急激な社会構造転換は健康を害する?


急激な社会構造転換では、それまでの雇用関係や社会組織が崩壊して、新たな雇用関係や企業がすぐにスタートしない場合は、短期に失業率が上昇する。... 急激な転換の例はロシアで、ゆるやかな転換とその転換期間に平均余命がむしろ延びたのは、ポーランドやクロアチア。

 電子版のランセットに面白い論文が載っていた。共産主義から資本主義の転換スピードが速すぎると、成人の死亡率が上昇するという内容の論文である。この場合のキーポイントは失業率。急激な社会構造転換によって、失業者が増えると死亡率が上がる。緩やかな社会転換で、失業率が上がらない場合は、死亡率の上昇はみられない。急激な社会構造転換では、それまでの雇用関係や社会組織が崩壊して、新たな雇用関係や企業がすぐにスタートしない場合は、短期に失業率が上昇する。一方、ゆるやかな転換では、雇用が維持されたままで社会構造転換が行われるので、失業率は上がらない。急激な転換の例はロシアで、ゆるやかな転換とその転換期間に平均余命がむしろ延びたのは、ポーランドやクロアチア。ロシアでは、平均余命が5歳も縮んだ。 結局、失業率が健康度を下げるということか。ロシアの分析では、アルコールの問題が出て来るが、今回の論文では扱っていない。日本でも派遣労働者の失業問題が大きく話題となっている。しっかりとした雇用関係や社会資本の充実があれば、社会構造変化でも健康への悪影響はかなり軽減されると。

Posted: 土 - 1月 17, 2009 at 11:27 午後         |


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