グルジアと公的資金注入


 やっとポールソン米財務長官は、経営難に陥っている連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)を政府の管理下に置き、2公的資金を注入すると発表した。...しかし、ロシアがそんなに実力のある国かと言えば、それは甚だ怪しい。..しかし、原油が1バレル70ドルを切ると、事実上ロシアの経済は債務超過に陥る。... これだけの戦略的な背景があれば、ワシントンにとっては西側経済(西側とはなんて古い表現だ)の建て直しがプーチンと対峙するには絶対的な優位を得ることになる。...ノーベル経済賞受賞学者が二人もいたロングタームキャピタルが潰れたのもあのルーブル暴落からである。

 やっとポールソン米財務長官は、経営難に陥っている連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)を政府の管理下に置き、公的資金を注入すると発表した。日本のバブル崩壊を研究したという米国にしては、ちょっと遅かったにしても良い選択だろう。と言うか、これしかない。しかし、この決断には新冷戦構造の背景があると容易に推察できる。グルジア問題が尾を引いている。

 ロシアは資源を背景に大国意識丸出しである。しかし、ロシアがそんなに実力のある国かと言えば、それは甚だ怪しい。我々の周りを見ればわかるが、中国製品を目にしない日はないが、ロシア製品など目に触れた事はないはずだ。つまり、ロシアは資源大国ではあっても、工業製品、つまり産業など無きに等しい国である。一つ光ると思えるのは武器輸出大国であることくらいだろう。工業、産業製品として国際競争力?があるのは武器産業である。M-16ライフルがない国はあってもカラシニコフが無い国は無いだろう。

 つまりはロシアには産業が無い。そして、今の先物取引における原油高によって資源大国が形成されたのがロシアの現在でもある。ドバイの天を衝く高層ビルと同列と言える(旧約聖書に出て来る神の怒りを買ったバベルの塔のように高い高いビル)。しかし、原油が1バレル70ドルを切ると、事実上ロシアの経済は債務超過に陥る。実際に今の原油はせいぜい70ドルが上限のはずだ。原油は余っているのに、先物市場で高値がついているだけである。これだけの戦略的な背景があれば、ワシントンにとっては西側経済(西側とはなんて古い表現だ)の建て直しがプーチンと対峙するには絶対的な優位を得ることになる。グルジア紛争が市場の復元力の自律性に任すよりも、サブプライムローン危機に公的資金導入を強く促したと言える。日本のバブル崩壊を学んだかも知れないが、グルジア紛争がその学びを実行させたと言える。

 ロシアからの海外資金の流出は留まるところを知らない。このままロシアがいつまで耐えられるかわからない。そして、ロシアが再び暴走する危険性もある。なんせ我が旧日本帝国も石油禁輸措置で太平洋戦争を決意したわけだ。メドべージェフ傀儡プーチン帝国は専制主義でどこで牙をむくはわからない。かつ、西側もロシアという市場が不安定となることによって被害は被る。ノーベル経済賞受賞学者が二人もいたロングタームキャピタルが潰れたのもあのルーブル暴落からである。冷戦構造はクルーグマンの言う通り、グローバル化の最大の障碍であり、経済のグローバル化とははかない夢のまた夢かもしれない。

Posted: 月 - 9月 8, 2008 at 08:05 午前         |


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