復活への期待


10年ぶりにスティービー・ワンダーのニューアルバムが発売されるという。新曲を試聴してみたけどスティービーらしいファンキーなナンバーだ。

"Fire"がCMに使われたサビ以外の部分があまりにおざなりで「真面目に仕事してくれよ!」と思っていただけに今回は期待できそうだ。

スティービーは1950年生まれで意外と若い。
かなりビックリだがダリル・ホール(1946)やビリー・ジョエル(1949)より若い。
"Talking Book"から"First Finale"までの3部作を作ったのが22才から24才にかけてなんだから本当に驚きだ。
渋谷陽一氏が彼のことを「ポピュラーミュージック史上最高の才能」と言っていたけどそのことにまったく異論はない。
ビートルズも早熟の天才の集まりだったけれどスティービーは曲はもちろん音作りまで全部一人でやっていた。トータルな曲作りの才能という意味ではポールだってかなわないかもしれない。

スティービーというと忘れられないのが、1975年のグラミー賞でポール・サイモンが「時の流れに」で"Album of the year"を受賞した際の「今年アルバムを出さないでくれたスティービーに感謝します。」というスピーチ。
過去2年のグラミーでスティービーが連続受賞していたのを受けての言葉だったんだけれど翌年彼の言葉を裏付けるかのように"Songs in the Key of Life"が"Album of the Year"を受賞したことによってこのスピーチは今も語り継がれるものとなった。

彼が一番輝いていたのは70年代だけれど80年代の"I just called to say I Love you"も優しさが溢れていて好きな曲だ。ただ、その後の"Parttime Lover"はちょっといただけなかった。それまで独自のサウンドを展開していたスティービーがオールドモータウンのリズムを導入、というかちょっと前に流行ったホール&オーツの"Maneater"をさらに安っぽくした感じでよろしくなかった。
それがまた大ヒットしちゃったもんだから随分複雑な気分に陥ったことを思い出す。

その後"Skeltons"を最後にシングルヒットは出ていない。というかアルバムもほとんど出ずに現在に至っているわけだが、まだまだ若いんだからもう一花咲かせて欲しい。

ただ、もうちょっと痩せてもらいたい。ジョン・レノンとトロントで競演したときの震えが来るほどカッコイイスティービーの印象が強烈だっただけにね。ポールやミックみたいにシェイプ・アップして戻ってきほしいものだ。

彼のアルバムで一番好きなのは何かと言われると毎回迷うんだけど今回はこれをあげたい。



Fulfillingness' First Finale

才気が体中から溢れ出さんばかりの"Innervisions"と、わずか26才にして円熟の境地に達してしまったかのような"Songs in the Key of Life"の間にリリースされたこのアルバムはその円熟と才気が奇跡のようなバランスで融合したほんとうに素晴らしいアルバムだと思う。今聴いても斬新そのもののエレクトリックレゲエファンク"Boogie on Reggae Woman", かなり複雑な曲のはずなのにひたすらカッコイイ"悪夢"、美しい"Smile Please","Bird of Beauty".....全曲解説したくなるほどの名曲揃いでいままで何度聴いたかわからない。実はこのアルバムをちゃんと聴いたのはここ数年のことなんだけどもっと早く聴いていたら大分音楽嗜好も変わってたんじゃないかと思うほどだ。もし未聴の方がいたら今からでも遅くないのでぜひ聴いてほしい。そんなお節介がしたくなってしまうアルバムだ。

ベストソングはアルバム収録曲も対象にすると聴く度に変わってしまってハイフィデリティのロブみたいに後で何度も変更する羽目になりそうなのでシングルヒットに限定させてもらいます。
それでもやっぱり後悔しそうだけれど。





Send One Your Love

"Key of Life"が大ヒットした後、周囲の過剰な期待の中でこの曲がリリースされたとき、最初は少しとまどったけどすぐに美しいメロディと印象的なハモニカの虜になった。文章で書いてもぜんぜん雰囲気が伝わらないけど1回目の「ッヘーイ」というところが特にスキ。


ベストカバーは文句なしでこれ


Happier than the morning sun(輝く太陽) / Nick Decaro

原曲を超えるカバーはめったにないけれどこれは数少ない例だと思う。タイトル通り朝に聴きたいとてもさわやかな曲になっています。


前半文句ばかり言っていたが書いているうちにずいぶんトーンが変わってしまった。
なんだかんだ言いながらもスティービーが大好きであると言うことがよくわかった。
嫌いだったらこんな長文書けないからね。


*このエントリは「JMB連携TB企画 第40弾/Wonder Love!」に参加しています。


Posted: 土 - 5月 7, 2005 at 10:29 午前          


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