ダンス、なんだけど台詞も言うし、生バンド付きで歌も歌う。じゃあミュージカルなのかと言われれば、そうではない…ようで実はミュージカルなのかも?とも思う。物語の設定らしきものはあって、それなりに話が展開しているようでいて、でも実はダンスの意味が汲み取れない箇所も多々あり。だからといってコンテンポラリー系の何が何やら9割分からない!という展開では無い。
結局のところ自分がどういう舞台を見たのか判然としないわけだが、別に舞台の種類を分別しなければ舞台を楽しめないと言うわけでは無い。何でも有りのごった煮だとて、楽しめればそれでいいのだ。
じゃあ、楽しめたのかと聞かれると、これまた返答に困ってしまう。
見物中に「つまらない」とは全く思わなかった。「んんん?何がどうなんだ?」とは何度も思った(というか思わないときの方が少なかったが)、疑問点があること自体はつまらなさには繋がらなかった。「???」と思いつつも舞台に集中していた。上演時間は約2時間だったと思うが、見終わって「あ、2時間だったんだ」とちょっと吃驚した。体感時間としては1時間半というところ。
それだけ集中出来ていたなら面白かったのだろう、ということになるのだが…。だがしかし…。面白かった!楽しかった!と大声で言えるかというと、う〜む。
何かわかんないけど、初「パパ・タラフマラ」体験できて良かった、くらいのノリ?かも。
迷い込んだ女(あらた真生)は、青いワンピースドレスのスカートがカボチャ型になっていて、その下に茶色のこれまたカボチャ型パンツを履き、更に紫色のタイツという組み合わせの妙にうっとり。こういう着こなしが似合うって、とんでもないな。あのワンピース+カボチャパンツには一目惚れ。
自分では決して着ないけれども、ちょっと作ってみたい気持ちになる。
ダンスのキレが一番よかったのもこの青いワンピースの女。
時折クタッと力が抜けたようにへたり込む、その姿が美しかったのが、微笑みと幻覚のダテ男(天野史朗)。白いコート+白いブラウス+白いズボン+白い靴+白い帽子。全身白ずくめの服装で顔もちょっと白っぽく塗ってあるのだが、目深に被った帽子から伏せがちな目で時折周囲をぐるっと見る、その微笑みとダテ男っぷりに軽く惚れる。
何と言ってもポイントは帽子とコートですよ。白のロングコートを着こなせるなんて、宝塚歌劇の男役だけかと思っていたけれど、実はそうでもないんですな。
夢見た女は渦の中(小川摩利子)で、赤いスカートをばたつかせながらカレからの電話&手紙を待ちつつ歌う。 一寸背の高い女の、耳の下で切りそろえたおかっぱ頭って、なんでこう独特の色っぽさと強さが出るのだろう。
それなりの歌声なのだが、時折下手くそ発声が混じるのが何となく気になり。
また、後半でダテ男とからんでくるあたりから、俯きになった時の顔がやつれて見えて、あれれ?となる。表情がどうこうという演技のことではなくて、肌の張りが急に10歳位年を取った女に見えたわけで。急激に疲労が顔に出たってことなのか?
他のダンサー(池野拓哉、菊地理恵、橋本礼、南波冴、清水小寿江)は可もなく不可もなく、さして印象に残らず。
生バンド(中川俊郎、堀越彰、伊藤彩、遠藤益民)は白塗り。演奏そのものは悪くないと思うのだが、いかんせん私は現代音楽をどう捉えて良いのか分からないので、曲そのものについては「???」の状態。ダンスのための伴奏曲としては面白いのでは。
歌手(横手亜梨沙)の歌声についても同様のコトが言える。問題は見た目がかなり怖いってことだ。眉無し白塗りってどうも苦手です。