医師法第21条の医療過誤がらみの拡大解釈は間違いだ 再掲
ところで、この裁判では、「公判で医師法21条について、ほとんど議論されなかったか」ということが、医療系ネットで話題の一つなっている。...
別のブローグで2007年の2月にアップしたことをまた載せよう。... 日経メディカル(2007年)の2月号に田邊氏(医師であり弁護士)がその医師法第21条をクリアに解説しています。
福島大野病院事件は無罪となった。しかし、今回のことは大きな影響があるだろう。ところで、この裁判では、「公判で医師法21条について、ほとんど議論されなかったか」ということが、医療系ネットで話題の一つなっている。実際、被告医師は医師法21条違反で起訴されているのだが、これは起訴自体が無理と言うしかない。別のブローグで2007年の2月にアップしたことをまた載せよう。タイトルは『医師法第21条の医療過誤がらみの拡大解釈は間違いだ』です。
医師法21条では「医師が死体を検案して異状を認めた場合は、24時間以内に所轄の警察に届ける義務」がある。これが今や医療過誤(ミス)のための法律かのような扱いです。私も現在の流れをレビューしたことありますが、どうみても不思議な拡大解釈のような感じがしました。
医療過誤を隠蔽しろとは思いませんが、医療過誤をすべて警察に届けるのは違和感があるわけです。医療過誤の取り扱いは再発防止という意味合いもあるのですが法で罰するだけでは再発防止にはなりません。リスクのある医療は避けるという萎縮医療になります。もともと医療行為とはリスクがあるものですから。
日経メディカル(2007年)の2月号に田邊氏(医師であり弁護士)がその医師法第21条をクリアに解説しています。これは業界では有名な「都立広尾病院事件」の判例をもとに解説しているので、現在の法的根拠に基づくものです。
すなわち、死体の検案とは 高裁で 医師が「死体の外表に異状を認めた場合」のみを「異状死」と定義しており、最高裁でもこの高裁の判断を認めています。つまり、異状死の届け出義務は、「死体の外表に異状があった場合」にのみ発生し、医師過誤の有無などは関係ないのです。
じゃあ医療過誤はどうするんだ?となればそれは別の問題で、医師法第21条で医療過誤そのもののを取り扱うことは法的な拡大するぎる解釈と高裁と最高裁は判断したのです。広尾事件の判決そのものは変わりませんが、地裁の判断を高裁では異状死の確認時間のみ変更したのです。これが重要なことで、つまり一審は医療過誤を含めた判断時刻を入れていたのですが、二審の高裁では医療過誤の有無と異状死の確認とは別であると明確にしたのです。すなわち第21条は医療過誤とは関連がないということです。
医療過誤は(それぞれの病院の)事故調査委員会等で、事故が予見できたか、事故が防げたか、死亡等との因果関係があるか、の三点で別に判断すべき問題となります。安易に異状死と届け出ると、警察署の方では医療過誤の疑いがあるとなればカルテから何から何まで証拠物件として押収され診療にも支障を来たし、遺体は司法解剖に回されその結果は「捜査上の秘密」とされて医療機関側にも遺族側にも知らされず経過して行きます。本来当事者どうし解決できた問題がかなりの時間がかかる紛争になることがあると田邊弁護士は警告しています。
安易に異状死を届ければ良いという風潮は誤りでしょう。やはり判例を丹念に読み込まないとわかりませんね。田邊弁護士の解説は非常にクリアーです。
Posted: 日 - 8月 24, 2008 at 09:44 午後
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