
マンマシンシナジーエフェクタ (Man-Machine Synergy Effector: MMSE) とは,人間のみ,あるいは機械のみでは実現できない機能を,人間と機械の相乗効果(マンマシンシナジー)によって実現する効果器,という,我々が提唱するデバイスの概念である.
MMSE の実体は,ロボット技術を導入することによって高度化された道具,すなわちロボティックツールであり,そのハードウェア/ソフトウェアは主に(コミュニケーションのためではなく)力学的相互作用の高度化のために実装される.ここでは,人間が自らの intelligence と身体能力を以て MMSE を使いこなし,相乗効果を発揮することが期待されている.一般的なロボットに求められるような人工知能/自律性,コミュニケーション能力等,力学的でない機能の導入は必要最低限とされることが望ましい.この方針によって MMSE は,
となっている.
現在までに,パワーフィンガー,パワーエフェクタ,パワーペダルの3種類の試作機が開発されている.これらは,主に「人間の臨機応変なスキル」と「ロボットの強大なパワー」のシナジーを実現する高機能ツールとして設計された.「マンマシンシナジーエフェクタ」という呼称は,これらの試作機の総称としても用いられる.
MMSE の制御系には,我々の開発した安定化技術である仮想パワーリミッタシステム (Virtual Power Limiter System: VPLS) が導入されている(下図参照).これによって人間機械系の閉ループの不安定化(暴走)を回避しつつ,人間の直感的操作性とロボットによるパワー増幅を両立している.

illustrated by T. Sonoyama (T-D-F)
MMSE を特徴づける上述のロボット技術は,ウェアラブルロボット(装着型ロボット)やロボットスーツのような,人間との一体化を目指すデバイスへの応用も可能である.しかし,提案する MMSE は,そのような小型軽量化ではなく,人間と一体化しない大型重量デバイスを指向するコンセプトであり,
へ発展して行くことが望ましい.
これは,人間とロボットのシナジーを実現するためには,ロボットを人間に近づける/合わせるのではなく,むしろ人間と相反するロボットならではの利点(高速・高精度・ハイパワー等)を活かすべきであるとの考え方にもとづく.
プロジェクト MMSE の進捗と将来構想を下図に示す.
パワーペダル(下肢パワーアシストロボット)の開発 というテーマで,文部科学省 知的クラスター創成事業 岐阜・大垣地域ロボティック先端医療クラスターに 2006 年度より採択され,研究開発が推進されています.
マンマシンシナジーエフェクタ(パワーエフェクタ)の開発 は,関経連 関西次世代ロボット推進会議 重点プロジェクト(安心安全分野/災害救助 RT システム)として推進されています.
パワー増幅ロボットの研究開発 というテーマで上記事業を委託(→プレス発表)され,愛・地球博 プロトタイプロボット展 2020 年ロボットと暮らす街 に出展しました.
業績録(サイト内の別ページ)
研究成果実用化のための広報活動(サイト内の別ページ)
仮想パワーリミッタシステムの国内特許出願は,関西ティー・エル・オー株式会社によって行なわれ,国際特許移行は,独立行政法人科学技術振興機構の支援を受け,関西ティー・エル・オー株式会社によって行なわれた.これらの手続きに際しては,みのり特許事務所 重本博充弁理士の機智に富む多数のアドバイスを受けた.
パワーエフェクタ試作一号機およびパワーフィンガー試作三号機は,経済産業省/独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の委託事業による支援を受けて開発した.
すべてのパワーフィンガー試作機,およびパワーエフェクタ試作機の製作においては,京都試作ネットに多大な協力を頂いた.
愛・地球博プロトタイプロボット展 MMSE ブース企画・運営については,タイトなスケジュールにも関わらず,株式会社共栄企画 専務取締役 寺田重了様,有限会社イサナクリエーション 代表取締役 野村精司様,廻神弘子様の,配慮の行き届いた熱意ある支援を受けた.
パワーペダル試作一号機は,財団法人 岐阜県研究開発財団の委託事業による支援を受けて開発した.
これらをはじめとする,Project MMSE に対するすべての支援に深謝する.