が、とにかく当日。実感はわかないけど当日だ!
午前中は「マスウェル・ヒルビリーズのジャケのパブに行きたい」というS氏をアーチウェイ・タヴァーンに案内し、ローストビーフを食いました。これがほんとにうまかった。
本来ならストーンズのライブ当日は禁酒という掟を自らに課しているのですが、時間も早いし、この後は昼寝する予定だし、というので解禁、ギネスをくらいながらたいらげました。
ああ、昼間っからビールとローストビーフ。イギリスの労働者って感じになってきました。見るからに日本人ではありますけど。
写真撮影に興じた後は、ホテルに戻って昼寝。ライブ用の体力をつけておかなきゃ。
けっこうしっかり寝られて、17時に目覚めました。
ハイ、チケットOK。携帯OK。財布OK。念のためトイレも2回だ!
オイスターカードOK。チャンピオンベルトOK!
今回、こんなベルトを作って、プラカードとして使うために持っていきました(写真は終演後です)。
もし、海外のサイトで「チャンピオンベルトを作って巻いてた馬鹿な日本人がいた」という記事をご覧になったら、それは私です(笑)。
今日から同じホテルに移ったMちゃんとFちゃんとロビーで待ち合わせ、いよいよ出撃です。
ホテルのあるサウス・ケンジントンからトゥイッケナムには、ディストリクト線でリッチモンドに行き、そこからBRでトゥイッケナム駅まで2つです。
が、ディストリクト線っつうのは4つくらいに枝分かれしていて、うかつなのに乗っちゃうと全然別の場所に行ってしまいます。
別方面からのリッチモンド行きを期待して、とりあえずアールズコートに。ホームには、ベロの服を着た人がちらほら+α。どうもみんな外国人らしく、お互いに動きを探っています。もちろん、我々も。
すると、黒地にわんさとベロの書かれたシャツを着たオジサンが、ウィンブルドン行きに乗り込み、何人かがつられて乗っちゃいます。
一瞬、我々も反射的に乗りかけたんですが、ウィンブルドン行きは方面違い。オジサンにつられて乗った数人も違うことに気づいて下車しました。
その刹那、無情にもドアが閉まり、哀れオジサンはウィンブルドン方面へ。気づいたらしく、車内であわてる様子がまた哀れでした。
今、テニスやってるかどうかも知らないけど、間に合うといいね。
リッチモンド行きの列車が着き、乗り込みます。この辺になると、地下鉄っつっても四谷あたりの丸ノ内線のように地上を走っています。
郊外っぽい町並みの中を20分くらいはかかったかな。いよいよリッチモンドに着きました。
リッチモンドといえば、ストーンズがハコバンで入っていたクロウダディ・クラブのあった場所ですが、探してる余裕はなさそう。とにかくBRに乗り換えです。
けっこう混んだ電車に乗り込みますが、モタモタしてると駅員に怒鳴られます。何だこの野郎? 偉そうに。でも、奴らの持っている黒くて長いしゃもじ状の棒、あれはいったい何なんだろう? どうでもいいけど気になります。あれで乗客のケツでも叩くんでしょうか?
