○夢
(2008.7.4)
夢から覚めてもまた夢
わたしはいまどこにいるのか
どこからきてどこへゆくのか
遠い記憶のなかにある
忘れたはずの歌が
どこからかきこえてくる
長い旅はいつまでも終わりそうもない
旅がいつはじまったのかさえ忘れてしまった
星はいつものように私に語りかけ
不思議な動く図形を
わたしのなかに残していくのだったが
わたしは目をとじて記憶をたどる
その場所はいったいどこだったのか
わたしはあなたとともにいた
たしかにあなたとともにいた
その場所をはなれたとき
わたしのなかに訪れたものを
今は友として旅をする
悲しみや苦しみや
ひとときの気休めという友とともに
すると夜の闇のなかで
見えないわたしが語りかける
あなたはその場所から離れたことは
決してなかったのだと
長い旅のあいだも
あなたはずっとその場所にいた
夢が夢でしかないように
夢みる夢もまた夢のまた夢
覚めない夢があるのだろうか
あなたは何度そう問いかけたことだろう
あなたは合わせ鏡に映る影を自分だと思い
影から影をたどり続けた
けれど目をとじたときそこにいるのは
鏡のなかのあなたではないことに
どこかで気づいていたのではなかったか
あなたはたしかにここにいる
忘れていた歌もここにある
夢また夢を永遠のなかの遊戯として
遊戯のなかに自分を映し出しながら