【風の竪琴2-37

◎ぼくの結晶で建てられた

(2009.2.28)

ぼくの結晶で建てられた
その家の中庭には
記憶の番人がいつも静かに座っていて
時間の生まれる前に書かれたという
星の書物を納めた蔵の鍵を守っている

ぼくの歌で紡がれた
花びらの散り敷く絨毯は
ときおり巨大なエイのようにひらひらと
深い色を湛えた夜の空をひるがえり
忘れてしまったあの旋律を探している

ぼくの静かな痛みで飾られた
ひみつの扉の向こう側では
恋する文字たちが生まれ
世界のはじまりからおわりまでを
ひとつひとつ記しながらときに歌い踊る