ついにまたストーンズの活動が再開しました。うれしい。これはうれしい。
もうね、「Forty Licks」収録の新曲4曲がイマイチだとか、そんなのはどうでもいいです。今現在の心境としては、赤いちゃんちゃんこを着てお祝いする歳(しねえか)を目前にしても、まだツアーをやってくれる時点で、たいがいのことは許したい気分です。
これが実際にコンサートを見に行くとなると、現役バンドへの要求というものが私の中でも出てくるとは思うんですけどね。
昨年9月3日のボストンを皮切りに、またもワールド・ツアーに出発したストーンズ、今回も東京・大阪各2回の来日公演が決まっています。よし、(来日公演は)全部行くぞ、全部!
でも、何だか国内のメディアはツアー開始に対して冷淡でしたね。前3回のツアーの時は、ワールドツアー開始時点でけっこう取り上げられてた覚えがあるんですけど、今回は飛行船に乗って記者会見に現れるという最も派手なパフォーマンスを行ったにもかかわらず、国内ではごく一部のメディアでしか報じられませんでした。
Yahooも本家Yahoo.comの方はかなりの記事・写真の点数で報じていましたが、Yahoo!Japanはおざなり程度に1〜2本の記事を翻訳した程度。何だよ、この扱いの違いは。
音楽専門誌も同様で、ベタ記事ひとつ満足に乗ってませんでした。「Player」に載ってる……と思ったら、72年の『メインストリートのならず者』特集という、よくわかんない内容でした。それはそれでおもしろかったんだけど。いい加減してから「ロッキング・オン」とかに載り始めたんですけど、それはもうネットでひとしきり騒ぎになってから。
ネットと言えば、2ちゃんなんかでも、ストーンズのスレッドは数える程度だったなあ……。まあ、ほとんどのストーンズ・ファンは2ちゃんに書き込んだりしないんだろうけど。
しかし、当然我々ファンは大騒ぎでした。とくにヨーロッパの「It's Only Rock'n Roll」あたりを情報源に、来日はいつだのどんな会場でやるだのという情報が飛び交いました。もともとストーンズ・ファンの横のつながりによる情報交換は発達してましたけど、ネットの普及が本格的になって拍車がかかりましたね。
今回の「Licks」ツアーおよびオフィシャルファンクラブのサイトが開設されるに至って、本格的にストーンズがツアーをしていることが実感されてきました。
今回は、ホントにアメリカ行きを真剣に考えました。でも、現実的にストーンズがアメリカを回っている間は仕事がエライ忙しい上に、我が家の家庭環境の変化があり、とても行けそうにありません。
ところが、俺の友達連中は続々と行きやがるんだ、アメリカに! ひとりがMSGに飛んだのを皮切りに、クリーブランド、トロント、来年のラスベガス……こうなると、身動きの取れない自分が呪わしい。もっとも、秋から年末にかけてが当社で一番忙しい時期なので、もし行ってたら確実に自分の首を絞めまくっていたことは想像に難くないのですが。
かわりに、国内公演を完全制覇し、来年のヨーロッパ・ツアーでロンドンに行こうかと考えています……というか、そのつもりでチケットを手配しちゃいました。いやあ、それがロンドンがけっこういい席なんですよ。
今から、すんげえ近くに見えるステージや、ハッキリ肉眼で見える位置にやってくるメンバーを想像して、ニヤニヤしてしまうのも仕方ないでしょう。もうこの道20年近いんだよな。
メンバーの歳や自分の歳を考えたら、いつ何があっても不思議じゃありませんから、見られるうちに可能な限り見ておかないとね。前回の来日公演からはや4年、東京最終日でこんな目に遭いましたから、何としても行きたいです。
で、今回のストーンズ、けっこう良さそうなんです。
行ってきた友達の話だと、アル中から立ち直ったロニー・ウッドの活躍ぶりが凄いようなんです。がんばるようになったな、新入り。
おそらく、アル中からのカムバックだけでなく、90年代まで週給制だったロニーがオリジナルメンバーと同じ興行収入の頭割りという待遇になったことが非常にデカかったような気がします。
しかし、加入から20年以上たって、やっと一人前の扱いか。よく耐えたぞ、ロニー。
実際に目の当たりにした時の感動のために、音だけは聴くまいと思っていたんですが、ふとしたことから誓いを破り、今回のツアーの音を聴いてしまいました。
ある日、後輩H君(これまでもたびたび登場した“酒と女とブルースをこよなく愛する男”)……実は何の因果か今は私の部下のH君が、午後半休扱いで外出し、用事を済ませてから(悲しいことに)仕事の続きをするために帰社しました。しかし、奴の手には数枚のCDが携えられていたのです。
私の勤務地は、世界的に有名な某海賊版店街にほど近いところにあります。その有名さ加減は、ジミー・ペイジが来日しては立ち寄っているところからも伺えます。
そう、H君が買ってきたのは、Licksツアーのブートレッグです。しかも、うち1枚は8月16日トロントでのキックオフ・ギグのライン音源!(その道に暗い人用の注:ツアー開始前にトロントで1,300人くらい集めてライブをやったんです。で、ライン音源ってのは、観客が席で録音したものではなく、ミキサーから直接録音したものってことです)
いやあ、これが非常によかった! 噂通りロニーががんばっているのはもちろん、ミックがちゃんと歌っている!
