土 - 1 24, 2004

My Favorite USA Pictures



今、「アントワン・フィッシャー」見終わったところ。
よかったよ。泣けた。泣けました。

起・承のところでは、なんかかったりーなー、なんて思ってたけど、
転になると、あれあれ、まあまあ、てな具合でストーリーが展開していくの。
で、結はもう転石の如く...

これは、自己発見と善意の物語ですな。
今のような暴力と不道徳とオカルトが蔓延する世にあって、
これだけ、良心的で率直な語り口の映画を作るのは至難の業だろうな。

とってもDWらしいというか、
監督業、これからもやるなら、こういういい映画を作り続けてほしい。
もう、トレーニング・デイみたいのはこりごりだっての!

それに、デンゼル演じる医師が知的で、ちょっと悩まし気で、きれいで(こればっか)
またまた見直しちゃったわよん!

ミリタリー映画とか謳ってるのは?だけど、
アメリカ映画にしては汚れの少ない(変な言い方だな)映画でした。

投稿日時 01:20 åflëO     本日のみ  


水 - 12 17, 2003

My Favorite Arts


1. ベアタ・ベアトリクス
2. オフィーリア
3. ショパン像
4. 記憶の固執 etc.
5. 我々がどこから来たか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか
6.カーネーション、百合、百合、ばら

1. ベアタ・ベアトリクス

官能の表情を浮かべ、静かに目を閉じる女性。
緑色のケープがあまりにも印象的だ。

背景の神秘的な光から感じられるのは
至福と悲しみが入り交じった情景。

手が届きそうで届かない空しさと
この女性への憧憬が静かな旋律のように描かれている。

ラファエル前派の代表的画家ロセッティの
妻への償いとオマージュとも言うべき肖像画だ。

「Verde〜みどり」 
この歌を聴いた時、脳裏を横切ったのはベアタ・ベアトリクスの緑色のケープだった。

2. オフィーリア

絵の中から儚気な乙女の歌声が聞こえてくる。
澄んだ流れと散りばめられた花々。

悲しみを通り越して、無表情の中に狂気が見え隠れする。
水を含んだ服は、すぐにも乙女を流れの中に巻き込むだろう。

ハムレットに恋し、狂気のうちに水死するオフィーリアは、
ラファエル前派だけでなく、多くの画家が好んで描いているが
わたしはこのジョン・エヴェレット・ミレーの作品が一番好き。

岸辺の植物や川面に浮かぶ花々は、細密画のようにいきいきと描かれ
ひとつひとつに象徴的な意味が秘められている。
花の鮮やかさとヒロインのうつろな表情があまりにも対照的で
心をえぐられるような悲哀を感じてしまう。

このモデルは上記のベアトリクスと同じロセッティの妻となるリジー。
ラファエル前派の画家たちにとって絵心をかき立てられる女性だったのだろう。

3. ショパン像
子供の頃、親から与えられた美術全集の中にあったこの絵。
それが、わたしがショパンという人を意識した初めだろうと思う。
なんと、ピアノ曲ではなかったのだ。

この厳しい顔をした人の肖像が、まだ小学生だったわたしの心を捉えた。
画家ドラクロワは、この作曲家の人生をキャンバスに映したような荒々しい筆使いで
祖国を思う憂愁の表情を見事に描き出している。
この絵を通して、ショパンが革命の音楽家、ピアノの詩人と呼ばれることを知って、
憧れは何倍も大きくなった。

それ以来この絵が大好きになり、付属の額縁に入れてしばらくの間部屋の壁にかけておいた。

そして、ショパンの曲を知ったのは数年後にピアノを習い初めてから。
物悲しいワルツ、繊細なノクターン、勇壮で華やかなポロネーズなどを演奏するとき
いつもこの肖像画が思いの中に浮かんできた。

