オバマの戦争


 オバマは、大統領就任前はパキスタン国内に潜むタリバンへの核攻撃もあり得るなどと勇ましいことを述べていた。...暗殺されたケネディの後を継いだジョンソン大統領は、対立候補を大差で破ったのだが、対立候補の共和党ゴールドウォーターが当時のベトナム戦争で核兵器の使用も辞さないと述べたのを取り上げ、彼が大統領になれば核戦争になると巧みにネガティブキャンペーンして大差で勝った。... ジョンソン大統領は、国内では黒人公民権運動を推し進め、低所得者用の公的医療保険制度メディケイドを創設した大統領だが、国外ではベトナム戦争を拡大した大統領としても有名で、むしろベトナム戦争拡大の張本人とされる。 私自身、ジョンソン大統領はベトナム戦争というイメージが強く、後年、公民権運動やメディケイドを調べてなぜあのジョンソンが(こんな進歩的なことをやるんだ)?

 今度の世界同時不況からいち早く脱出して世界経済を牽引するのは、多分、インドだろう。インドは世界最大の民主主義国家である。しかも、やがて近い将来に中国を人口規模でも抜く国である。途方もない潜在的な発展力を持った国だ。ただし、この発展には条件が付く。つまり、戦争や紛争がないと仮定してということ。パキスタンとともにインドは核保有国として、両国は常に緊張状態である。この印パ紛争を助長するのが他ならぬオバマの米国である。アフガニスタンへの陸路の補給線はパキスタン国内を通過する唯一の生命線である。

 アフガニスタンのタリバンへの圧力を米国が強めれば、当然、タリバン勢力はパキスタン国内の補給線を攻撃する(現実には既にタリバンが補給線を抑えつつある)。米国の特殊部隊はアフガニスタンから越境してパキスタン国内のタリバンへ攻撃を加えており、パキスタン政府は主権の問題として抗議し、かつ米国ヘリコプターへのパキスタン軍の銃撃が偶発的に起きている。パキスタンへ米国が不用意に圧力をかければ、パキスタン政府は一挙に不安定化し、国内の急進的な勢力を抑える力を失い、インドとテロ紛争が多発する危険性が高い。

 オバマは、大統領就任前はパキスタン国内に潜むタリバンへの核攻撃もあり得るなどと勇ましいことを述べていた。勿論、これはプロパガンダだろう。しかし選挙用のプロパガンダとしてもオバマの国際感覚の欠如を示すものだろうか。おそらく、オバマは大統領に就任してスタッフとのブリーフィングで現実の複雑さを痛感していることだろう。

 オバマは理想が高いし、米国民もオバマの理想追求を欲しているだろう。しかし、オバマはチェンジと言いつつ、具体的なビジョンは何も描いていない。特に、国際的にどういう方向性なのか示してない。ただ単に一国主義を捨てると言っているだけである。唯一明らかなのは、イラクからアフガニスタンに戦力を回すというだけで、戦争を止めるとは言ってない。むしろ、アフガニスタン戦争をまたやるんだと言っている。平和主義でもなんでもない。

 米国の民主党のリンドン・ジョンソン大統領を見ると暗澹とする。暗殺されたケネディの後を継いだジョンソン大統領は、対立候補を大差で破ったのだが、対立候補の共和党ゴールドウォーターが当時のベトナム戦争で核兵器の使用も辞さないと述べたのを取り上げ、彼が大統領になれば核戦争になると巧みにネガティブキャンペーンして大差で勝った。オバマと同様に、大統領就任式にはワシントンには平和が来ると大群衆が集まったのである。

 ジョンソン大統領は、国内では黒人公民権運動を推し進め、低所得者用の公的医療保険制度メディケイドを創設した大統領だが、国外ではベトナム戦争を拡大した大統領としても有名で、むしろベトナム戦争拡大の張本人とされる。私自身、ジョンソン大統領はベトナム戦争というイメージが強く、後年、公民権運動やメディケイドを調べてなぜあのジョンソンが(こんな進歩的なことをやるんだ)?と不思議に思ったくらいイメージが悪い大統領である。

 そんな前例があるが、オバマはジョンソンのように(戦争拡大大統領に)はならないとは思いたいが、彼のアフガニスタン戦争は一歩間違えば、泥沼だろう。いやむしろもう泥沼に足を入れてしまっている。さらにズブズブと入っていくのか、踏みとどまり引き返すのか?で、世界は景気も含めて大きく変わる。オバマはアフガニスタンに深入りしないほうが良い。理想を貫けば、戦乱は激化する。

Posted: 金 - 1月 30, 2009 at 12:05 午前         |


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