これまでのツアーだとミックのボーカルはお世辞にも常に全開とは言えず、時々バック・ボーカルにまかせて歌わなかったりしてました。もちろん、公式ライブ盤ではボーカルをダビングしているのでちゃんとしてますが、ブートレッグで聴けるボーカルは、全然違います。
たとえば、こんな感じです。※()内はミックが歌わないところ
例1)You got to (roll me), call me the tumbling (dice).
例2) I say, (I know), it's only rock and roll, but I like it.
それが、今回は違う! ちゃんとミックがベタで歌っているんです。
これまでは高いパートが歌えずに、低いのでごまかしたりも多用してましたけど、今回はがんばってます!
これは期待できます。最強のストーンズ(に近いもの)が見られるかもしれません。願わくば、俺が見に行くまでこの調子を維持してほしい!
前も書きましたけど、ストーンズが来日するたびに、私の状況は変わっていきます。みなさんもそうですよね? まあ、これだけ間が開けば、そりゃ変わりもするでしょうけど。
今回も、子供がまた増えた状態でストーンズを迎えることになります。思えば、子供ができるとストーンズが来ているような気がします。
90年……未婚
95年……長男誕生後、1年半で来日
98年……次男誕生後、数ヶ月で来日
02年……長女誕生後、1年未満で来日
……俺が子供を作らないと、ストーンズは来ないんだろうかという勢いですね。まさか、次の来日は俺がまた子供を作らないと実現しないなんてことはないだろうな。もうさすがに打ち止めだし、そんなジンクスじゃ困るなあ……。
初来日時にはまだ23歳のバリバリの若造だった私も、今ではバリバリのオッサンの仲間入り。髪の毛もキース並みにやばくなってきてしまいました。映画『ザ・ローリング・ストーンズ(Let's Spend The Night Together)』のスクリーンで見たミックやキースの年齢は、もはや目前です。ブライアン・ジョーンズなんかとっくに年下になっちゃいました。
この20年、ただの一度も飽きることなく、ストーンズを聴いていました。Jumpin' Jack Flashなんか、下手すりゃ何千回も聴いています。でも、いまだに聴けば高揚するし、まだまだ新しい発見もあるんです。
昔、松村雄策さんがジョン・レノンのことをROCKIN' ON誌で何度も書いていましたが、その中で「Glow old with meとファンに言えるのはジョンだけ。ポールはそういう人ではないし、ミック・ジャガーが言ったら冗談だ」というような趣旨の原稿がありました。その時は「ああ、そんなもんかもな」と思ったのですが、現実にそれをやったのはストーンズでしたね。
もちろん、ミックもキースも「いっしょに年を取ろう」なんて言ったことはないと思います。俺たちファンが勝手にストーンズと一緒に年を取っていったんです。これからもそうなるでしょう。
世界中に、勝手にストーンズと一緒に年を取ったオッサンやオバサンがたくさんいることでしょう。
そう言えば、こんなことがありました。
12月21日、ストーンズの来日公演のチケットが一般発売になりました。私は既に3月15日の東京と20、21日の大阪は先行や友達の協力で押さえていたのですが、根がオッチョコチョイなので、16日の東京を押さえてなかったんです。そこで、一般発売の朝、二日酔いをこらえて近場のぴあスポットに並んだんです。
そのスポットは某スーパーの中にあるのですが、店の前には数人のオッサンとオバサンしか見あたりません。地味〜な、普通の人たちです。
「ラッキー、こいつらは買い物客だ。つうことは、一番乗りか!」
もうすっかりアリーナを押さえたつもりでいたのですが、開店のアナウンスがかかってドアが開くと、オッサンとオバサンが猛然とダッシュ! しまった! 出遅れた! 奴らもストーンズ・ファンだったのだ!