出会いからすでに40年ほど。
今でもショパンの曲を弾くたびに、この肖像画がわたしの心にくっきりと映し出される。

4. 記憶の固執 etc.
何これ?時計が溶けてる!この顔のような液体みたいなのは何???
疑問が疑問を呼んで思わず絵の中に引きずり込まれるサルバドール・ダリの世界。

時計の曲がり具合や質感、小さなキャンバスの中に遥かな水平線までが描き込まれている。
単なる発想の奇妙さだけでは到底表現できない驚異的な構成力とデッサン力。
それがなければこの類いの絵は決して描けない。

恵まれた環境で培った豊かな知識と人一倍旺盛な好奇心に加え、
拭いきれないコンプレックスと血なまぐさい時代背景が
彼を狂気じみた天才とならしめたのだろう。

この、「記憶の固執」はどうしても本物が見たくて(NYへ行った時にはだめでした)
上野でMOMA展があった時に寒さの中延々と並んで、やっと自分の目で見ることが出来た。
およそ30年来の望みが叶ったわけだ!

ほかにもダリの絵では
卵、人体、指、水仙が混然と描かれている「ナルキッソスの変貌」に
一方ならぬ衝撃を受けた。

5. われわれはどこから来たか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか

南太平洋のタヒチ島に渡ってからのポール・ゴーギャンの絵について、
自由で開放的な楽園の様子が描かれている、という人がいる。

しかし、わたしは一連のタヒチ等での彼の絵について、
そういう感じを持ったことはほとんどない。

暗い色調の背景のせいだろうか、それとも、島民の肌の色のせいだろうか。
彼の絵からは、胸を強く締め付けられるような閉塞感が迫ってくるのだ。

「ああ、こんなに遠い島まで来たのに、わたしの求めているものは何もなかった。
わたしの居場所はどこにもないではないか。
そして、どこに行ってもそれはおそらく見いだせないだろう。」

どれほど考えても行き着くことの出来ない人類の起原や
どれほど抗っても逃れられない悩みや死、
これから降り掛かるであろう未来への不安までを見据えたこの絵は
まさにそんな思いが表現されているように思う。

6.カーネーション、百合、百合、ばら

黄昏時の庭で、花々に囲まれて戯れる二人の少女。
白いドレスに黒いタイツ、赤く灯のともった提灯。
色合いや雰囲気がまるで少女小説にある世界のようで
どこか懐かしい気持ちになった。

花の名前を連ねたタイトルが印象的だけれど、
それを知らなくても心惹かれるジョン・サージェントの佳作。
19世紀末、まだまだ子供たちが愛されていた時代に
画家がこの少女たちに注いだ愛情のこもったまなざしを感じる。



































投稿日時 02:25 åflëO     本日のみ  


金 - 12 12, 2003

My Favorite JAPANESE Pictures


1.大阪物語
2.金髪の草原

「大阪物語」

うわぁ、
大阪人ってラティーノスだな〜と思った映画。
家族の絆が強くて、明るくってたくましい。

それと、キャストがいい。
主役の池脇千鶴がプロローグとエピローグの部分で明らかに成長している。
あどけない子供からしっかり将来を見据えた少女に...。
この2場面だけでも、その年の新人賞総なめというのが納得できるほどすばらしい演技力。
もちろん、あの笑顔のかわいらしさも群を抜いているとは思うが。

そして、もう,どうしようもないお父ちゃんと、冷たいようでしっかりしたお母ちゃん。
ご夫婦で登場したお二人。
本物の夫婦だからできる、何とも言えない現実感が良かったな。

この映画を実際に観るまでは、
老醜をこれでもかというほどスクリーンにさらけ出す沢田研二はイヤだな、と思ったけれど
隆介役は彼で成功したと思う。

これほどだらしない男だからこそ
彼くらい品性のある俳優が演じなければ、
映画の透明感と爽やかさは失われていただろう。

それから、ところどころに漂う「あ、この人、きっと死んじゃうんだな」という空気。
マネージャーに金をせびるときの表情、子供の名前について答える電車の中での横顔
そして、ステテコでだらしなく歩く姿などに、ふわっと通り過ぎていく予感だ。
この感覚を佇まいだけで出せる俳優は少ないような気がする。

