自称☆芝居道楽委員会

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2008年☆映画録

映画館に足を運んで観た映画の羅列です。題名/制作年/制作国/監督/ひとこと感想の順で示しています。上が最新、下に行くほど古い記録です。

『ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢』

2008年/米国/ジェイムス・D・スターン、アダム・デル・デオ
ダンサー達がこのミュージカルの登場人物に自分を重ねている、 ダンサーの姿を描いたミュージカルがこの「コーラスライン」であるという真実が、 初めて分かった気がした。

『トップガン』

1986年/米国/トニー・スコット
アメリカ空軍の戦闘機F14トムキャットの宣伝映画と言っても過言ではない。空母から飛び立つ冒頭シーンも、MiGとの空中戦シーンも、とにかく全てをカッコヨク撮ることに徹底しており、天晴れ。ところで、巡洋艦からの救援出撃でマーベリック(トム・クルーズ)の後部座席に座ったのは、誰?

『巨人ゴーレム』

1920年/独国/パウル・ヴェーゲナー、カール・ベーゼ
シュールのような、ほのぼののような。教訓めくのかと思い気や、なんとも単純に状況を受け入れて展開させてゆくユダヤの人達にちょっとびっくり。ゴーレムがおかっぱなのがなんとも愉快。

『カリガリ博士』

1919年/独国/ローヴェルト/ヴィーネ
これぞドイツ表現主義。極度にデザインされた装置(背景)、過剰の上に過剰を重ねた演技、ループを描くような結末。ドイツ表現主義、はまりそう。生演奏(アリョーシャ&サブリナ・ツィンマーマン父娘)にもブラボーを。

『リダクテッド 真実の価値』

2007年/米国・加国/ブライアン・デ・パルマ
緻密な計算のもとに再現されたあの映像も、redacted(編集済み)なのだ。単なる反戦ではないし、単純に事件を告発しているだけではない。見る側に突きつけ、問いかける、映画であり、これを見た人は考えねばならないのだ。己の姿勢を。

『Into The Wild』

2007年/米国/ショーン・ペン
私自身が基本的に前向き思考の人間なので、そもそも「自分探し」とか「神の愛」とか「両親への怒り」といったことへの執着(発想)が無い。よって、クリス(エミール・ハーシュ)が何故、単独アラスカを目指すのかその根本的なところが全く分からなかった。原野の映像は良かった。

『落下の王国』

2006年/印・英・米/ターセム
数々の雄大なロケ地、自然光と大地のもとで美しく翻る衣装、そこに被さるベートーヴェン交響曲第7番第2楽章。少女アレクサンドリア(カンティカ・ウンタール)の子供らしい笑顔と、スタントマンへのオマージュ映像に微笑む。

『ヤング@ハート』

2007年/英国/スティーヴン・ウォーカー
クラシック音楽が好きなお爺ちゃんも、ミュージカルが好きなお婆ちゃんも、 歌うことが楽しくてロック・コーラス・グループで生き生きとしている。なかでも、 フレッド・ニトルの、とても酸素吸引している80歳とはとても思えない、音域の広さと 声量の大きさと重低音部の輝きには、ブラボーを飛ばさずにはいられない。

『わが教え子、ヒトラー』

2007年/独国/ダニー・レヴィ
いちいち「ハイル、ヒットラー!」を連呼し、書類を要求するバカバカしさは、 現代にも通じる皮肉として面白く見た。 ユダヤ人俳優アドルフ・グリュンバウム教授(ウルリッヒ・ミューエ)の表情、素晴らしい。

『おくりびと』

2008年/日本/滝田洋二郎
しっとりと良い映画だと思う。ことに納棺会社社長(山崎努)の、力の抜けた味わいと、「美味しいんだな、困ったことに」とがっつく食べっぷりは絶品。

『ダークナイト』The Dark Knight

2008年/米国/クリストファー・ノーラン
物語に完全に引き込まれたのだが、見終わっても何かすっきりせず、モヤモヤが残る。 ことに、非合法の正義の味方(=バットマン)であることの意味を悩んでいる ブルース・ウェイン(クリスチャン・ベイル)の姿には今さら感が伴う。 また。ジョーカー(ヒース・レジャー)は最狂と言われているが、 いやいや彼は計算高く冷静で、間違いなく正気。

