自称☆芝居道楽委員会

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ミー&マイガール

2003年3月18日(帝国劇場)

久しぶりに懐かしいミュージカルを観た気がする。つまり、劇場からの帰り道に思わず口ずさんでしまうわかりやすい曲と歌詞、あくまで陽気&ハッピーエンドな物語、話の展開はゆったりとしており、オーケストラは生演奏。

今回の大健闘は何と言ってもビルを演じた唐沢寿明。ちょっと「寅さん」入った下町のがらっぱちな登場も、ソレらしく伯爵に化けた場面でのキメも実に自在。運動神経というか反射神経の良さを見せつけ、小細工の多いズッコケも軽々。曲のテンポがゆっくりめで歌いやすく、一人で高音を歌いあげるという場面が無いということも助けにはなっているだろうが、それにしても綺麗に歌っている。タップを含むダンスも軽快。役者に花があるからイイ感じだ。正直、彼がこれだけ出来る役者だとは知らなかった。

ビルの恋人・サリー(木村佳乃)は下町言葉で見栄えこそ貴族風ではないが、ビルの出世のために身を引く優しい女の子。ただし、こういうイイ子ってのは何だか評価しにくいな。歌はそれなり、ダンスは…、それでも一途な思いがあれば!ってコトで(苦笑)。

宝塚時代にもジャッキーを演じた涼風真世。「フェアリー」といわれた愛くるしさは健在で、化粧ローブを翻す色仕掛けは可愛らしく且つ大胆。おみ脚、拝見させて(堪能させて)いただきました(笑)。声は響くし、タップも『42nd Street』で経験済みだけあって安心して観ていられる。やっぱり涼風は私のオスカルだからね、気になるのだよ。(私が初めて見た宝塚歌劇の公演が『ベルサイユのばら<オスカル編>』で、その時にオスカルを演じたのが涼風だった。)

マリア公爵夫人(初風諄)は雷婆だが何とも言えない愛嬌があるし、ジョン卿(村井国夫)は心優しいおちゃめなおじさん。自らのテーマソングを持つ弁護士パーチェスター(武岡淳一)や、ジャッキーに求婚するジェラルド(本間憲一)などコメディセンスのある役者が揃ってミュージカルがあくまで明るく楽しく展開する。

それにしてもジョン卿のご友人にヘンリー・ヒギンズ教授がいらしたとは!
それならサリーを任せても安心ですわね。だってヒギンズ教授は、あの花売りイライザを、大使館のパーティーに出しても恥ずかしくない貴婦人に仕立て上げた経歴の持ち主ですものね(笑)。ある意味この作品は男性版『マイ・フェア・レディ』だとも言える。『マイ・フェア…』ではイライザに恋するフレディが「君住む街で♪」を歌うが、『ミー&…』ではビルが門前の街頭にもたれかかりながら「会えるかわからないけれど待っている♪」と歌うし。

面白かったと言えば、1幕の最後。「みんなランベス・ウォーク♪」で一同大いに盛り上がり、役者は客席に降りてくるし、オーケストラピットが舞台と同じ高さまでセリ上がって生バンド風になったこと。こういうウキウキした気分で幕間の休憩に入るというのは楽しい演出だね。

ただし、どうしても気になったのは音響というかマイク音の悪さ。適度に地声が聞こえる程度にマイクで音を拾っていることは評価できるが、時折音量調節を失敗したかの如くあらぬ方向から声が響いたのは、いかがなものか。

採点:★★★☆☆

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