離婚したので、同じお墓には入れないから二つ並べて建てると絵に描いていたのを
丸々借金で建てるというお母ちゃんには泣かされる。
見終わった後、思わず「若菜ちゃん、ちいちゃん、一郎、頑張って生きてね」と語りかけたくなった。
大作ではないけれど、心の中に日だまりができたような、暖かい感じの映画だった。

「金髪の草原」

大好きな大島弓子さんの漫画を映画化した作品。

スクリーンから木漏れ日や葉ずれの音が聞こえて来そうで
原作の持つイメージがほぼ生かされている。

主役なりすを演じる池脇千鶴がうまいのは言うまでもない。
だが、もう一人の主演、伊勢谷友介はなんじゃ、
と一度目は思った。

しかし、二度目に観たとき、「あー、これでいいんだ」と気づいた。
彼の演じる日暮里氏は自分では20歳だと思い込んでいるボケ老人。
夢と現実のはざまで生きている人なのだ。
だから伊勢谷友介の、どこかぶっきらぼうで平淡な口調が相応しいのだろう。

原作にはなかったいくつかのエピソードは、??な部分もあるが
切なくて、透明で、やるせないほど美しい大島さんの世界を
壊すことなくスクリーンに再現してくれた犬童一心監督に感謝。
















投稿日時 09:52 åflå„     本日のみ  


金 - 12 5, 2003

My Favorite CHINESE Pictures


1.「あの子を探して」
2.「山の郵便配達」
3.「きれいなおかあさん」
4. 「初恋のきた道」

3年ほど前、中国語を少し習った。
これがなかなか難しくて、「捲舌音」や「有気音・無気音」4つの声調など、
日本語には存在しない発音なので、修得するまでには大変な苦労をする。

ときどき、日本人の俳優が中国を舞台にしたドラマや映画に出演しているが
きっと凄い努力をしているんだろうな、と思う。

まあ、わたしはそれほど努力家ではないから、
中国映画を見て楽しみながらヒアリングの勉強をしようと思い
いくつかの映画を立て続けに観た。

1.「あの子を探して」
まずは、チャン・イー・モウ監督の「あの子を探して 」。
貧しさ故に売られて行った生徒を探して
弱冠13才の先生が都会でいろいろな経験をし
遂にその子を探し出して、たくさんのプレゼントを持って村に帰るというストーリー。

出演者のほとんどがまったくのアマチュアなので、初々しい演技が却って感動を誘う。

わたしがはまった理由はもう一つ。
主演の売られてしまう男の子ホエ・クーが
従弟の子どもの頃と友人の三男坊を足して二で割ったような顔をしているのだ。

だから、彼の一挙手一投足がかわいい! かわいくってしょうがない!うううっ!!
先生役の女の子も一生懸命さが伝わってきて、つい涙が出てきてしまう。

映画の中で描かれたのは、
一見長閑そうに見えてたいへん厳しい生活を強いられている田舎の現状。
未だに子どもを売るという状態が存在するのがいかにも中国だ。

あり得ないような善意が示されるラストに少々がっかりするところもあるが
感動が大きくて、結局、中国語は聴き取ることができなかった。

2.「山の郵便配達」
もうひとつ、「中国ってまだこんなことしてるの?」という映画が「山の郵便配達 」。
山岳郵便配達人親子の隔たった心が、
仕事の引き継ぎである長い旅を通して次第に狭められていく。
そして、自らも誇りを持って山の郵便配達を始めるという感動の映画。

それにしても、
重い荷物を背負い「次男坊」と名付けた犬をお伴に一人で歩き続けた父にとって
跡を継ぐという息子との旅はどれほどうれしいものだっただろう。
しかし、そんな甘い感情には溺れず、
ときには厳しく、ときには毅然として郵便配達人としての仕事を教えていく。

