自称☆芝居道楽委員会

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北九州芸術劇場プロデュース
ワルプルギスの音楽劇「FAUST」

2004年3月18日(世田谷パブリックシアター)

かの文豪ゲーテの超大作『ファウスト』が白井晃の演出で舞台になる、しかも石井一孝が歌って、筒井道隆が芝居をするとなるとどうにも気になる。天気は雨交じりだが、会場は三軒茶屋駅直結の世田谷パブリックシアター。これは当日券日和だと喜んで出かけてゆく。

ファウスト(筒井道隆)は、素なのか演技なのかわからない茫洋とした感じ。書物の中では賢くなったのかもしれないが、現実に直面してはいきあたりばったりの超ダメダメ君。いやぁ、君、それはダメっしょ。と、おもわずため息が漏れてしまう。なんというキャラクター!
そのダメダメ君をそそのかす悪魔メフィスト(石井一孝)は、口八丁と魔法で欲を満たしてやる。ミュージカルでは主役を張るそののどは、不思議なリズムの歌を蕩々と歌う。
ファウストが愛した乙女マルガレーテ(篠原ともえ)は可愛らしく純心で、そして一途で有りすぎたために狂ってゆき、伝説の美女ヘレナ(床嶋佳子)は何故か妙に世帯じみていた(笑)。

東京オペラシンガーズ(上田桂子、三宮美穂、吉田知明、寺本知生)のハーモニーが、神と悪魔が掛けをするという物語のファンタジー?で宗教的な感じを増幅させる。

舞台の壁面を移動させることでシーンを描き分ける舞台装置は想像力をかき立てるし、時々映し出される映像がイメージに追い打ちを立てる。

とにかく、予想外に篠原マルガレーテが良かったので(つまり筒井ファウストや石井メフィストとちゃんと渡り合っていたということ)、1幕の最後でマルガレーテが昇天した時の舞台の充実感が高く、これで劇終でも納得しそうだった。

逆に2幕目では、ギリシア神話の美女ヘレナとトロイア戦争に関する知識が無かったため、何のことかわかりにくい場面が多かった。逆にホムンクルスについてはもっと描いても良いんじゃないかなと思ったね。

ファウストは完全には満たされないままに「時よ止まれ、お前は美しい」と言う。メフィストが嫉妬さえした、人生の満足を求めてひたすら進むファウストの姿。
過程なんだよ。過程がよければ結果はついてくる、そういうことなんだろうね。いいなぁ、悪魔に嫉妬されるくらいのことをやらなくっちゃね。

採点:★★★★☆

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