トゥイッケナムまでは2駅。5分とかかりません。リッチモンドに近いんだな……。“Rollin' Stones”としてのデビューはご存知マーキーですが、定期的に出演するようになり、人気を上げていったのはリッチモンドのクロウダディです。
ストーンズが最初に載った新聞も、「リッチモンド&トゥイッケナム・タイムズ」だもんな。この界隈は、きっとストーンズにとっても特別な何かがあるのかも。
駅に着くと、ストーンズ馬鹿どもがゾロゾロと降ります。うーん、何だか今まで以上に平均年齢が高いような(笑)。もうけっこうな酔っぱらいがいます。
お、スタジアム……の前に騎馬警官が見えてきました。
すげえよなあ、馬が。こんな人だかりと喧噪の中、まったく動じないんだから。
馬って気が小さい動物ですからね。普通の馬は、何千何万の人間が騒ぎながら向かってくるのを見たら、とても平静ではいられないはずです。よっぽど肝っ玉の練られた馬なんでしょう。
スタジアムは何だか工事してます。S氏がラグビー・ファンから聞いたところによると、屋根をつける工事をしているとか。ウェンブリー・スタジアムとどっちが早いかねえ。
警官のいたあたりで、FちゃんMちゃんとお別れ。我々はステージ向かって右の“キース側”を目指します。
入場時のセキュリティ・チェックはなかなか厳しく、カバンの中を探られるだけでなく、ボディチェックまでされました。ボディチェックの後に、私のチャンピオンベルト入りトートバッグに気づいた警備員、中を見せろといいます。
「これ? (取り出して)チャンピオン・ベルト。俺が作ったんだ。いいだろ」と言うと、引きつったような呆れたような笑顔で通してくれました。いいよ。お前にはわかんねえよ。
グッズ売り場を軽くチェックしてから、まずはトイレ。これ基本です。
仮設トイレがべらぼうにあったのですが、これが女性用のみ。それでも長蛇の列ができていました。一方男性は元々のトイレだけでしたが、すんなり入れました。

まずは席のチェック。前座のFeederが始まって間もない頃でした。
既にワイルド・ガールズは着席。お好みの男子を発見した模様です。
13列目ということで、実はさほど期待してはいなかったんですが、これが東京ドームの最前列と同じくらいの距離なんですよ。いかにドームでステージと客席の間が広かったかっつうことです。
何だかピッチ上にバーやグッズ売り場まであるんですよ。何というか、ちょっとしたお祭りみたいでしたね。
さっそくチャンピオン・ベルトを巻くと、外人さんにはけっこう受けました。
はっはっは、日本人は器用だろう。だからウェンブリーは日本企業に任せておけばよかったんだよ。悪いことは言わないから、今後は日本のゼネコンに頼みたまえ。
何でも発注先は日本企業しかないよ。早くてきめ細かい仕事させたら、日本人は世界一だぞ。
Feederが終わってしばらくしたら、雨が降り始めました。うーん、さすがロンドン。思えば、屋外でストーンズを見るのはこれが初めてです。雨を想定しベロマーク入りの雨合羽を用意しておいたので、動じることもなかったのですが……雨男だからなあ、俺。
隣のオジサンが傘がなくて困っていたところ、Hちゃんが自分の傘を貸してあげていました。オジサン、本当にうれしそうです。連れに人に「どうしたの、それ?」と聞かれ、満面の笑みで「友達が貸してくれた」。
さすがHちゃん。オッサンはこのことを折に触れて思い出すだろうな。オッサン、何かあったら日本企業に(しつこいって)。
やがて雨も小降りになってきたと思ったら、スタンドでは妙に息のあったウェーブが発生。久しぶりだなあ、ウェーブなんて見るの。我らピッチ組も拍手喝采です。
そんなこんなで盛り上がってきたところで、日没から少しした時間に客電が落ちた!
ビジョンに映像が出ますが、日本でも何度も見たのでシカト。ステージに目をこらします。
おっ、チャーリーが座った! おお、キースがすーっと出てきた。
出た! Jumpin' Jack Flash! おお、いつものようにイントロが怪しいぞ!(笑)
でもいいんです。そこまで含んでストーンズなんだから。
やはりブランクとの相関法則(ストーンズを生で見ない期間が長いと、次のライブで泣けて来るという法則)が有効だったようで、こみ上げてくるものが押さえられません。
で、いきなり2曲目がStart Me Upかよ! 狙ったな〜。否応なく盛り上がろうというものです。
ここでミック、「いやあ、ホントはウェンブリーだったんだけどねえ。アークティック・もんキーズのさよならツアーまでには完成すんだろうね」(意訳)。何でもイギリスの人気新人バンドだそうで。さすがミック、新しいのをよく知ってるよな、と思ったら、NMEの表紙になってました。なるほど、そういうことか(笑)。
Oh No, Not You Againまで畳みかけます。次はSway。あ、ドクロギターではなく、テレキャスです。
ここで何とRuby Tuesday。キースがコーラスをつけます。実はキースとブライアンで書いたと言われるこの曲、今回の渡英でブライアンの墓参りに行こうと思っていただけに、感無量で聞きました。
ミックが黒のストラトを持って搭乗。う、Rain Fall Down? 雨が降ったんだから、言霊の影響の大きい日本人としては、また振りそうな気がして嫌だなあ……と思ったら、始まったのは
Streets Of Love!