橋のない河を渡り、ロープを伝って崖をのぼり、野宿をしながら幾つもの村を回る。
都会に出た子どもからの郵便を待つ盲目の母親に、白紙の手紙を読んであげる父。
村祭りの日に着くと飲めや歌えの歓迎も受ける。
その中で、淡い恋心を芽生えさせる息子。

まるで、日本の大正時代か、と思わせるような風景や人々のふれ合いが
息子の目を通して描かれていく。

やがて、少しずつほぐれていく息子の心。
そして、自らも山岳郵便配達としての誇りを持って「次男坊」をお伴に長い旅に出発する。

わたしは女性なので父と息子の心の動きはあまりわからない。
それでも、お互いに反発し牽制しながら生きていくうちに
「この人が自分の父親でよかった」と心から感じるようになるのだろうか。

実話を元にしたこの映画がヒットしたので、
昨年NHKで「中国山岳郵便配達」というドキュメンタリーが放映された。
この映画のモデルになったと思われる親子が登場し、
犬ではなくロバで山岳の村々を回る様子が紹介された。

映画は1980年代初頭ということだったが、その状況は今でもあまり変わらないようだ。
外の世界との交流はこの郵便配達人に頼る外はない、という村がまだ存在する。

テロも戦争も、ニュースはすべて2週間遅れとはいっても
ある意味ではこの人たちは幸福なのかもしれないと思った。

俳優陣はプロなので中国語の発音は綺麗だった。
いくつか聴き取れた言葉はあったが
やはり、涙を堪えるのが必死で、中国語の勉強はふっ飛んでしまった。

3.「きれいなおかあさん」
さりげなく髪を結わえ化粧をしなくても、ほんとうにきれいなコン・リー。
その彼女が耳の不自由な息子を、何とか普通の小学校へ入れようと奮闘する物語。

離婚と前夫の死、失業、新しい補聴器を買うための仕事など、
お母さんはさまざまな困難を経験する。
どこの国でも母子家庭は大変。

その中で、とても印象に残った場面がある。
息子に「花」という発音を教えるのだが、なかなかうまくいかない。
「花」の発音は「hua」、「発」の「fa」ではないのだ。
中国人にとって、喉をこするようにして発音するhと、唇を軽く噛むfとは全く音が違うらしい。
わたしもこの使い分けには苦労したので、「あっ、おんなじだ」と、思わず共感してしまった。

そして、この発音ができた時に、新聞配達用の自転車で
街路の花を指差しては「Hua!」「Hua!」と叫びながら町を走り抜ける姿が涙を誘う。

その後、どれほど苦労が続いても、
きっとこの親子は負けずに一生懸命生きていけるだろう。
物語全体を貫いている母と子の強い絆と信頼感が、それを確信させてくれる。

4. 「初恋のきた道
恋愛映画のステレオタイプというか、王道というか。
田舎の娘と新任の教師の恋なんて、もーっ!
中国華北地方の自然を背景に、どこまでも純粋な初恋を描いた映画。

こういう映画は苦手なのだが、引き込まれるように見入ってしまった。
なんといっても主演のチャン・ツィイーがかわいい!
笑顔も、恋人を追って必死に走る姿も、恥じらいながら料理を渡す細い手も。
こんなにかわいい子なら、誰だって好きになるに決まってるというか。

だいたいにおいて、料理で愛しい人の心をつかもうなんて発想が無垢すぎるわ。
後に、愛する夫を失って悲しむ母を慰めるために、一日だけ教壇に立ち
父がいつも朗読していた詩を子供たちと共に誦する場面なんて
泣かせのお決まりではないか!

ストーリーもラストも分かりきったような展開なのに
なんだかこれも涙でぐしょぐしょ。
感動のツボを心得て、それをこれでもかこれでもかと見せていく
監督の手腕に否応なくはまってしまった一本だった。























投稿日時 01:32 åflëO     本日のみ  


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