オバマの就任演説はやっぱり平凡だった


 オバマの就任演説はおそらく団結を求めるためにだろうが、平凡な 皆で頑張ろう 皆でチャレンジしよう 皆で耐え抜こう という演説であったが、今の危機はそんな精神論ではなく、大胆な決断を要すると(つまり銀行国有化)クルーグマンは主張し、かつできるだけ早く決断しなければならないとしている。  私は経済に疎いので知らなかったが、オバマの演説には、ケインズが大恐慌について述べた時のフレーズを意識して書かれた部分があったようだが『The first part of this passage was almost surely intended as a paraphrase of words that John Maynard Keynes wrote as the world was plunging into the Great Depression 』、クルーグマンは皮肉を込めて、残念ながら誤解釈があるようだと。 つまり(ケインズの言うように)経済システムを手直しする必要があるというところを、『somehow was replaced with standard we’re-all-at-fault, let’s-get-tough-on-ourselves boilerplate』と指摘している。

 米国新大統領の就任演説は、感動もなく平凡だなと思っていたのだが、ニューヨークタイムスのコラムニスト Paul Krugman もそうこき下ろしていた。彼はノーベル経済学賞を受賞してもコラムニストを降りなかったのは嬉しい。なぜなら、ネットで彼の言動がコラムでわかるので。まあ、彼はビル・クリントンの時もすぐにこき下ろしていたから、あのオバマの演説には何か言うだろうと思ったら案の定というか、黙っているはずはやはりなかった。

 最大限の賛辞?として、its conventionality としている。つまり、その月並みさが大きな問題 だ。そうオバマの演説には感動も新しさもなかった。オバマの演説は言葉やフレーズは格調高いが、内容はとても平凡だ。理想主義者だろうが、その理想主義の輝きさえ無いオヤジの説教のような内容だったと思ったのは私だけではなかった。でもこれが一般大衆には(日本でさえも)受けるのだろう。

 医療費問題では、米国の最大の問題である無保険者や低保険カバーの問題には一言もオバマは言及せずに、前任のブッシュと同様に era of responsibility と自己責任に矮小化しかねないとクルーグマンは警告している。でもやはり最大の問題は経済金融危機のこと。その(オバマ政権の)対応がクルーグマンは月並みだと懸念している。簡単に言えば、米国の主要銀行の一時的な国有化をしなければ、現在の米国の過度の規制緩和状態の銀行にいくら公的資金を投入してもその資金はあっと言う間に、公的に寄与することなく私的に散逸してしまうと危惧している。この『主要銀行の一時的な国有化』案は、けっしてリベラルな経済学者だけが賛成しているわけではない。保守派でも支持するほど深刻な問題だとクルーグマンは述べている。

 オバマの就任演説はおそらく団結を求めるためにだろうが、平凡な 皆で頑張ろう 皆でチャレンジしよう 皆で耐え抜こう という演説であったが、今の危機はそんな精神論ではなく、大胆な決断を要すると(つまり銀行国有化)クルーグマンは主張し、かつできるだけ早く決断しなければならないとしている。

 私は経済に疎いので知らなかったが、オバマの演説には、ケインズが大恐慌について述べた時のフレーズを意識して書かれた部分があったようだが『The first part of this passage was almost surely intended as a paraphrase of words that John Maynard Keynes wrote as the world was plunging into the Great Depression 』、クルーグマンは皮肉を込めて、残念ながら誤解釈があるようだと。つまり(ケインズの言うように)経済システムを手直しする必要があるというところを、『somehow was replaced with standard we’re-all-at-fault, let’s-get-tough-on-ourselves boilerplate』と指摘している。つまり、定型文の『我々全体の責任である、自分自身に厳しくして行こう』に取り違えている。

 大恐慌を招いたフーバー大統領は、後世から見れば誤った政策である支出抑制、増税政策をなんのためらいも抵抗もなく行った。今、オバマに必要なのは月並みな皆が納得する政策ではなく、抵抗に遭い物議を醸すような政策を大胆に速やかに実行することである。そうでなければ、この危機は長引く。

 クルーグマンの言うことは正しいだろう。おそらくオバマは演説の通り、『So is Mr. Obama ready for that? Or were the platitudes in his Inaugural Address a sign that he’ll wait for the conventional wisdom to catch up with events? If so, his administration will find itself dangerously behind the curve.』ではないか。オバマは銀行国有化するような勇気もないだろう。就任演説のあの緊張に満ち、カリスマを失った顔は、ChangeでもYes We Canでもなかった。演説自体は淀みなく流暢だったが、内容は無かった。これから米国の失われた10年が始まる予感がする。

Posted: 土 - 1月 24, 2009 at 11:58 午前         |


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