この曲はシンプルだけど名曲です。一部ファンはけなしてますけど、正直どこに耳がついてんだか、と思いますね。いや〜、いいなあ、これ。聴けて幸せですよ。
続いてTumbling Dice。ラッパ隊登場です。
そしてMidnight Rambler! 気分で変わるアレンジがいい。展開もバンドの思いのまま。ああ、幸せだ。
Night Time Is The Right Timeでは、リサ・フィッシャーが気合い倍増ド迫力の熱唱。この人、ドンドン凄くなるよな。
あ、何だかタバコじゃない煙のにおいがする(笑)。
ここでバンド紹介。あちらでは日本ほどサポートメンバーへの声援がなく、ボビー・キーズですらやや盛り上がる程度でした。「ボビーーーーー!」と叫んだら、何人かに珍しいものでも見るような目で見られました。何だよ、わりいのかよ!
ちなみに、たまにミックがチャーリーを紹介するとき、「ワン・ダン・ディドゥル〜〜〜、チャーリー・ワッツ!」って言うんだけど、ワン・ダン・ディドゥルって何だ?
ここでキース・コーナー。ミックと肩を組んでステージ中央に出てきます。
さあ、何をやってくれるのか。キースの何言ってんだかわからないしゃべりに耳をダンボのようにして傾けます。
「This one called(推定)……」何だ何だ?
「Slipping Away」
ま、まただ。私が見に行くとSlipping Awayというジンクスがあるので、ほかの3人に笑われます。「いやあ、キースがこっち見て気づいたんだよ」「そうそう、あいつが来てるんだからやらなきゃって」
前回のロンドンでも、香港でも、そうだったなあ……。Slipping Away自体は大好きなんだけど、複雑です。
キース・コーナー2曲目は! ここでHappyだったら、ホント俺のジンクス黄金パターンだよなあ。お、キースのテレキャス、カポついてないぞ! これはひょっとして……
当たり! Before They Make Me Runでした。
この曲、いかにもキースっぽくていいよな!
Miss YouでBステージに移動です。さっきまで目の前にいたストーンズがはるか遠くに。
あ、S氏がいつの間にかいなくなってます。どうもBステ方面に向かった模様。Bステージ到着後、つい「ココハ イイ 眺メ〜〜〜」とミックが言うような気がしてしまいますが、もちろん母国でそんな必要もないので、英語でした。
◆屋根付きでBステージに移動する動画です
| ※06/09/15追記 また大事なことを書き忘れてました。 このBステに移動中のことです。チャンピオン・ベルトを高々とかかげたところ、ミックが気づいて手を振ってくれたのです。しかも両手で。推定350人くらいが「自分に振ってくれた」と思っているとは思いますが、違います。あれは俺に振ったんです。
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Rough Justiceでは、ロニーの開き直ったギターが全開。
そうそう、あんたはそれでいいんだよ。ヘンに気の利いたようなフレーズを弾こうとしないで、本能と手癖でスッ飛ばしてくれりゃいいの。
Get Off Of My Cloudでは、やはり一緒に歌っちゃうような野暮はせず、キッチリコーラスでコール&レスポンスさしてもらいました。
Honky Tonk Womenでメインステージへ移動開始。幸運にして席が前の方の時は、「ああ、帰ってくる」という印象で、イントロのGのコードを聞くと安心します。
そしてSympathy For The Devil。窓チャック、うるせえよ。弾きすぎ。ちょっとは遠慮しろよ。おまえはバンドのメンバーじゃねえんだからさ。よけいな7thとか9thなんか入れるんじゃねえよ。
ただ、サビに入るのと同時にステージから吹き出した炎は凄かった。暑い、いや熱いです。きっと雨に濡れた俺たちを乾かしてくれたんだな。屋根付会場ばかりの日本ではあり得ない炎の量でした。東京ドームでやったら、絶対屋根に穴があいてたと思われます。
続いてイントロが微妙なIt's Only Rock'n Roll。
そして世界最強の名曲Brown Sugar!
ヨーロッパツアーから登場と思われる映像がスクリーンに。裸の巨大な黒人女性が、世界の名所を歩き回る内容です。我らが東京タワーも登場します。
ここで一度終了、アンコールを待ちます。
すると、いきなりSatisfaction。いつもはYou Can't Always Get What You Wantなのに、どうも1曲飛ばしたっぽいな!
