自称☆芝居道楽委員会

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tick,tick...BOOM!

2003年6月16日(アートスフィア)

ミュージカル『RENT』の作家ジョナサン・ラーソンが、自分自身をなぞって書き残したロックミュージカルなのだそうだ。
『RENT』は98年にシアタードラマシティ(大阪)で観ている。大衆ウケするようにポップスの歌手などをキャスティングしているけど、肝心の歌詞が聞き取れないんじゃあダメじゃん、って思った記憶がある。物語自体も、作品が描かれた当時のミュージカル界にとってはセンセーショナルな内容(ドラッグやエイズなど)なのかもしれないけど、私にはそれほどパンチを感じなかった。
そういうわけで、“あの『RENT』の”と云われても全く食指が動かなかったのだが、山本耕史が出演しているということと、30歳を迎える葛藤というヤツ(正確に言えば、私は既に迎えちゃっている)が気になって、足を運んだ。

まず、客層からしてヤバイと思った。何の招待客だか知らないが、全く公演の内容を知らないが無料招待券だから観に来たとおぼしき、場違いなおばさん&おじさんがたくさんいる…。当然、観劇マナーもなってない。開演してからもおしゃべりを止めないし、上演中にビニル袋をカサコソやるし、あまつさえ携帯メールの確認までするのだ!!上演中に!おいおい…いくら舞台がつまらなくて集中できないからってそれはナイだろ…。突然視野の左に強烈な光が入って舞台の一部が霞んでしまい、何事かと思って隣席を見たらメール見ているんだもんなぁ、呆れるでしょ。

舞台に立つのは3人。貧乏作家ジョン(山本耕史)、友人マイケル(大浦龍宇一)、恋人スーザン(YU-KI)。

山本耕史の舞台はこれまでに何度か観ていたが、これまでの評価を確信する伸びやかな声で、成功を夢見つつも厳しい現実に追いつめられてイライラする29歳のジョンの心情を歌いあげた。挫けそうになりながらも夢見ることを諦めきれないその姿は、社会ってヤツに迎合しちゃっている私には一寸羨ましくて眩しい。

大浦龍宇一は…頑張っているのだろうけれど、とにかく歌詞が聞き取れない。声量が無いから、マイクに頼っても結局のところ声が響いていない。客席に対して横向きで歌っていることが多いような感じがして、人物自体が斜に構えた印象を受けるのもいかがなものかな。

ついでに云うと「不治の病」って聞いてガンだと思った(ガンは不治というわけではないけれど、とにかくその時はそう思っちゃった)私にとって、「ゲイなんだよ」という告白は、逆に納得出来なかった。ってゆ〜か、“ゲイがかかる不治の病=エイズ”っていう図式が成立しているなら、それこそ変でしょ。まぁ台詞として「エイズだ」とは言ってなかたけどさ、ゲイってことでソレを暗示したんでしょ?

YU-KIは全く期待していなかったので、その点では「まぁ歌えるんだね、小室プロデュースのTRFでボーカルやってたわけだし」って感じ。歌うので精一杯で演劇してない。声を張ったときはさすがに高音が響いているけれど、音程とか歌詞にとらわれすぎているのか、何だかさっぱりスーザンという女性が伝わらない。スーザン自身の声じゃない。山本ジョンが語るスーザンから想像して、補ってYU-KIの音を聴いている、ただそれだけ。

結果は惨憺たるモノだ。3人しか登場しないのだから、ちゃんとミュージカルを、この作品を演じられるキャスティングで上演して欲しいね。これじゃあ一人頑張っていた山本が可愛そうだよ。唯一の星は山本の為に!

採点:★☆☆☆☆

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