2007年01月23日 06:30

感情のまま書き殴ってみます - ペコちゃんの話

不二家を養護するつもりはないし、やっていたことは言語道断。會澤の会社(食品会社の工場に勤務してます)でも影響が出ています。他人事ではありません。yokochinさんのエントリに少しコメントを入れさせていただきましたが、書き足らなかったので新しくエントリを上げさせていただきます。

賞味期限って誰が決めているか知っていますか?実はメーカー自身が決めているのです。法による規制がないわけではありませんが、基本的には自主判断です。もちろんいい加減な決め方してるわけではありませんよ。商品によって違いますが、保管方法に従って一定期間保管した後に細菌検査・官能評価をかけてどこまでを期限とするかが決められます。多くの商品を出している会社などは「このジャンルの製品は○年」という具合に一律設定している場合も多いと思います。だたし、賞味期限を越えて製品の品質が大きく落ちてしまうようなところを設定してしまうと、品質クレームにつながりますので多くの場合安全に食べられると思われる期間が2年だとしたら、賞味期限を1年とか1年半に設定します。

こんな話をすると逃げ口上だと思う人がいるかもしれませんが、逆です。賞味期限というのはメーカーが消費者にたいして、「この期間内は我が社が保証しますよ」という約束なのです。不二家は約束を破ったのです。1日だろうがなんだろうが関係ないです。約束違反は断じられるべきです。まじめにやっている他のメーカーが迷惑を被ります。事実被ってます。不二家の一件が報じられて以来、調査し検討していくつかの事案についてより誤解を受けないような方法に変更されています。社内事案なので細かくかけませんが、めんどくさくなっているのは事実です。


食品というのはどんな保管方法をとろうが、経年劣化は避けられません。各メーカーともに経年劣化を最小限にするための方法を様々試行錯誤しながら作り出しています。しかし、永久に作りたての味を保証することは現時点はできません。できないからこそ賞味期限が存在し、その期限内で食べてくださいね。とお願いしているわけです。お願いするとともにこの年月日まではおいしく食べられますよ。それは我が社が保証します。と約束しているのです。そして、その約束に基づいて・約束を信じてエンド・ユーザーは購入誌消費してくれるのです。にもかかわらず!

賞味期限を越えていてもおいしく食べられるものは存在します。気にしなければ賞味期限を一日・二日過ぎていても食べられますよ。そういう設定になっているんです。でも、そこにはメーカーの約束はありません。使われ方がいい加減で好きな言葉ではありませんが、そこから先は“自己責任”です。さて、消費者の側から見ると賞味期限内であればメーカーが保証してくれるという安心感がありますから、目安として使えますね。この安心感ってのが大事です。そしてこの安心感を揺るがすようなことをしたということです。

原料の賞味期限というのも重要です。起こってほしくはないことですが、もし食中毒などが起きたときに原因を調べねばなりません。ある食品が疑わしいとなったときにその食品は、A/B/Cの三種類の原料を使って作られていたとします。三種類とも原料メーカーが異なります。そしてそれぞれ賞味期限が(当然)設定されているわけです。エンド・ユーザーとメーカーという立場が、今度は立場を変えてメーカーと原料メーカーに置き換わることがわかると思います。原因追及の段階で、原料メーカーは賞味期限内の品質保証をします。しかし、保証期限を過ぎての使用は原料メーカーの責任範疇を超えます。先ほど、賞味期限を過ぎていてもほとんどの場合、食べることができる。としたのと同じように、原料メーカーの設定した賞味期限を過ぎても、ほとんどの場合問題ない場合が多いのです。しかしそこには保証はありません。使うのならば使う人が自らの責任で使用することになります。

そして、原料の賞味期限が切れているものを使った今回の件、誰が責任を取るのでしょう。多くの消費者との約束を違えた責任は、現場の一工場長がとるべき責任ではないと思うのです。それはメーカー自身がとるべき責任だと思うのです。一工場長が独断でやったかのような話が一時伝わりましたが、それが本当ならその工場長は責務を勘違いしていたのだろうと思います。一担当者がそうだったとしたらそれはもっと勘違いしていたのでしょう。責任をとることのできないものが、責任をとるべき事案について最終判断をするというのはやはり、間違いといわざるを得ないと思います。会社としてのルールが定められているはずです。そのルールに則って作業をし、なおかつかかる懸案のようになったのなら会社の責任(つまりそのルールを作ったのは会社なんだから)となるのは吝かではありません。そのルールすらなかったというならそれは言語道断です。


ISOって聞いたことがあるかもしれません。いろんな種類がありますが、全てに一貫しているのは遡及履歴を残すべしという点です。なんという原料をなんという製品にいつ、どのぐらい使ったのか。全て残しておく。問題が起きたときに原因を追及するために遡ることのできる資料を常に常備しておく。そうすることで、問題が起きても速やかに原因追及ができますよ。というアッピールになるわけです。会社としても危機管理に役立てられることになりますね。