結局、私もその皆さんも1階スタンドでしたけど、いやあ、どう見ても中間管理職のオッサンと節約上手な専業主婦のオバサンにしか見えなかったのに、並ぶほどのファンだったんですね。
“ストーンズと一緒に年を取る”とはこういうことなんですね。
あ、そう言えば昨年の秋に私の職場で新しい人が入ったんですけど、忘年会でインタビューをされて「今年で一番驚いたこと」を聞かれて、「課長(私のことです)が画面も見ずにローリング・ストーンズの歌を歌ったこと」と答えてました。
私もスーパーの前のオッサンたち同様、ストーンズを聴くようには見えないんでしょうねえ。
それはさておき、思えば初来日から12年、幻の初来日からは30年も経とうとしています。途中で何度も解散の危機に見舞われながらの40年です。まあ、メンバーは今や誰がどう見たってジイサンです。電子レンジだのビデオだのという、今や当たり前のものが普及していない頃に結成されて、このブロードバンドだのホットスポットだの言っている時代まで現役で、バンドをやってたなんて、どういう感じなんでしょうね。
40年やってるバンドなら、まだあります。キンクスなんかもぼちぼち40年になりますしね。でも、ストーンズは常に第一線で40年なんです(活動してない期間が長いというツッコミ禁止)。
81年のツアー以来、今回で5回目のワールドツアーですが、何万人も入る会場が根こそぎソールドアウト。
プロレス団体WWE(当時WWF)の「レッスルマニア」に破られるまでは、室内観客動員の記録はストーンズが持っていましたし。
今回のツアーも、出れば完売の連続です。チケットはどちらかと言えば高い価格です。それでも、とにかくソールドアウトの連続なんです。ロンドンの3公演(ウェンブリーアリーナ、トゥイッケナムスタジアム、アストリアクラブ)なんか15分で売り切れでした。ウェンブリーを押さえてあったので、一般発売でアストリアを狙ってたんですが、あえなく撃沈でしたね。
何でも20万人集める会場もあるとか。有料客が20万人も集まるなんて、とてつもないことです。
学校出てろくに仕事もしないでバンドを組んで、下積みを数ヶ月やった後は、そんな人生をずっとやってるんです。
これは、ほかの誰も体験したことのない世界です。ストーンズであること、とはどういうことなんでしょうね。
それと、今回のツアーでつくづく思ったんですけど、今頃になってインターネットの便利さっつうのを実感しましたね。
私がパソコンを始めたのは、96年だったと思います。その頃にはストーンズの公式サイトは既に存在していました。パソコンを買ってまもなく、14.4kbpsという、今では笑っちゃうような遅さのモデムでインターネットを始め、接続した最初のサイトはもちろんwww.stones.comです。
そんな環境にもかかわらず96年中にウェブサイトを立ち上げ、この『私とあなたとストーンズ』は98年に始め、今日に至るわけですが、この間の変化たるやたいへんなもんです。
ツアーのたびにストーンズは新しいオフィシャルサイトを立ち上げてきましたが、前回までのサイトは、そんなに大した情報があるわけではなく、ちっちゃい画面でインタビューが見られるとか、その程度のもんでした。それでも当時はコーフンしましたけどね。
それが、今ではオフィシャルサイトでチケットが買えます。ニュースレターもちょくちょく来ますし、インターナショナル・プレミアム会員になったので、(メアドとカードごとに1回限りですけど)先行でチケットも買えました。日本公演はそうはいきませんでしたけど、ロンドン公演なんか、押さえた時点で席までわかりました。
今までのツアーの時はこんなことできませんでしたから、チケット付きのツアーを買ったり、現地の知り合いに頼んだり、FAXなんかでやり取りして買ったり、現地にまず行ってダフ屋から買ったりしていたわけですよね。
もちろん、前回のツアーの時にも既にインターネットは普及してましたから、それなりに情報は手に入ったんですけど、メーリングリストを通じて入る断片的な情報だけで、今の情報量とは雲泥の差です。それに当時はダイヤルアップが普通でしたから、インターネットは一定の時間に必要な情報だけをちょこちょこ探して終了するものでした。思う存分情報探しなんかできなかったんですね。下手すりゃページを表示してから一度接続を切ったりなんかしてね。
それが今ではつなぎっぱなしで何の問題もありませんから、チケットが取れるまで思う存分つなげるんですよね。いやあ、隔世の感がありますな。
それと今回は携帯の普及がでかいですね。とくにiモード。
まず、誰かがチケットの発売情報を発見すると、すぐにメールがドバドバと入り始めます。メールが受信できない奴とは電話です。
そこで、取れる奴がすかさずチケットを押さえて、後でみんなで分配すると。日本公演の先行発売も平日の昼間でしたから、携帯がなかったらタイミングを逃してましたね。もっとも、急いで取ったところで席は抽選らしいので、早く取っても遅く取っても一緒ですけど。
ところで、ふと思い立って、2002年内のツアーを分析してみました。参考までにご覧ください。
いずれも、トロントのキックオフギグを含んだ表です。
さあ、後は来日を待つばかり。待ちきれずに海を渡る人も多いでしょうが、ここはひとつ、耐えて待ちます。アメリカに行かれる方、おみやげをよろしく(笑)。
今月(03年1月)待つに届くチケットがいい席でありますように。
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