医者は福祉に手を出してはいけない
病院経営者がケア施設を運営することは珍しくない。しかし、現場で働くものとしてこの概念や理念は理解しても、やはり医者は医業しかやってはいけないと思う。ケア施設の運営者が医師を雇う事はあるだろうし、それは否定しない。しかし、医師が慣れない福祉施設を設置し運営することは止めた方が良い。
病院経営者がケア施設を運営することは珍しくない。しかし、現場で働くものとしてこの概念や理念は理解しても、やはり医者は医業しかやってはいけないと思う。ケア施設の運営者が医師を雇う事はあるだろうし、それは否定しない。しかし、医師が慣れない福祉施設を設置し運営することは止めた方が良い。 ケア施設の運営には福祉制度や政治の動向について常に注意を払う必要があり、この分野では専門性の高い経営スタッフが必要で、医師兼オーナーのプレイング・マネージャーではとても勤まらない。少し規模の大きな施設では、行政やお役所OB(天下りとは言わないですが、、、)の事務スタッフを入れているのが現状で、それだけ地方自治体の動向や国の情報を得る工夫、行政と疎通を良くする術がないと安定した運営は難しい。なぜなら福祉制度は猫の目のように変化の激しい分野だし、隣の県ではOKなことが地元ではダメということもある。しかも、今が良くても今後も良いとは限らず、常に制度改変の先取りをしながら取り組む必要があるわけです。 例えば自立型のケアハウス。これは建設設置が比較的容易ではある。しかし、自立型で介護保険制度をあてに運営すると当初は良いが段々経営が厳しくなるのは自明。自立型の入所者は初めは介護度が軽度であるが、加齢とともに介護度が重度になるのは必至。系列の(オーナーの院長の)病院に入院することが度々となりやすくなる。当然、入院している時には介護保険が使えないので、ケア施設の運営的には不利。系列の病院に入院するのだからグループ企業(病院と福祉施設)全体ではトントンではないか?と考えられるが、果たしてどうなのか?病院に入院して病院がプラスになっても、その資金をケア施設に投入する必要があるので、タコ足経営(タコが自分の足を食べて生き延びる)そのもの。むしろ本来、病院(診療機能強化)に投入すべき利益を系列福祉施設の赤字補填に消耗する危険性が高くなる。 福祉施設とはもともと(過剰な)利益を上げるものではなく、福祉という公共性の高いサービスを提供する性格がある。一方、医療施設とは勿論公共性の高いサービスを提供する機能は基本として、日進月歩の医療技術サービスをも提供する義務がある。よって一度導入した医療機器も数年も経てば時代遅れとなり、常に医療機器そして(その医療機器に対応した)人材でさえも更新する必要がある。よってそのためのコストを常に意識しなければならない。福祉が静とすれば医療は動であり、経営の考え方も180度異なる。
Posted: 火 - 6 月 23, 2009 at 09:13 午後
|