー側”(ステージ向かって左側)の、やはり13列目。20日の席と、ちょうど左右対称くらいの位置です。

ロニー側からのステージ

トゥイッケナム2日目の席ここにいました

 ふと見ると、最前席でこちらを見てニヤニヤしている外人のオジサンたちがいます。
 ん? おお、オランダーズだ! 何だよ、最前かよ! いいな〜!
 Gさんともう1人がこちらに挨拶に来てくれました。チャンピオン・ベルトを見せると、笑ってくれましたが、「バカだなー、こいつ」と顔に書いてありました(笑)。

 この日の前座はCharlatans。
 正直、音楽のタイプとしてはあまり好きじゃないな。Feederの方がいい。
 ですが、どうもボーカルとギターの子のルックスが女子チームを直撃した模様です。そういう見方もまたよし。
 お、前方に見るからに小学生のくせにバックステージ・パスを持ってる奴を発見。てめえ、生意気だな。宝の持ち腐れだよ。俺によこせ!

 休憩を挟んで、いよいよストーンズ! 
 客電が落ち、反射的に立ち上がります。じーっとステージを見つめる我ら。
 お、チャーリーが座った! 「チャーリーーーーー!」
 目の前に、長身のノリの悪い男子2名(途中で出たきり戻らず)と、背の高いビル・ゲイツみたいなダセエ野郎とその彼女(ルックスには言及しません)が邪魔くさい。でけえ図体でジッとしてんじゃねえよ。見えねえっつうの!
 しょうがないので、隙間からステージを凝視します。

 1曲目は初日と同じJumpin' Jack Flash。ある意味意表を突かれました(笑)。
 It's Only Rock'n Roll終了後(だったと思うんだけど)「ここはスーパー・セキュリティだから、テロの心配はないよ」とミック(S氏通訳。私はセキュリティとテロしか聞き取れませんでした)。
 She's So Coldと続き、ミックが「Live With Me」と紹介したにもかかわらずLet's Spend The Night Together! この曲はファンとしてのごく初期から好きで、思い入れがあります。
 そして今度こそLive With Me。ラッパ隊も登場です。
 ミックが黒のストラトで登場したので、Streets Of Loveに期待するも、やっぱりRain Fall Down。今日は雨ふってないから、縁起は悪くありません。

 ここでいきなり意表を突いてYou Can't Always Get What You Want。ビックリしたなあ、もう(トシがばれますな)。アンコール以外でやったの、今回のツアーじゃ初めてじゃねえかな。場内たいへんな盛り上がりです。
 そしてラッパ隊が大活躍のBitch。本当はロニーにがんばってリフを弾いて欲しいところだけど。
 さて、ここで名曲Tumbling Dice。サビではリサのやらしい手つきをみんなで真似します。この曲のロニーは、ストリング・ベンダーを得意げかつ必要以上に使うのがいいですね(笑)。

 ここでバンド紹介。チャックにはブーイングくれてやりました。
 椰子の木おじさんキースが紹介され、今度はミックが手を取ってステージ中央に連行します。この日も椰子の木風船があちこちに見られました。
 さあ、今日は何をやるんだ? This Place Is Emptyが希望だけど、何ならInfamyでもいいぞ!

 ……やっぱりSlipping Awayでした。
 もはや友人たちも笑うほかないようです。ホントに俺を見つけてはSlipping Awayをやってんじゃねえかと思えてきました。
 ちなみに、今回のツアーのキースは、Slipping Awayの歌詞がオリジナルに近いです。Licksの時は出だしから違うことも珍しくなく、しかも気分で歌っているようで、元歌に存在しない歌詞を平気で歌っていたものです。
 もっとも、今回も2コーラス目からは順番が入れ替わりまくりで、それでも合わせないといけないリサとバーナードはたいへんだろうなと、同情を禁じ得ませんでした。
 2曲目も全開と同じBefore They Make Me Run。今でもこの歌を歌えるというのは凄い。

 さ、キースコーナーも終わったし、トイレでも行こうかな、という風情で席を離れる我々。
 トイレはどこかな〜。アレ? 何だかグラウンドの中央に、機材が置いてあるぞ。おかしいなあ。ちょっと見に行ってみようか。
 あ、これはひょっとして、ストーンズのステージがここまでやってくるのではないかな? わからないけど、近くまで行ってみよう。

 とまあ、長々と白々しいことを書きましたが(笑)、Miss Youが始まる頃にはBステージの直近ブロックまで潜入に成功しました。曲が始まると、ドサクサ紛れに椅子に飛び乗り、更に近くへ。
 Bステ奇襲大成功です。どうだい。日本人は奇襲が得意なんだよ(笑)。択捉からハワイまで機動艦隊を移動させちゃった民族だぞ(笑)。

 Rough Justiceが始まると、うしろのブラジル人らしいニイチャンが馴れ馴れしく俺の両肩に手をかけます。まあ、お互い様だからいいか。
 ただ、俺の2人前にそいつの友達ペドロがいて、野郎がしょっちゅう「ペドロ!」と声をかけて写真撮影に指示を出していたのがうるさかったな。そこまで言うならお前が撮れ!

