おとうさん、しまないで
先日、もうすぐ小学校に入学する娘を寝かしつけているとき、彼女が唐突に「お父さん、死まないで…」と何度も悲しそうな声で訴えかけてきました。
(注:彼女は「死ぬ」という言葉を「死む」と発音します。だから、「死まないで」は「死なないで」です。「男おいどん
」の主人公が使う方言ではありません。もうすぐ小学生なんだから、直してやらないとな〜 w)
娘を寝かしつける前に、彼女が幼稚園で借りて来た絵本を読み聞かせてやりました。タイトルは忘れてしまいましたが、乱暴者の幼稚園児「けんちゃん」が、買ってもらったばかりのランドセルを見せびらかしに公園に行くという内容です。
読み終えて部屋を暗くしたあと、娘に
「なっちゃんはもう、ランドセルを外に背負っていった?」
と聞いてみました。
「ううん、まだおうちのなかだけ」
「じゃあ、まだヤダマさんにも橋本さんにも見てもらってないの?」
「うん…」
ヤダマさん(本当は山田さん)、橋本さんというのは、うちの子供たちをかわいがってくれている近所の年配の方たちです。
そんな会話をしたあと、冒頭の「お父さん、死まないで」になりました。
現在のところ健康ですし、娘に「もうすぐ父は死ぬ」などと言っているわけでもありません。なぜ「死まないで」なのかがわからなくて、すぐに聞き返しました。
「お父さんは死なないよ。なんでそんなこと言うの?」
「なっちゃんのランドセルは『天使のはね』でしょ、最初はランドセルで飛べるのかと思ったの。飛べなかったけどね」
彼女は空を飛ぶのが夢で、3歳くらいのころは、自分で作った羽を背中に貼り付けて「なんで飛べないんだろ?」と悩んでいたほどの飛行願望の持ち主です。
「でも、飛んで落ちたら死んじゃう。だからお父さん死まないで」
途中で「ランドセルで飛ぶ人」と「落ちて死ぬ人」が別人になっているのが気になりますが(笑)、とにかく「死」というもののイメージができて来たようです。
続いて娘は、
「お父さん大好き、お母さんも好き、お兄ちゃんも好き。だから死まないで」
とつぶやきました。
「死」が家族に降り掛かったら悲しい、ということを理解できるようになったのなら、うれしいことです。彼女はまだ、親しい人の死を経験していないので、本当の悲しさを知っているわけではないでしょうが。
切ないような、うれしいような、夜でした。
投稿: 2006年03月06日 (月) at 19:15
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