『画家と庭師とカンパーニュ』

2007年/仏国/ジャン・ベッケル
フランス版『最高の人生の見つけ方』といったところか。 カンバスが黒く塗りたくられた絵を画家(ダニエル・オートゥイユ)がこき下ろす場面、 庭師(ジャン=ピエール・ダルッサン)の息子、そして「くそ犬」に笑う。

『12人の怒れる男』

2007年/露国/ニキータ・ミハルコフ
少年を無罪だとする理由も、また逆に有罪だとする理由にも、 現代ロシア社会のあれこれが映し込まれている。 陪審員達の告白は、審議の場のリアリティには欠けるかもしれないが、 160分を長いと感じさせないだけの物語があった。

『俺たちダンクシューター』

2008年/米国/ケント・オルターマン
バスケチーム・トロピックスをあくまでエンタメ集団として魅せようとする ジャキー・ムーン(ウィル・フィレル)の徹底的な姿勢は、 彼がその方法でしかチームを率いていけない「偽物の」プレーヤーだからなのだと思うと、 なんだか泣けてくるね。

『鳥の巣 北京のヘルツォーク&ド・ムーロン』

2007年/仏国、スイス/クリストフ・シャウブ、ミヒャエル・シントヘルム
建築と都市計画と文化と美を考える良い材料になるドキュメンタリー。一見突飛に見える建築に宿る美と、そこに思いを込める建築家の意志なり美学に、うなずくことが多かった。

『それぞれのシネマ』

2007年/仏国/デオ・アンゲロプロス他31名
3分間に映画館への監督の愛が溢れる。 ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ(ベルギー)『暗闇』、 マノエル・デ・オリヴェイラ(ポルトガル)『唯一の出会い』、 アレハントロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(メキシコ)『アナ』、 アキ・カウリスマキ(フィンランド)『鋳造所』、 アンドレイ・コンチャロフスキー(ロシア)『暗闇の中で』、 ケン・ローチ(イギリス)『ハッピー・エンド』、 ロマン・ポランスキー(ポーランド)『エロチックな映画』、 エリア・スレイマン(イスラエル)『臆病』

『SEX AND THE CITY』

2008年/米国/マイケル・パトリック・キング
まず、40代のアメリカ人女性の肌の衰えっぷりに驚く。Mr.Big(クリス・ノース)の魅力が全く分からないし、ミランダ(シンシア・ニクソン)が旦那を許さない理由も分からない。さりながら、恋愛にまつわるドタバタは第三者として傍観するには常に面白いネタで、彼女ら4人は(私からみれば)宇宙人だということが分かった。

『敵こそ、我が友 戦犯クラウス・バルビーの3つの人生』

2007年/仏国/ケヴィン・マクドナルド
ナチス入隊とその後のナチスでの活躍はクラウス・バルビー自身の選択ではある。だが問題はそこではなく、戦後も彼を必要とした組織(=国家)がある、ということ。国家とは、国益とは、何だろう?

『チェブラーシカ』デジタルリマスター版

1969、1971,1974,1983年/露国/ロマン・カチャーノフ
愛くるしい謎の生き物チェブラーシカ、心優しく歌が上手いワニのゲーナ。あまりにも優しすぎて、温かすぎて、不安になる。ひとりぼっちの寂しさを知る哀愁が、じんわりと染み込む。

『ミトン』

1967年/露国/ロマン・カチャーノフ
子犬が欲しい少女の、切ない切ない思いが、ミトンを子犬に変える。一緒に走り、ゲームに興じ、ミルクをあげる。愛おしさに涙が出る。

『休暇』

2008年/日本/門井肇
言葉は少ない。見る側の想像にまかされる部分も大きい。にも拘らず、刑務官平井(小林薫)や死刑囚金田(西島秀俊)らの心情が明瞭に立ち上がってくる。見終わって己の中でじっくりと温め、感じ、その後に折に触れてゆっくり考えたくなる名作。

『1000の言葉よりも 報道写真家ジブ・コーレン』

2006年/イスラエル/ソロ・アビダル
報道写真家とは何なのか。現場へ向かう恐怖と伝えたいという思い、そして事件現場でひたすらシャッターを押すことへの葛藤など、本人が語る言葉の意味は重く大きい。友人、家族、エージェントの言葉から、ジブ・コーレンという生き方が見える。

