第二十四回「痔っとガマンしてはダメ」

第二十四回目のトピックスは、若い人にも

流行ってきている痔の基礎を特集します。

 ●  痔とは何か?

 ● 痔の手術について

 ● 痔にならないために

 今回の医療トピックスでは、「痔っとガマンしてはダメ」というタイトルで「痔」の基礎知識を紹介します。痔はもともと男性に多い病気とされてきましたが、最近ではデスクワークが増えた女性の方にもこの病気が浸透しているようです。特に女性は痔の悩みなど人に相談できずに悩んでいるかと思います。痔についての基礎知識とその予防法にご興味ある方はぜひ参考にして下さい。

  痔とは何か? 

 毎日座りっぱなしの仕事が多い人や、食事のバランスが悪い人は痔になりやすいとされています。痔はおしりの穴、つまり肛門にできる病気です。痔になった人は、椅子に楽に座ることができない、という痛みをともなう苦しみを味わいます。

 痔の種類には、「痔核(いぼ痔)」「裂肛(きれ痔)」「痔ろう」と大きく分けられます。

 痔核はできる場所によって内痔核外痔核に分けられます。原因は肛門の静脈瘤肛門直腸海綿体の血管の肥大です。肛門周辺は血液の流れにくい場所です。その静脈が腸にたまった便によって圧迫され、こぶのように膨らんでイボ状になるのが痔核です。

 内痔核の症状は、排便時に見られる出血で、肛門内部には神経がないため、痛みはありません。比べて外痔核は痛みがあるのが特徴です。

 痔核は最初のうちは、痛みもなく排便時に出血が見られる程度ですが、やがて肛門が外側に飛び出すようになります。この状態がひどくなると、肛門を自分で内側に押し込まなくてはならなくなります。最悪な場合、押し込んでも痔核が戻らなくなり、ちょっとの刺激で激痛を感じるようになります。

 痔核は自然と治ることがなく、どんどんひどくなります。痔核は最後には手術で取り去るしか方法がありません。

 裂肛は、硬い便をしたときなどに肛門にできる切り傷のことです。

 切れ痔は排便時に無理に硬い便を出そうとしたときに、「ぴりっ」という刺すような痛みがあり、拭くときに軽い出血を見ることになります。便秘がちな人になりやすく、女性に多い痔の症状です。

 初期の段階では、硬い便を出さないように心がければ自然と治りますが、慢性化すると潰瘍性裂肛といわれる状態になり、炎症を起こす場合があります。これは排便後も痛みが何日も続き、重い病気です。

 裂肛を防ぐには、なるべく便秘にならないように心がけ、排便後に肛門をお湯で洗うようにするのが最適です。

 痔ろうは、肛門にある肛門腺窩(こうもんせんか)という性腺に、便の化膿菌が入り込んでできるものです。肛門のまわりにできたおでき(肛門周囲膿瘍)が破れ、肛門の内側と外側をつなぐトンネル(痔管)ができる重い症状です。

 痔ろうが進行すると、熱をともなう激しい痛みを感じるようになります。これが緊満痛と呼ばれているもので、慢性化しやすく、激痛をともなうため早めに手術した方がいい病気です。

 また、痔ろうは赤ん坊になりやすいといわれます。これは赤ん坊の柔らかい便が肛門腺窩に入りやすいからといわれています。

  痔の手術について 

 痔の治療には、市販の薬を使うのはあまりすすめられません。一口に痔といってもその症状は様々で、坐薬塗り薬を使って肛門を不潔にして、かえって症状を悪化させることもあります。

 痔になった場合は、恥ずかしいがらずに専門医に相談するのが賢明です。

 痔の手術は、切除後に傷を縫ってしまう方法「閉鎖式手術(クローズド・メソッド)」と、「開放式手術(オープン・メソッド)」があります。しかし前者は現在では再発しやすいという理由であまり用いられてはいません。

 後者は肛門の悪い部分だけを切除し、切除後の傷を縫合しない方法ですが、痛みも少なく再発もないといわれ、多くの医院で用いられています。痔の手術自体は短時間で済みますが、再発を防ぐために3日から2週間ほど入院します。

  痔にならないために 

 痔を防ぐためには、快便のための規則正しい生活とバランス良い食生活です。以下に痔にならない要点をまとめました。

1. 毎日同じ時間に排便を心がけ、排便に時間をかけないようにする。(便器に腰をかける時間が長いと、お尻を無用に冷やし、痔になりやすいうっ血状態になります)

2. 食事はバランス良いものを。食物繊維(海草類、ゴボウやイモなどの野菜)を多く摂るようにする。

3. 朝食は必ず摂るようにする。(一日の生活リズムに腸の運動を合わせます。便秘がちの人は、牛乳、ヨーグルトなどを摂取するのがいいでしょう)

4. おしりを清潔に保つ。(入浴時に肛門周辺をシャワーするなどが良い。しかし、石鹸などでゴシゴシ洗うのは、肛門を傷つけ逆効果です)

5. デスクワークが多い人は、なるべく立って運動する時間を。(同じ姿勢を長時間続けるのも禁です)

6. 硬い便でも力まない。(裂肛をさけるため)

 痔は一度症状がはじまると、なかなか治りにくい病気です。そして悪化すたびに痛みもひどくなり、慢性化すると炎症にまで発展する危険な病気です。

 痔の出血は、肛門周辺の毛細血管から静脈血が出ることがほとんどですが、黒い血が確認されたときは危険です。痔の痛みにかくれて直腸ガンの可能性も発生します。

 痔はなかなか人には相談できない病気ですが、健康には代えられません。おしりの健康について不安のある方は、迷わず専門医に相談するようにして下さい。

編集・文 医療の缶づめスタッフ


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