とは言え、その後はあんまりよく覚えてません。
一部では間違えてYou Can'tのイントロを弾いたと言われていますが、それはたぶん間違いです。だって、You Can'tは5弦オープンGギターにカポ5、方やSatisfactionはレギュラー・チューニングの6弦ギターです。間違えるも何も、5弦カポなしのギターでは、You Can'tは弾きようがないですから。
とはいえ、キースのことだから6弦のギターで平気でYou Can'tを弾き始めたという可能性は否定できませんが(笑)。ま、どっち道おぼえてないですけど。
ドバドバと花火が上がり、これがまた熱かった、というのは覚えています。

何とチャーリーが投げたスティックが我々の近くに。
しかも、通路に出ていたKちゃんのすぐ前に飛んできたのですが、家族づれのお母さんがものすごい執念で拾い上げました。
この子(プライバシー保護のため、顔はぼかしてあります)は、その息子です。ちなみにお父さんからは「その(チャンピオン)ベルトはエクセレントだ!」とほめられました(笑)。
ああ、終わっちゃった。でもまた明後日もあるしな。
非常に満足状態でBステ付近へ。FちゃんMちゃんと待ち合わせです。
会場を出てみると、あてにしていたホーンスロー駅へのシャトルバスには長蛇の列ができています。とてもじゃないけど、乗れそうには見えません。
しょうがねえ。全員乗せるまでBRは特別運行するっていうし、駅まで行くか。
……ところが駅までがまた大変。人間渋滞です。
ようやくトゥイッケナムの駅には着いたのですが、入場規制があってなかなか駅には入れません。ディズニーランドなんか目じゃないくらいの混みっぷりです。こりゃしくじったかな……。でも、あのままシャトルバスに乗れたかどうかもわからないしなぁ。
次の回でいよいよ電車に乗れるか、という段階で、真後ろで喧嘩騒ぎがありました。それも男対女。ケツでもさわられたのか、女の方が男をぶん殴ったようです。が、大人げない男が女にハリケーン・ボルト(「リングにかけろ」の石松の技です)を食らわせたところで警官登場。そのまましょっぴかれて行きました。
やっとホームに入ることができたのですが、駅員にせかされて乗り込んだ電車はラッシュ・アワー状態。
ところでこの電車、どこまで行くんだ?
近くにいたおじさんに聞いてみました。
「この電車、どこ行き?」
「ウォータールーだよ」
……ハァ? ウォータールー?
じゃ、じゃあ途中で降りなきゃ。
S氏「ノンストップ?」
「いや、途中でも停まるよ。○○と、××と……」
……聞いたこともねえような駅ばっかりです。最初の停車駅で外を見ると、駅前がいきなり真っ暗。うう、こんなとこで降りたら、バスもタクシーもないに決まってるよ。
しょうがねえ。ウォータールーまで行くか……
が、そんな状態なのに世界のストーンズ馬鹿はみんな陽気です。
天井にクモがいたんですが、モヒカンの若造がそれを指で突っついて落とそうとします。女性客はキャー!ですよ。
ところが、それを見ていた50年配のオッサンが、何と「Boris The Spider」を歌い出したんです。すると車内は爆笑&大合唱。アホだ。もっとも、私もいっしょに歌いましたが。
電車は20何分か走って、ウォータールーに着きました。もう1時を回っています。
最後の望みをかけて、ジュビリー線の方にダッシュ!……したのですが、やはり終電は行った後。
ナイトバスもチェックしますが、我々のホテル近辺に直接行くバスはありません。乗り継ぎっつってもわからないし、しょうがないのでタクシーを拾うことに。
ところが、これだけの人間が終電後の国際駅周辺にあふれてるというのに、タクシーがとにかく来ない! 日本だったら、情報をつかんで無線連絡をしまくって、ウォータールー駅前にタクシーの列ができてますよ。みすみす儲け口を逃してるようなもんです。
しょうがないので、ウェストミンスター橋方面の交差点で腰を据え、ひたすらタクシーを待ちました。結局、30分ほど後にやっとタクシーを拾い、2台に分かれてホテルに向かいました。
が、これが案外よかったんです。
まず、レイ・デイヴィスが幼少時に入院していたセント・トーマス病院の前を通り(関心があったのは俺だけでしたけど)、ビッグベンの脇を通過、バッキンガム宮殿やトラファルガー広場の脇を通るコースだったので、ちょっとした観光コース。深夜におのぼりさん気分になれました。
MちゃんとFちゃんの秘蔵ビールとおつまみをもらい、部屋に戻り、風呂入って寝たのはもう3時近く。明日は朝からチェルトナムに行くというのに、大丈夫なのか?
