台所道具考
#030 電卓
電卓
 
電卓2 梅田のヨドバシカメラで、980円。

 レシピの料理を少ない量で作ったり、持ち寄りパーティの材料費をワリカンにしたりするのに使う。

 電卓は他にもあったのだが、店頭で見つけてあまりにすてきなデザインだったので、確保してしまった。カシオ計算機から、「ユニバーサルデザイン」の製品として提供されている。あまり使われない「MR」や「M+/−」、「%」といったキーが省かれて、すっきりした面持ち。ボタンはストロークが十分にあって、しっかりとした操作感がある。しっとりと手に馴染む曲線、すべり止め加工がセクシー。日常の使用には必要にして十分な八桁の大きな表示……。ここでも絶賛されている。

 あまりにかわいいので、用がなくても手にして愛でたくなり、無意味な計算をして遊んだりしている。年齢に平均睡眠時間を足して、兄弟の人数で割り、電話番号の下二桁を掛けて、それらを貯金の総額から引いて10で割ることによって、余命を算出したり。もちろん何の根拠もない。ぼくがその場ででっちあげたものである。この計算によると、ぼくは生まれる前に死んでいるらしい。

 ……それはともかくとして、モノのデザインにおいては、本来こういう「わかりやすさ」こそ何より優先されるべきだと思う。見た目のインパクトやかっこよさを求めたり、過剰な機能を盛り込んだりするのではなく。(2002/7/7)  

|前へ|次へ|

 -「廚から」トップへ-