2007年04月03日 22:57
DRMフリーの影響
まずはアップルのニュースリリースをご覧くださいませ。
アップル、より高品質なDRMフリーの音楽をiTunes Storeに追加 から2007年4月3日に引用2007年4月2日、カリフォルニア州クパティーノ、アップルは本日、EMI Musicのデジタルミュージックカタログの全てが、5月から各国のiTunes Store (www.itunes.com)においてDRMフリーで(デジタル著作権管理なしで)購入できるようになることを発表しました。
この発表の引用の後に続くのは次のような点です。
- DRMフリーの楽曲は256kbps AACエンコードで1.29ドル/曲
- 従来のDRM有り128kbps AACエンコードも平行販売し、こちらは0.99ドル/曲
- DRM有りの楽曲からDRMフリーの楽曲へのアップグレードは0.30ドル/曲
かなりインパクトがありますね。しかし、だからといって日本のiTunesStoreですぐに恩恵が受けられるとは思わない方が良いと思っています。會澤はかなり懐疑的です。
日本では着メロという摩訶不思議な文化(?)が形成されており、この既得権益の上にがっちりとスクラムを組む形で「著作権管理組織」「レーベル」が巣くっております。甘い汁を吸っているといってもいい。米国で実現したからといって日本で実現するなんて少なくとも数年はかかる。米国でよほどこのシステムがうまくいき、アップル以上にレーベルが儲かっているよ。というニュースが報じられれば中小のレーベルは追従するかもしれません。しかし、大手どころは無理。だいたい、大手中の大手であるソニー系列がiTunesStoreに一切楽曲を提供していないというのが現実。これはもうだめです。
日本におけるiTunesStoreのスタートも米国から遅れること2年あまりの期間がありました。それも渋々という有様。iPodの携帯音楽端末の一人勝ちという追い風があってこれですからね。まして、今でもより強いDRMを望む声が公然と聞こえてくる有様ですから、DRMフリーなどというのは難しい。
現在のレートでいくと、1.29ドル=151円。0.99ドル=115円。といったところです。しかし、現実にはDRM有りの楽曲で150円/200円というレンジ。DRMフリーの楽曲は250円ぐらいになってしまうでしょうか。アルバムははたしてリアルCDの定価を超えることができるかどうか。不安です。最近のCDはDVDとのセットだったり、CDオリジナルの楽曲が追加されていたりと付加価値をどうくっつけるかという競争になりつつあります。それでも売り上げは落ちている。落ちている売り上げの元凶としてあげられているのが不正流通している音楽データである。というのが日本のお偉いさん型の定番です。プロモーションとか、タイアップにお金をかけ、ヒットした楽曲を使い回し、一度ヒットしたらこれ幸いとアーティストがつぶれるまで使い回す。そんな世界がおかしいと思わないお偉いさん達の頭をリセットするにはどうしたら良いんでしょうね。會澤には思いつきません。
非常に暗い、懐疑的なエントリになってしまいました。スミマセン...
by t0mori(2007-04-03T19:09:45-05:00)
確かに僕も懐疑的ではありますけど、業界の近くにいるとそうそう考えられない事でもないかな、と思いますよ。
何しろ実質のCDの売上不振がかなり深刻です。既得権益云々以前に、その母体そのものが共倒れとなり得る可能性もあったりで、実際に成果が上がれば総崩れもそれほど先の未来でもないかな、とか思ってます。それほどパッケージ商品の売り上げの落ち込みは、一般に知られている以上にヒドイ(二桁くらい違う)です。
DRMフリーが必ずしも唯一の道ではないでしょうが、少なくとも近い将来、何らかの新しい流通経路を確保しないと、死に体になるのは目に見えているようです。
by 會澤(2007-04-03T21:51:49-05:00)
> 二桁ぐらい
想像以上...ホントですか。中小の販売店が次々と店をたたんでいますが、その辺もあるんでしょうかね。
by Magician@宇都宮(2007-04-03T23:20:39-05:00)
> アップル以上にレーベルが儲かっているよ。
> というニュースが報じられれば
実際、DL販売は儲かるんですよ。
在庫抱える必要無いですし、どんなマイナーアーティストで
あっても1曲売れれば儲けは同じですから。
着うた(R)が爆発的に売れていて、各レーベルが
必死こいて楽曲投入している有様を見ても
美味しい商売である事は明らかです。
それにしても、t0mori監督が仰るように
パッケージ売上は驚く程落ち込んでいますね。
私はoriconの週刊誌を4年位前から購読していますが、
当時オリコン1位と言えば10万枚超えが当たり前だったのに
今や3〜4万枚の楽曲が平気で1位を取る有様。
1万枚前後でも意外と10位以内に入れてしまいます。
裏を返せば、11位以下は完全に団子状態。
その数字たるや、最早見るに堪えません…。
CDは最早‘聴くもの’から‘コレクションアイテム’へと
変化してしまいました。
シングル1枚のトータルセールスが10万枚を超える歌手も
ほんの一握りとなってしまいました。
その数字自体も、実力なのかプロモーション効果に
因るものなのか、実際は後者の方が大きいような
気がしてなりません。
by 會澤@会社(2007-04-04T00:28:11-05:00)
DRMがなくなるというのはどの携帯音楽端末でも流用可能であるということなのですが、AACを採用している以上、何らかの手立てを講じない限りiPod専用になるわけですよね。
アップルも考えているといっていいのか...
會澤は新譜に関してはともかく、中古で数年前のアルバムを大人買いしてます。なくなったらなくなったで寂しいのですが、コレクションアイテムとしては別にもってなくとも...と思います。中古で買ったやつも期間が過ぎると売っちゃうことも多いですから。
Posted by kaizawa | TrackBacks