自称☆芝居道楽委員会

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Noism06「TRIPLE VISION」

2006年12月10日(ルテアトル銀座)

今年はわりとコンテンポラリー系のダンスを観ている。
キッカケは3月に観た水と油『均衡』が面白かったから。まぁこれはダンスというよりパントマイムの要素の方が強かった気がするけど、でも、ダンスとパントマイムの境界線ってのが私には分かってないし。夏には『ブラック・ブラン・ブール』というストリート系(ブレイクダンス)も観て、秋になって『ダンストリエンナーレ』でワールド広がった。
別に日本舞踊(含む歌舞伎舞踊)に飽きちゃったとか、バレエが面白くないということでは全くない。単純なことだけれど、コンテンポラリーの楽しみ方がなんとなく見えてきたので浮かれているだけのこと。
今回は、りりゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館専属のダンスカンパニーNoism06。外部振付家招聘企画ということで、カンパニーを率いる金森穣の他に、3人の振付家による新作も。

<black ice(ver.06)>振付:金森穣

女性ダンサーが緞帳を押し上げるようにして舞台が始まる。女3人と男2人が絡んだり、ほぐれたり、叩いたり、寝転がったり、くっついたり離れたり。上手側に設置された菱形のスクリーンに、ダンサーの足の裏の熱らしきモノが映される。

なんのことか分からないダンスなのだが、面白い。緩急のついた動き、ノイズのような音楽を逆手に取ったようなしなやかな肉体。ダンサーの粒が高いレベルで揃っている為、動きの美しさに何度も魅了される。
ラスト、のけものにされた一人の女性が、床のシートをめくって頭から床下へ消えていった時には、どひゃー!そう来たかー!とシュールに楽しんだ。

<Solo,solo>振付:大植真太郎

休憩時間からパフォーマンスは始まっていた。
緞帳は下3分の1位が開いており、スタッフが床のシートを貼り替える様子が見えている。ロール状のシートを転がし、皺やたるみが無いようにしっかりと伸ばし、左右を黒いテープで貼る。その作業をしているスタッフの中を、なにやらちょろちょろと動く男。下手側にマイクスタンドを設置し「マイク、OKですよー」と誰にともなく声をかける。スタッフのあとをついて行ってみたり、テープを転がしたり。舞台の用意が出来て緞帳が完全に下りると、その男は幕前に取り残され「そろそろ…」などと言いつつ、客をわかせて袖に入ると完全なる開幕である。

物語があるような、ないような。身長2メートルくらいの布人形(後には解体?されて1枚の布になる)を操ったり引っ張ったり、重りを持ち上げたり運んだり。
そして、ダンスなのだが、喋る。「25kg」のように単語だけを発することもあるが、「だって、アイドルだもーん!」と歌い出すことすらある。 なんだ?これは。時々単語を発しながら踊るような遊んでいるような、そういう場面は面白かった。ダンスだからこその解釈の余地がいろいろあって、次はどう体を動かして流れを作ってゆくのだろう?とワクワクする。意外性のある動きから新しい物語が生まれてくる瞬間が楽しい。音楽との関連性が切れているようでいて、でも、噛み合う時はガッツリ来るのも「おおっ!」となる瞬間だ。

だが、ダンサーが長文を喋るとどうも醒めてしまう。ダンサーは体を使って表現することには長けているが、言葉を発して表現することにはあまり長けてはいない、ということもあるだろう。だが、純粋にダンスに主軸を置いた時、ダンスと言葉では表現する直接度が違いすぎるのだ。
ダンスが観客への想像力に任せている部分が多いのに対して、言葉はあまりにも明瞭に意味を持つ。詩のような呪文のような長文の台詞から、観客としては意味をくみ取ろうとしてしまい、その思考がダンスの抽象を妨げるのだ。勿体ない。 台詞が多くなり演劇的になってくると、それに比例して(しかも二乗するくらい)ダンスがつまらなくなる。もう少し緊張感を持続できるよう切りつめた方が、ダンサーにも観客にも面白いのでは。

<Siboney>振付:稲尾芳文&クリスティン・ヒョット・稲尾

ダンスとしてはこれが一番普通だったかな。ダンサーが時には一列に、時には升目状に並んで踊る。ソロパートの時も当然ながらその他の人も軽く踊っているのだが…。当たり障りのない振り付けだけに、マスになればなるほどダンサーの技量の違いとか踊りの質が歴然と見て取れる。残酷なくらいハッキリと力量差が見える経験は、何度出会っても衝撃的。
Aさんのソロ・シーンなのに、後方でこっそり?踊っているBさんに目が行ったり。Cさんのソロ・シーンでは完全に群衆がかき消えたり。同じ振り付けで踊っているのにDさんは鋭角で、Eさんは緩やかだったり。同じポーズを決めていてもFさんは古典バレエ的で、Gさんはストリートダンス的だったり。
そういう違いは面白かったが、作品としては平坦。

採点:★★★★☆

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