自称☆芝居道楽委員会

2001年前半 <<芝居道楽録 <<HOME

Studio Life「死の泉」

2001年6月3日(シアタードラマシティ)

何ケ所か「?」なシーンがあったけれど、全体としてよくできていた。

誰もが生きることに一生懸命で、誰もが愛する誰かを裏切っている。それがどうしようもなく切ない。
「マルガレーテ…あなたは分かる」
「おれはエーリヒを取り戻した」
「これからずっと、僕のために祈ってくれる人はあなたの他にいない。あなたは行って下さい、祈って下さい」
ハッキリと心に残った台詞はフランツ(笠原)のものが多いが、それはフランツが物語のカギを解いたからにすぎない。マルガレーテ(岩崎)のミヒャエルに対する執着と言う名の愛情、フランツのマルガレーテに対する想いとエーリヒへの独占欲、クラウス(甲斐)の不器用な愛情、ミヒャエル(及川)の寂しい存在、ギュンター(曽世)の過去への苦しみ等さまざまな思いが交錯して悲劇を構築する。

劇場を出た時、私は感動しているのか分からなかった。心のなかはまさに嵐だったがそれが感動の嵐なのか、あるいは物語を整理しようとしているモヤモヤなのか、自分でも分からない。舞台上で何がおこったのか理解できなかったと言ってよいことは確かだ。皆川博子の同名長編小説を無理に3時間の演劇にしたために予備知識がないものには理解できないようになっているのだと感じた。それでも、何が起きたのか理解したくて即座に文庫本を購入したのはやはり、その激情が大きく私を突き動かしたからなのだ。
そして原作を読んだからこそ、及川が全裸をさらしたのは単なる媚びた演出ではなくて、そうしなくては示せない内容だったのだということがハッキリ分かった。

しっかしよー、相変わらず笠原はカッコイイお兄さん演じるし、甲斐はちょっと哀愁あるおじさんがグッと来るし。ビジュアル的にはまり過ぎ!!

採点:★★★☆☆

2001年前半 <<芝居道楽録 <<HOME