『HOT FUZZ 俺たちスーパーポリスメン』

2007年/英・仏国/エドガー・ライト
エリート警官ニコラス・エンジェル(サイモン・ペッグ)&警察映画好きの二世警官バターマン(ニック・フロスト)コンビのドタバタ。そのネタをそこまで引っ張るのか?!、ありえねー!大バトル、スプラッタな映像も混じり、ギャグとシリアスを迷走しつつ、しかも時にほのぼの&友情があって、実にウキウキ。

『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』There WIill Be Blood

2007年/米国/ポール・トーマス・アンダーソン
宣教師イーライ(ポール・ダノ)の「私は偽の預言者で、神の存在は迷信だ」と、石油屋(ダニエル・デイ=ルイス)の「I drink your milkshake」が、それまでの物語全てを飲み込み、全てを食いつくす。

『ヤーチャイカ』

2008年/日本/覚和歌子・谷川俊太郎
写真映画という手法は面白いと思う。常に異なる表情を見せる香川照之も、さすがだと思う。だが、私はどうも「癒し系」と「自分探し系」は苦手なのだ。

『噂のアゲメンに恋をした』

2007年/米国/マーク・ヘルフリッチ
素敵にばかばかしいコメディー。歯科医チャーリー(デイン・クック)って実はよっぽど下手なのか?とか、形成外科医のスチュ(ダン・フォグラー)は何故グレープフルーツに行き着いたのか?とか、謎だけれども。残念なのはペンギン大好き天然系のキャム(ジェシカ・アルバ)が、後半になると天然度が下がること。

『オーケストラの向こう側 フィラデルフィア管弦楽団の秘密』

2004年/米国/ダニエル・アンカー
音楽が、演奏することが好きで好きでたまらないフィラデルフィア管のメンバーたちが、好きで好きでたまらない音楽について語り、演奏する。ブラームス『交響曲第1番』第4楽章のあのメロディーのなんと甘美なことか。

『最高の人生の見つけ方』

2007年/米国/ロブ・ライナー
大富豪エドワード(ジャック・ニコルソン)と自動車修理工カーター(モーガン・フリーマン)の軽妙な会話と、リッチな世界旅行気分を楽しめる映画。秘書トマス(ショーン・ヘイズ)がいい味を出している。

『パーク アンド ラブホテル』

2007年/日本/熊坂出
ラブホテルを経営しつつ屋上を公園として公開している艶子(りりィ)の、人生がにじみ出た表情が印象的であるだけに、その顔のクローズアップが続くと食傷気味に。ネタとしては悪くないのだがあと一工夫欲しいところ。

『独裁者』

1940年/米国/チャーリー・チャップリン
独裁者ヒンンケルの演説がいかにもヒットラーっぽいこと、地球儀の風船で楽しそうに遊ぶ独裁者ヒンケルの姿、そして床屋のチャーリーのラストの演説。この演説の為にトーキーがあるのだ。

『街の灯』

1931年/米国/チャーリー・チャップリン
盲目の花売りに恋をするチャーリーの物語。サイレントならではのにじみ出る行間。ラスト、困惑と歓喜の入り交じる、しかしどこか寂しげなチャーリーの表情に涙する。

『のらくら』

1921年/米国/チャーリー・チャップリン
チャップリンにかかると、ドタバタ・コメディが実に愛らしいものになる。それにしても、ゴルフ場ってあんなに自由適当にボールを打っているのか?

『パレスチナ1948 NAKUBA(ナクバ)』

2008年/日本/広河隆一
結局のところ、パレスチナで何が起きているのか、理解できない。ダリヤトルーハに代表されるパレスチナ人の村が破壊された1948年のNAKUBA(大惨事)すら、この混沌のちいさなきっかけでしかないように思える。武器は供給され続け、負の連鎖、泥沼の報復合戦は続く。

『ファクトリー・ガール』

2006年/米国/ジョージ・ヒッケンルーバー
残念ながら私には、イーディー(シエナ・ミラー)のどのへんが魅力的なのかさっぱり分からなかった。そして、驚くべきことに私が今まで、アンディー・ウォーホール(ガイ・ビアーズ)がどんな顔をしたアーディストなのか全く知らなかったことに気づいた。

