自称☆芝居道楽委員会

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実を申せば to tell the truth

2003年9月4日(PARCO劇場)

シアターナインス企画公演は、第3回目にあたる99年の三谷幸喜脚本『マトリョーシカ』を観ている。幸四郎の舞台としては『ラ・マンチャの男』は勿論『寺小屋』や『勧進帳』等の舞台を観ていたが、なんとなく“クドイ歌舞伎役者”という印象があった。それが、「あ、幸四郎ってこういう軽いノリもいけるじゃない」と見直した舞台が『マトリョーシカ』だったのである。
今回の脚本はマキノノゾミ、そして松本家からは紀保が出演。よし、お手並み拝見、といったところである。

妻を亡くして仕事も辞め、ふさぎ込んでいる秋山サネトモ(杉浦直樹)のもとに、元詐欺仲間の藤田(松本幸四郎)が訪ねてくる。娘・奈緒子(水野真紀)は、「藤田のおじさまは今、アフリカで麒麟の牧場を経営しているんですって!」と素直に喜び、これで父サネトモの引きこもりが治ればと期待する。ここに、劇団東京マヨネーズの団長・宮下(木下政治)と、団員・パセリ(松本紀保)が加わって、二転三転の実を申せば…。

サネトモと藤田のコンビがよい。「サネトモさ〜ん、やろうよ、儲かるよ!」と、いたずらを思いついたガキのように陽気に迫る幸四郎。
どこまで仕組んでいるのか、根っからの詐欺師なのか、熱血漢なのか、それともおちゃらけなのか。個人的には、惚れた女にフェラーリを買ってあげるために仲間の金を持ち逃げする男がイイけどね。
あ、そう云えば、劇中劇で桂小五郎役を演じた時の幸四郎の衣裳、何となく『阿修羅城の瞳』の染五郎の衣裳を意識したのかなぁって感じがしたのですけれど。アレは…まぁ同じ松竹がらみだし、楽屋落ちってことですか?(笑)

対する杉浦は、「いやだね」と、寝間着姿でだらしなくソファーにへたり込む。こういうだらしない親爺っていそうなのだが…何が違うって、だらしなくても不思議な品がある。しかも、劇中劇ではサボテンマン(だっけ?)の「サボ、サボー!!」攻撃を熱演してくれるのだよ。わはははは。

水野真紀は、どうなのかなぁ。妙にハイテンションで、演技過剰?な場面もあったけれど、あれだけメンツが濃ければこんなもん、かな。及第点ね。

爆発した髪形やインドプリントな服装にも負けず、ちょっと飛んでる役者を好演したのが松本紀保。サバサバした口調で周囲をまとめ、それでも根は真っ直ぐであるらしく「嘘ですごめんなさい」と云えてしまう潔さ。格好いいよ、姉ゴ。サボテンの被り物被っても隠しきれない個性が素敵。
さすがといえば、幸四郎と杉浦直樹が脱ぎ捨てた着物をササッとまとめて風呂敷に包む手際。やり慣れているんだろうなぁと思わせる手つきでした。

それにしても、宮下!たいして出番がなかったけど、実はかなり美味しい役!?途中で「あれ?もしかして?」って思った私はチョット冴えてたかな(笑)。

というわけで、最後の「実ハ…」は微妙に微妙、一部つじつまが「?」な点もあったけれど、笑って、一寸うるっとして、楽しい作品だった。

採点:★★★☆☆

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