今回該当工場もISOの取得をしていたそうです。ISOの取得には外部の監査法人が必ず必要です。外部から見て、きちんと遡及履歴が完備していることが確認できて初めて認定が受けられるわけですね。しかし、今回遡及履歴が完備していたとはいえない状況でした。監査法人の目は何を見ていたのでしょうね。履歴を残すというのは実は大変な労力を要します。會澤の会社もISOを取得しましたが、その前後で書類の量は激増しましたし、現場作業の他に書類の作成という手間が増えました。それでもそれを維持していくことが、外部から見ての安心につながるのだと信じて作業しています。ISO取得法人がろくにその機能を使っていなかったなんてことになったらせっかく苦労して作り上げてきた信頼が損なわれることになります。これまた冗談ではないわけです。


今回、事案が出てすぐにエントリを上げなかったのは同じ職種にいる人間としてダイレクトに批判するのをすこしだけ躊躇ったということがあります。許されることではないけど、會澤が書かなくってもなぁ。と思ったのです。でも、なんか書かずにいられませんでした。

寂しいです。

このエントリに頂いたコメント。この表示は随時更新されます。

by HiTsu(2007-01-23T00:43:17-05:00)

大変ですね.....

この件も、一社員のうっかりミスではなく、組織ぐるみだったという余りにも余りの結果にペコちゃんファンとしてはショッキングでした。


私の病院も、ISOと同等の病院機能評価を所得してますが、これを取るのにどれだけの苦労だったか...(^_^;)

また、2年後にはバージョンアップを考えてます。

by Magician(2007-01-23T11:58:28-05:00)

私もメーカーの社員なんで、品質という言葉は

避けて通る事が出来ません。

よこチンさんの所のコメントも拝見させて頂きましたが、

よもや火に油を注ぐような議論になり掛けていたので

スルーしてしまいました…。


今回の事件に関しても、色々な切り口があるでしょうし

それに対し色々な意見が登場するのは当然でしょう。

ただひとつ断言出来るのは、不二家の社員に

‘いいものを作ろう’という意識が欠如していた事。

それに尽きると思います。

by あつし(2007-01-23T16:24:35-05:00)

私も食品メーカーに勤めるものとして、今回の事件にはびっくりしました。でも、個人的には検出されていた微生物を無視したことの方が恐ろしいです。

by 會澤(2007-01-23T21:04:54-05:00)

>HiTsuさん


舵取りを間違えると命取り。というのは雪印

でわかっていたはずなのに、もし自分のとこ

ろだったら...と考えるイメージがなかった

んでしょうね。


>Magicianさん


時として會澤も「仕事」ではなく、「作業」

をしていることがあります。そういうときに

は注意力も散漫になり、漫然としていること

が多いですね。気をつけたいと思います。


>あつしさん


微生物「無限大」ってのはあんまりですよ

ね。希釈して測定するというのがルールに

なっているはずなのに...

手間を惜しんで結局全てを失ってしまう。

悲しいです。

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by HiTsu(2007-01-23T00:43:17-05:00)

大変ですね.....

この件も、一社員のうっかりミスではなく、組織ぐるみだったという余りにも余りの結果にペコちゃんファンとしてはショッキングでした。


私の病院も、ISOと同等の病院機能評価を所得してますが、これを取るのにどれだけの苦労だったか...(^_^;)

また、2年後にはバージョンアップを考えてます。

by Magician(2007-01-23T11:58:28-05:00)

私もメーカーの社員なんで、品質という言葉は

避けて通る事が出来ません。

よこチンさんの所のコメントも拝見させて頂きましたが、

よもや火に油を注ぐような議論になり掛けていたので

スルーしてしまいました…。


今回の事件に関しても、色々な切り口があるでしょうし

それに対し色々な意見が登場するのは当然でしょう。

ただひとつ断言出来るのは、不二家の社員に

‘いいものを作ろう’という意識が欠如していた事。

それに尽きると思います。

by あつし(2007-01-23T16:24:35-05:00)

私も食品メーカーに勤めるものとして、今回の事件にはびっくりしました。でも、個人的には検出されていた微生物を無視したことの方が恐ろしいです。

by 會澤(2007-01-23T21:04:54-05:00)

>HiTsuさん


舵取りを間違えると命取り。というのは雪印

でわかっていたはずなのに、もし自分のとこ

ろだったら...と考えるイメージがなかった

んでしょうね。


>Magicianさん


時として會澤も「仕事」ではなく、「作業」

をしていることがあります。そういうときに

は注意力も散漫になり、漫然としていること

が多いですね。気をつけたいと思います。


>あつしさん


微生物「無限大」ってのはあんまりですよ

ね。希釈して測定するというのがルールに

なっているはずなのに...

手間を惜しんで結局全てを失ってしまう。

悲しいです。

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Posted by kaizawa | TrackBacks