『今夜、列車は走る』

2004年/アルゼンチン/ニコラス・トゥオッツオ
見えない光に苛立ち、あるは諦め、あるいは巧くくぐり抜け、そしてまた打ちのめされる。意思の力とは?運命とは?何かを変える力とは? 何かが大きく変わる結末ではない、でも、何かが変わりそうな光を見せる結末が心にずしんと響いた。歩いてゆく限り、Proxima Salida(次の出口)は必ずみつかる。

『ペネロピ』

2006年/英国/マーク・パランスキー
ペネロピ(クリスティーナ・リッチ)の豚鼻が(鼻ぺちゃ日本人から見れば)十分可愛いんですけど。なんで上流階級の男性諸氏はペネロピの顔を見たとたんに逃げ出すんだ? ペネロピの部屋も、衣装も、女の子っぽくファンタジー。

『潜水服は蝶の夢を見る』

2007年/仏・米国/ニコラ・フィルベール
自由意志で動かせるのが唯一左目だけであっても「俺はもう自分を哀れむのを止めた」と言えるようになる。生きることを愛せたのは、愛し愛されることを知っていたから? 「お前は自分自身の肉体に閉じこめられ、俺はマンションに閉じこめられている」と泣くお父さんの姿に涙が出た。

『≒(ニアイコール)草間彌生 わたし大好き』

2008年/日本/松本貴子
自作を見て「いいわねー!」「素敵!」を連呼、「スタッフはみんな『先生って天才!』って言うわ」「作家はみんな自分が一番と思っているでしょ。そうじゃなくちゃ生き残れないのよ」と言う。まさに、「わたし大好き」な草間の姿は、それだけで一つの作品。但し、松本貴子監督自身?が草間に対して何度か大失礼発言をするのは、どうにもいただけない。

『動物、動物たち』

1994年/仏国/ニコラ・フィルベール
象の剥製にアクリル絵の具で彩色補修する人と、博物館の展示レイアウトを考える人、トラックで運ばれる剥製たち、巨大なゴリラの剥製を懸命に抱えて配置する人。真剣なのに、そこはかとなく可笑しいその仕事ぶり。博物館はこういうふうに作られ、愛されている。

『行け、ラペビー!』

1988年/仏国/ニコラ・フィルベール
ツールド・フランス勝利者のラベピーは、77歳の現在も自転車をこよなく愛し、自転車で走っている。何かにのめり込み、惚れ込み、徹底的にそれを愛している人の眼差しの暖かさ。その輝き。格好いいぜ、ラペビー爺ちゃん!

『ジプシー・キャラバン』

2006年/米国/ジャスミン・デラル
恥ずかしながら、ロマ(ジプシー)の起源がインドだということを、この映画で初めて知った。迫害を受けた歴史、悲しみの魂を歌う音楽、生き様。音楽映画としても人生映画としても、温かく、深く、重く、清い。

『ぜんぶ、フィデルのせい』

2006年/仏国/ジュリー・ガヴラス
ヒロイン・アンナ(ニナ・ケヴィル)が両親に振り回され、仏頂面で懸命に考える姿が可愛い。脳天気な弟(バンジャマン・フイエ)の存在は、間違いなく家族の大切な接着剤になっている。批判ではなく疑問文としての「人真似と団結の精神を間違えることはないの?」は名台詞。

『キサラギ』

2007年/日本/佐藤祐市
家元(小栗旬)、オダ・ユージ(ユースケ・サンタマリア)、スネーク(小出恵介)、安男(塚地武雅)、イチゴ娘(香川照之)という男5人が、アイドル・如月ミキパーフェクトコレクション!で盛り上がる。エンターテイメント万歳・アイドル万歳!ミキちゃ〜んっ!!

『しゃべれどもしゃべれども』

2007年/日本/平山秀幸
今昔亭三つ葉(国分太一)の母(八千草薫)と師匠・小三文(伊東四朗)が何とも言えないほんわかといい雰囲気。関西弁の少年・村林優(森永悠希)がしゃべる「上方版・まんじゅうこわい」は下手だが、それだけに故桂枝雀の高座が懐かしい。

『バレエ・リュス 踊る歓び、生きる歓び』

2005年/米国/ダニエル・ゲラー、デイナ・ゴールドファイン
ディアギレフもニジンスキーも亡く、バレエシーンは白黒ピンぼけだし、元バレエ・リュスのダンサーも今は高齢だ。それでも、確かにバレエ・リュスへの思い、バレエ・リュスの精神は生き続けている。これはバレエの歴史である。

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