専門性のない病院は生き残らない??


じゃあ、専門性のない病院は生き残らないとするとどうなるか?...つまり、専門病院が専門性を高めるには、専門性がそれほどない病院が患者の転院先として不可欠となる。 さらに言えば、専門性が高い病院だけが生き残り、他の専門性の高くない病院や中途半端な経営規模の中小病院が無くなるとすると、患者は必ずしも専門性を要求する病状でない場合も多いが、その患者がすべて生き残った専門性の高い病院に行けばどうるか?... つまり専門性の高い病院が生き残ろうと思えば、皮肉なことにその病院の周りの専門性の低い病院の存在が不可欠となる。

 大学院生と議論するととても興味深い。院生は看護職の中堅幹部クラスである。

 病院の生き残りをフリートーキングした。だいたい生き残りという言葉からして市場主義である。まあ良いだろう。どう議論は進むか?である。

 病院が生き残ろうと思うなら、専門性を高めて効率を良くして生き残ると言う意見がある。でも、これって初めから矛盾である。じゃあ、専門性のない病院は生き残らないとするとどうなるか?生き残るのは専門病院ばかりとなる。これはどう考えてもおかしい。しかも、専門性の高い病院でも今の我が国の方針として、急性期が終われば患者さんには出て行ってもらうことになる。今の制度では入院日数を長くはとれないような診療保険点数なのである。

 となると、すぐ退院となれないなら、慢性期を扱う病院に転院になるのが普通である。つまり、専門病院が専門性を高めるには、専門性がそれほどない病院が患者の転院先として不可欠となる。さらに言えば、専門性が高い病院だけが生き残り、他の専門性の高くない病院や中途半端な経営規模の中小病院が無くなるとすると、患者は必ずしも専門性を要求する病状でない方が多く、その患者がすべて生き残った専門性の高い病院に行けばどうなるか?

 皮肉なことに専門性の高い病院だけ生き残れば、その専門性を維持することは不可能となる。必ずしも専門性を要求する病状でない患者も他医院に行く選択肢がないのだから、どっと専門性の高い病院に集中する。専門病院はその専門性を活かせず効率は低下する。

 結局、どのようにシミュレーションしても専門性の高い病院はむしろ専門性の低い病院を必要とする状況となる。大学病院の前のごく普通の開業医院が繁盛している理由と同質だろう。常にスペシャリストはジェネラリストの存在を必要とする。経営効率の悪い郡部の病院が潰れる、あるいは廃院していく世になったが、その先はどうなるか?と言えば、患者が都市病院に集中することになる。どこの病院でも今でも限界に近い運営であるから、増える患者に対応するのは容易ではない。

 つまり専門性の高い病院が生き残ろうと思えば、皮肉なことにその病院の周りの専門性の低い病院の存在が不可欠となる。

Posted: 火 - 6月 6, 2006 at 11:53 午後         |


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