フレッド・アステアやジーン・ケリーのような燕尾服にシルクハットのタップではない。『TAP DOGS』のように叩きまくるタップとも違う。リズムが迫ってくるその力強いタップが、セヴィアン・グローバーである。
アメリカ大陸での黒人の歴史を描きつつ、黒人の魂であるリズムが全面に押し出されてくる。ドラム合戦での迫力あるリズムのせめぎ合い、タップの先人達へのオマージュである鏡の前の場面、それぞれの技術をぶつけ合い交換しあうようなラスト。声を上げ、訳もわからず足を踏みならしたくなるカーテンコール。
あれこれ論じても始まらない。舞台に吸い込まれ、頭の中が「ノイズ&ファンク」する興奮の時。いつもは「おとなしい日本人」している観客席も、この舞台の前にあっては“Yeah!”と叫声を上げ、踊り出したくてスタンディングオベーションとなった。