Bステージのストーンズ

Bステージのロニー

 写真も何枚か撮りましたが、まあ見られるのはこのくらい。後はブレでお見せできるようなものでは……。
 Bステでは、チャーリーの脇のアクリル板に曲目が全部書いてあるので、それを見ないようにするのが一苦労。写真にチャーリーが写ってないのはそのためです。

 そしてBステで最高に盛り上がるStart Me Up。忘我の境地でした。
 Honky Tonk Womenが始まり、ステージが移動を開始すると、それを追うようにして元の席に戻ります。この辺は大人の観衆が多いだけに、粛々とトラブルもなく現状復帰です。一応、後ろにいたペドロの友達とも握手しておきました。

 Sympathy For The Devilの頃には、だいぶAブロック周辺の席は混沌としていました。一応は通路に出ると警備員が注意しに来るのですが、通り過ぎるとまた出て行くような感じです。
 KちゃんやHちゃんも、くのいちのようにスルスルと前方へ。見事だ。
 Paint It Blackでは、ミックの音程がかなり怪しげ。日本公演でもそうでしたけど。この曲はやっぱり人気があるようで、客席の盛り上がりは大変なものです。

 ついにBrown Sugarまで来てしまいました。いやあ、すぐ終わっちゃうな。
 もう何でもあり状態だったので、とりあえず最前列まで突撃。チャンピオン・ベルトを見た人に、手にキスされました。問題は、そいつが男だったことです(泣)。

 アンコール待ちの混沌の中、恐らく元々の席だったあたりに戻ると、S氏がうずくまっています。
 彼は腰痛持ちなので、腰に来ちまったかな? どうした? 大丈夫?

「近くでハッパ吸ってた奴がいるでしょ。あの煙、吸い込んじゃった……。気持ち悪い……」

 彼はタバコの煙にもかなり敏感です(喫煙者が同室でスマン)。そこにいけない草の煙が行っちゃったら……。
 それでも、アンコールのSatisfactionが始まると、やけになったように暴れていました。

 ああ……終わっちゃった。

エンディング

 これで当分の間はストーンズを見ることができないな、と思うと、かなりガックリ来ました。

 FちゃんMちゃんと待ち合わせのため、Bステージ近辺に向かう途中も、何だか肩は落ちてしまいます。そのあたりでオランダーズと再会。どうも録音していたようです。いけないオジサンたちだ(笑)。
 S氏はかなりつらい様子。でも、彼には事前に予約してあったタクシーとの連絡という任務が待っていたのです。何せ20日にはとんでもない目に遭いましたからね。

 会場を出て、駅に向かう群衆と別れ、東に向かいます。
 一刻も早く予約したタクシーを見つけたいS氏ですが、けっこうなハードな日程を消化して早足では歩けない女性陣。
 S氏を先に行かせ、女性陣にはマイペースを守らせ、私は中間に立って両者はぐれることのないように監視することにしました。
 会場周辺は交通規制が厳しく、けっこう離れないとタクシーが乗り入れ可能な場所に行けません。

 エスティマのタクシーから手を振るイリューヒン・ミーシャ似の運ちゃんを見つけるまで、20分くらいは歩いたでしょうか。
 S氏、お疲れ。ありがとう。あの状態でよくここまで誘導してくれたよ。
 が、運ちゃんはそんな状態を知ってか知らずか、

「女性はこいつで俺と一緒に行こう。おまえら2人(男チーム)はあっちから電車で帰れ」

 だと(笑)。ベタだけどおもしろいな、ミーシャ。

 グロスター・ロード駅に近いホテルでWild Girlsを降ろします。2人は明日帰国なので、次に会うのは日本です。しみじみ。
 そのままクロムウェル・ロードを進み、クィーンズ・ゲイトで曲がり、ホテルに着きました。
 いやあ、一昨日のことを思えば天国のようだ。
 このころはだいぶ回復していたS氏、ミーシャに

「英語下手でごめんね。次に来るときまでにはもっと勉強してくるから」

ミーシャは

「いや、ソーリーじゃないよ。大丈夫大丈夫」

 一応、スーパーに行ったものの、11時で酒の販売は終了だそうな。
 でっかい黒人の店員に「特別に売ってくんねえか」とお願いしましたが、微笑みとともに拒絶されました。

 FちゃんMちゃんが秘蔵のビールを持っていたので、我々の部屋で少し(正確には俺だけ)いただき、語り合いました。
 Mちゃんが近くのオバチャンに気に入られたようで、Bステまで手を引いて案内してもらって突撃成功したとのこと。
 なお、オバチャンはチャーリーと知り合いなのか、チャーリーがしきりにオバチャンと目を合わせていたとのこと。それこそリッチモンド時代からのファンかな。

 ともあれ、これでロンドン行きの主目的は終了。またS氏は明日から友人宅を回ってパリに移動するので、このホテルに泊まるのも今日限り。
 夜遅くはありましたが、パッキングを開始しました。

 私は明日1日だけ、以前から憧れていたホテルに泊まることにしていました。いやあ、楽しみだな……と、その後に起きる事態を予想すらしていない私は、期待に胸をふくらませて就寝したのです。

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