ランセットはなぜ政治的でなければならないか?
実際に毎週毎週来る号を見ると、最新臨床医学の記事や論文も掲載されているが、それ以上に世界情勢や世界の健康課題を読む度になんとも言えない気分になる...しかし、最近の世界35カ国でケリー支持であることや、英国ではブッシュ支持16%、ケリー支持53%で、ドイツではなんとケリー支持74%、ブッシュ支持10%の大きなギャップのあることも述べている。
そして大統領選の投票権は米国人だけしか持たないが、米国がなす良いことも、そして米国が起こす戦争も、米国以外の国々に多大な影響をもらす 本文を読むには下のRead
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この英国医学誌のランセットはとても政治的な雑誌である。米国のランセットと双璧をなすNew
England Journal of
Medicineは最近はほとんど読まない。何をもって医学的かということは難しいが、いわゆる医学的なランキング(インパクトファクター)からすると後者が高い。医学雑誌として読むなら圧倒的に私にはという条件が付くが、ランセットが面白い。なぜ医学誌がかくも政治的と言えば、臨床医学はつねに政治と密着して来たから。
政治は戦争を起こし、政治は内紛を起こし、天変地変から生じる天災を政治はより悲惨な人災へと変えることがある。そして、政治は戦争や紛争を止め、天災の被害を最小限に留めることもある。医学が傷病者を対象とするなら、どうしても政治的にならざるを得ない。だからランセットは政治的なのである。実に創刊は1823年から。
実際に毎週毎週来る号を見ると、最新臨床医学の記事や論文も掲載されているが、それ以上に世界情勢や世界の健康課題を読む度になんとも言えない気分になる。9月11日号には、チェチェンの難民のことが記載されていた。10年にわたる戦争で国内難民が26万人、隣国への難民が5万人余り。そしてチェチェンの難民は満足な医療サービスも安全すらも保障されていない。難民キャンプの7,8割の人々が戦争によって近親者を亡くしている。こういう調査した時点から2ヶ月以内に7,8パセーントの人が家族を失う経験をしている。耐えざる戦争内紛のストレスで3分の2以上の難民が精神的な障害を訴えている。
9月18日号では、エディトリアルでストレートに米国大統領選について論じていた。論調はもちろん反ブッシュである。が、ランセットも米国内世論調査でのブッシュ有利を述べていた。しかし、最近の世界35カ国でケリー支持であることや、英国ではブッシュ支持16%、ケリー支持53%で、ドイツではなんとケリー支持74%、ブッシュ支持10%の大きなギャップのあることも述べている。そして大統領選の投票権は米国人だけしか持たないが、米国がなす良いことも、そして米国が起こす戦争も、米国以外の国々に多大な影響をもらす。しかし、選挙権は米国人だけとも述べていた。
イラクの惨禍について、なぜ(米国内の)医療者がダンマリを決めているか、驚くに値する無関心さとも論じていた。911同時多発テロ後、米国のアフガニスタン攻撃の声を聞くやいなやアフガニスタン現地取材したのもランセットだった。結局、病気や事故で死ぬ数よりも、圧倒的に戦争や内戦で死ぬ人の数が多い。だから政治も扱わねばならぬというスタンスなんだろう。こういう視野の広い医学誌はランセット以外にないだろう。
Posted: 日 - 10月 3, 2004 at 01:12 午前
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