自称☆芝居道楽委員会

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アマデウス

2004年5月6日(ルテアトル銀座)

『アマデウス』といえば、1984年の第57回アカデミー賞で8部門(最優秀作品、最優秀監督、最優秀主演男優:F・マリー・エイブラハム、最優秀脚色、最優秀美術監督、最優秀衣裳デザイン、最優秀メイクアップ、最優秀音楽)の受賞に輝いた映画として有名だが、もともとはピーター・シェファー脚本の舞台で、1981年にはトニー賞を受賞しているのである。その舞台が、松本幸四郎のサリエリで上演400回を記録するのだそうで、話のネタにと観に行く。

高齢となったサリエリ(松本幸四郎)が、宮廷音楽家としてモーツアルトと関わっていた華やかだが確執の多い過去を振り返って語る、という形式。とにかくサリエリが喋る喋る。題名を『サリエリ』に変更した方がいいのではないか、と思うほど。サリエリが多弁すぎるために、なんだかコセコセとした小さい男に見えてしまうのが残念。姑息に立ち回る男だから、ゆったりと寛容な人物であるはずは無いのだが、なんかね。物足りない。

対するモーツアルト(市川染五郎)は天然。但し、後半で仮面の男に追いつめられてゆく場面に、いまいち迫力というか必然性が感じられない。
コンスタンツェ(馬渕英里何)は可愛くて、おしゃまで、けなげで、しかも頑張りやさん。ヨーゼフ2世(堀越大史)の「あ、い〜ね」は、いかにも!で雰囲気があった。
おやつにつまむマスカルポーネ、ピエス・モンテ、ヴィーナスの乳首が美味しそうだったな。あれを劇場で売れば、かなり良いお土産になると思うのになぁ。

神に愛された天才モーツアルトと凡庸の王様サリエリの、音楽における対決はモーツアルトに軍配が上がった。が、神への挑戦において、サリエリは勝利したのだな。つまり、神は音楽を通してモーツアルトの名を後世に伝えた。が、神に音楽の才能を与えてもらえなかったサリエリは、音楽家としての名前は世間から忘れ去られようとする。しかし、サリエリ自身が流した「モールアルトを殺した人物?!」という噂によって、サリエリの名が後世に残るのだ。神が消そうとした音楽家サリエリの名は、サリエリ自身の自爆寸前の神への挑戦の結果として、不名誉な形ではあっても残る。う〜ん。凄い執念だよね。
とにかく、芸術は才能だよ。カンとセンスの悪い人は、やっぱりどんなに精進しても上り詰められるレベルには限界があるんだよね。そこが芸術の過酷で面白いところなのだ。

採点:★★☆☆☆

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