■あまりにも美しいカレーと、絶望の深い闇。
ぼくはどうしてこんなにも写真を撮るのが下手なのか。おいしいものを食べるたびに、ぼくはこの苦しみと葛藤を抱き続けるのだけど、今回ほどそれを強く感じることは、年に何度もあることではなく。 このカレー、一見すると、そのへんの安っぽいカレーに見えるかもしれない。 大したことない飲食店が軒を連ねる複合ビルの目立たない部分にひっそりと営業しているお店(夜はワインがメイン?)のランチで出会ったスパイシーチキンカレー900円。実際に目の前に出てくるまでは、そのへんの凡庸なカレーだとばかり思っていた。 だけど、一口食べたその時、世界が変わった。 ミスター味っ子のように、旨いものを食べて口から光が溢れだすようなことなんて、現実にはあり得ないとぼくは思っていた。だけどそれは間違っていたのかもしれない。あの瞬間、たしかにぼくの口から、光が溢れていた。 ぼくは旨いカレーを探して、とはいえいったいどんなカレーが旨いのかもわからず路頭に迷っていたのだけど、こんな近くにこんな旨いカレーが隠れていたなんて。おそらくはスパイスから調合したその風格と見事なまでに高められた香りの…いや、どんな褒め言葉を使っても、この魅力は伝えられない。言葉にするほどに、色あせてしまう。それを画像で伝えられればどれほど幸せか。しかしぼくに、それだけの技術はない。
あまりに感動したので別アングルからもう一枚。しかしそれにしても、こんなちんけな写真では、あの旨さを伝えることなんて到底できない。 よくいろんな飯サイトや飯ブログをぼくは見ているのだけど、趣味が「旨そうな写真を撮ること」だとか、「美味しそうな写真を撮ること」という人がいる。自分の写真は涎ものだと、広言し続ける人がいる。その人たちって、自分でそこまで言うくらいだから、きっと本当に「美味しそう」な写真を撮ることができる人なんだろう。きっと実物の「美味しさ」を実物と同様かそれ以上に、表現することが出来るんだろう。わざわざ撮影用セットまで作っている人や美味しそうな写真の撮り方指南までしている人もいるくらいだし、そこまでするからには間違っても下手な写真なんて撮るはずもないんだろう。ぼくがそのサイトやブログの写真を見てもちっとも「美味しそう」に感じないのは、きっともとの素材がまずいだけで、写真はその可能性を150%くらい引きだしているに違いない。 そんな写真の上手な人たちがこのカレーを撮ったなら、きっとぼくなんかよりずっと上手に、あの味わいを伝えることができるに違いない。ぼくは、ぼく自身の腕のなさが、とても哀しい。そして、飯サイトを続けていながら、本当に美味しい、まさに美味しいとしか言いようのないこのカレーとの邂逅を、こんなみっともない画像でしか伝えられないことが、本当に心苦しい。 ぼくがこのサイトでお店に関する情報を極力伝えないようにしているのは、自分の大切にしているお店にあまり来て欲しくないだとか、一度や二度行った程度で偉そうにお店の価値を云々する(便所の落書きレベルではなく、公衆の面前においてお店の名前を掲げた上で)わけにはいかないだとか、お店の人に見られたらいやだとか、自称グルメのお店紹介ブログが多過ぎて食傷気味だとか、人様においしいお店を教えて差し上げる公共心に欠けているだとか、たしかにお店情報を流したら需要に伴ってアクセスは増えるだろうけどそんなのべつに興味ないだとか、そもそもお店もレシピもないまったく無駄な存在のこのサイトが大好きだとか、そんな細々とした理由だってないわけではないけれど、それ以上に、何より見ての通り無様な写真技術のせいでその魅力を思うように伝えられないという、この絶望的な深い闇がある。 ぼくは前述の通りいろんなグルメブログやグルメサイトを見て、グルメで写真が上手な人たちのいろんな紹介記事を見ているけれど、そこで紹介されたお店に行こうと思うことはほとんどまったくと言っていいほど、ない。でもこれはきっとサイトやブログが悪いのではなく、元のお店が悪いだけなんだ。たぶん。そしてそういう上手で涎ものの画像が得意な人たちがこのカレーを撮ったなら、いったいどんなすごいことになるだろう。飯ブログ界の歴史が変わるかもしれない。 -----
あとサラダとスープ。スープもチキンのかなり旨いスープ。 前にちょっと遠くの鶏専門店でランチを食べたときに出てきたスープと同じような味で、やっぱりきちんとした店だとスープも同様に旨くなるのか、あるいは同じスープの素を使っているのかはど素人のぼくにはわかりませんでしたが、とにかくこのスープだけでもぼくは満足。 あと上で言ったことがどれだけ本気でどれだけアレなのかは皆様の洞察力に任せますが、ぼくはてきとーなことばっかり言っているので、単語レベルでしか文章が読めないアレな人にはちょっと厳しいかもしれません。ちゅーか全部本気なんだけど本気のニュアンスが難しい。 |
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Total entries in this category: 43 Published On: 2 22, 2005 12:22 AM |
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