自称☆芝居道楽委員会

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こまつ座&シスカンパニー「ロマンス」

2007年8月16日(世田谷パブリックシアター)

道楽レポートを書きやすい公演と、書きにくい公演がある。
書きやすい公演としては、例えば『仮名手本忠臣蔵<大序>』のように私が比較的そのジャンル(歌舞伎)について語れるだけの知識を持ち合わせている場合。その舞台でほんの小さなネタに出会っただけでも、そこから文章を膨らませることが出来る。あるいは、『ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン』のように、私自身のクラシック音楽に関する知識は貧困でも、公演を見てイロイロと思うことがある場合も(大感激〜激怒まで)、筆が進みやすい。
逆に書きにくいのは、なんとなくノリでチケットを買ったもののその公演に対してさしたる思い入れも無く、実際の舞台も「大変面白い・面白い・普通・つまらない・大変まらない」の5段階評価なら「フツーに普通」だった場合。舞台を見ている間に何かをひどく考えた(orツッコミを入れた)わけでもなく、見終わって感慨深かった(or怒りが爆発した)わけでもなく、「ま、こんなもんね、よしよし」くらいの感想だったとき。
いったいレポートとして何を書けばいいのか、何が書きたいのか、自分で分からない。よって、とても書きにくい。

で、今回の『ロマンス』なのであるが、フツーに面白かった、のである。困った、何を書けばいいのだろう?

役者6人は比較的高レベルでそろっており、安定した芝居を見せてくれている。が、それもあくまで予定通りの展開。大竹しのぶ・松たか子がコケた演技をするとは思えないし。他の4人の男性俳優だって、安定的に80点以上の演技が期待出来ることは、芝居を見る前からの前提条件だったわけだし。
井上ひさしの脚本としては、フツーな内容だし。音楽もフツーだし。う〜ん。

あ、そうか、これは書いておかなきゃか。 井上ひさしの新作が、予定通り初日の幕を開けるなんて!やればできるじゃないか、井上ひさし!!
ま、今回はね、天下のシスカンパニーとの合同公演だから、自分のカンパニー(こまつ座)の公演のような我侭(例:2007年1月『私はだれでしょう』)はできないわけでね。…ってゆ〜か、いつも、初日の幕を予定通り上げろよ。

じゃあ、まぁ、とりあえず役者について簡単にコメント。
オリガ・クニッペル(大竹しのぶ)と、晩年チェーホフ(木場勝己)のほのぼのした夫婦像が素敵。「妻と一緒に暮らせなくっても…?」「よかった〜、また、夫からの手紙がもらえる!って思うこと!」等の「よかったゲーム」で笑い転げる姿が印象的。
マリヤ・チェーホフ(松たか子)が何故あそこまで兄チェーホフに対して献身的なのか、ちょと分からなかった。だが、まっすぐな声で高らかにチェーホフ賛歌を歌われたら、素直に良い声だな〜と思える。

壮年チェーホフ(段田安則)の生真面目っぷりが堂に入っている。見ていて『タンゴ・冬の終わりに』の名和連を思い出した。
青年チェーホフ(生瀬勝久)役は…あまり印象に残っていないのだが、レストランのウェーターや耄碌しかけた思想家(トルストイだっけ?)での生瀬のハジケっぷりには座布団3枚進呈しよう。あんなに良い声をしているのに(もろ、私の好みの声なのに)、ギャグ路線の演技ばかりで張り切られても、ちょっと寂しいかも。あの声で切々と訴えられたら、心臓にズキーン!と来そう。ドキドキ。

少年チェーホフ、マリヤに求婚する男、段田チェーホフ医師の助手役とどれをとっても、井上芳雄は何故かいつも猫背ぎみ。すっきりハッキリ好青年なところを照れずに前面に押し出しちゃえばいいのに。背が高いことに何かコンプレックスを感じているのだろうか?

採点:★★★☆☆

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