昨年末に、tsutsumizo teatro「毒薬と、イアン・ソオプ…」を観てから、一度は他の舞台での様子を観てみたいと思っていた半海一晃が、これまた芝居道楽としては一度は足を運ばねばなるまいと思っていたTHEATER/TOPSで公演をやるという。道楽まみれの勢いでいそいそと出かけた。
今回気になったのは、1人の女優&キャラクターと、1人のキャラクター。
まずは何と言っても、東洋の魔女こと東京オリンピック女子バレーチームの、補欠・三宅弘子(宮下今日子)。いかにもバレーボール一筋出来ました、という感じ。「優勝します」と断言する確信的な強さと一途さ。それでいて1960年代らしいぬぼっとした存在感。ワカメちゃんカット。ちょっとハスキーな声。「オムライス、大盛」と注文するときの目の輝き。
自分の気持ちを上手く言葉に出来なくて「でも、私は補欠で、表彰台で金メダルをもらって…あ、だから、補欠が…えっと…。…???」と言葉に詰まった挙げ句「初めから言い直す」と仕切直して、「私は、補欠が嫌だ、ということですか。」と疑問文で結論づける(?)その姿。素敵だ。惚れたぜ。
そして、もう1人はバーバー斎藤(おかやまはじめ)。役者とか演技とかはおいといて、とにかくその設定が気に入ったんだな。「42歳、男性、独身。趣味、仏像!」ぎゃー、なんだよそれ。
「仏像には如来、菩薩、明王、天部ってあって、見分けるのは大変なんだよ!ねー…」
「手を組んで、人差し指と親指で円をつくるの、これが禅定印。…どう?心が落ち着くでしょ?…あ、そーだよねー、短時間じゃぁねぇ…」
「お地蔵様って正式には地蔵菩薩って云って、菩薩の仲間なんだよ!知ってた?!…知らないよね、フツー…」
自分の得意分野を弾丸トークで展開するけど、見事に滑ってゆくその感じ。痛い、イタイよー。そして、妙にリアルだわ(笑)。
もしこの舞台を、いとうせいこうorみうらじゅんorはなが観ていたら、きっと舞台に上がって仏像トークを始めてしまっただろう。
当初お目当ての役者・半海は、「あ、あやっぱり、こういう感じなんだ」と再確認した気分。それ以上に、ほんのちょっとレトロな昭和を舞台にしたしみじみした脚本をしっかり作り込めて、ちゃんと上演できるというセンスに、唸る。