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(1)ラベンダー
ハーブの女王と呼ばれていますが、私も異論ありません。これが一番好きです。草ではなく、小低木です。独特の強い芳香もさることながら、線状の淡緑や銀緑の葉・茎の中に浮き上がるように咲く濃紫の花は夢のような美しさです。色々なラベンダーをトライしましたが、仙台では、残念ながら最も花が美しいイングリッシュ(スパイカ)系(トゥルー・ラベンダー)が難しいです。夏期に根の蒸れから枯らしてしまうことが多く、初心者にはおすすめできません。夏期に極力水をやらないのが最も重用です。乾燥にとても強いハーブで、夏期に枯れたら水のやり過ぎと思って間違いありません。初心者の頃は、植物が弱り出すと「水が足りないのでは?」「肥料が足りないのでは?」と思ってしまいがちですが、ほとんどの場合根が弱っているのが原因で、ここに水,肥料を与えるのは、とどめをさすことになります(でも最初は水や肥料をやっちゃうんだよねえ。私見では、肥料不足で植物が枯れることはまずありません。やりすぎると確実に枯れます。)。滅多にありませんが、ごく稀にラベンダーが水切れサインを出すこともあり、葉が(若い内は茎も)いわゆる「しおれた」感じになります。これと異なり、枯れかけの場合は葉のボリュームが失われ、縮み上がるように変色していきます。この場合は、根に何らかのダメージが生じたと考えるべきで、たいがい何をやっても復活しません。水切れと思われる場合でも急を要することはまずなく、高温時,炎天下では避ける等、水遣りのタイミングをよく考える必要があります。

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イングリッシュ系の「ブルー・マウンテン」。(2002)

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「ヒドコート」。花色濃く美しいラベンダーで、イングリッシュ系の代名詞と言えるのではないでしょうか。もう1枚はデンタータ(キレハ)系の「スーパー・サファイア・ブルー」。(2003)

鉢植えにする場合は、プラスチック製のものは通気性が悪く根が蒸れやすくなり厳禁です。木製のものか、素焼きにして下さい。通気性で優る前者を強くおすすめします。ラベンダーに限らずハーブの苗は小さいですが、ほとんどがかなり大きく育ちます。鉢は大きすぎると思えるくらい大きいものを選ぶのが上手に長く育てるコツです。用土は「ハーブ用」をうたって売られているものがありますが、高価で、普通の園芸用土で十分と考えます。特にハーブ用土として売られているものが、根腐れを起こしにくいかというと違うと思います。基本は水やりと鉢です。イングリッシュ系は仙台では梅雨の蒸し暑い時期に花が終わりますが、この時期最も過酷な状況にありますので、剪定はできるだけ涼しくなるまでガマンするのが無難と思います(この時期の剪定後に枯らしてしまったことが少なくありません)。

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フレンチ系の「天使の翼」。白い苞が特徴です。(2002)

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ラバンジン系の「スーパー・セビリアン・ブルー」。私が知る限り、最も強健です。(2002)

他、ラベンダーは石灰質を好みますので、私は排水性の向上と合わせ鉢底に軽石を多めにしきます。また、年に何回か肥料代わりに苦土石灰を与えています(茂り過ぎて風通しが悪くなってしまうため、原則肥料は与えていません)。耐寒性は非常に強く、問題になりません。仙台では、一年草と割り切って育てる(夏越しは考えず、毎年植替える)のも一つの考え方かも知れません。仙台で育てるラベンダーとしては、交配種のラバンジン系をおすすめします。耐寒・耐暑性ともに強く、今まで一本も枯らしていません(初心者でも大丈夫ということと思います)。イングリッシュ系に比べ大型(大味と言えるか)で、花が劣るのが難点です。好みにもよるかと思いますが花色が薄く、ラベンダーが最も美しく見える蕾の時期の見栄えが今一つです。フレンチ系(ストエカス・ラベンダー)はラベンダーとしては独特な趣きがありますが、仙台では越冬不能で、私は一年草と考えて時々植えます。スイート・ラベンダーはイングリッシュとフレンチの交配種ですが、仙台では越冬が難しいです。(2002/01/15)

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毎年ラベンダーが咲き出すと、大きな蜂(クマンバチ?)が花が終わってしまうまで毎日蜜を採りにやってきます。大きいのでちょっと怖いですが、蜜採りに忙しくて「人間なんか構っている暇はないよ」という感じ。(2002)


(2)ローズマリー
ラベンダーと並びよく知られ、最も人気のあるものの一つと思います。小低木で、名前は学名のRosmarinusに由来し、「海の露」という意味です。白やブルーの小花が、密集して株いっぱいに咲く様を表現したものと思いますが、洒落たネーミングだと思いませんか?立性のものと、匍匐性のものがありますが、私は立性のものの方が好きです。立性として購入したものでも、大きくなってみたら匍匐性だったということもありました。大きい株を買うのが間違いありませんが、高価です。花色は白,ピンク,ブルー,紫等がありますが、私は白が好みです。性質は前述のラベンダーと似ており、育て方もそれに準じます。ラベンダーに比べると強く、水やり等あまり神経質になる必要はありません。初心者に適したハーブと思います。耐寒性は強く、仙台ではほとんどが越冬します。ただ一つ、ブルー・ボーイという小型のものが越冬できませんでした。我が家では、もっぱらアンチョビのピザを作る時の臭み消しとして利用していますが、意外によく合います。多めに剪定した時はネットに入れて入浴剤にしたり、リース状にしてトイレの匂消しにしたりしています。香りは個性が強く、好き嫌いが分かれるかも知れません。(2002/01/16)

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白花のローズマリー。(2003)


(3)クリスマス・ローズ
ハーブとは言えないと思いますが、ハーブが好きで気にならない人は恐らくいないと思います。4,5年前はまだ一般的でなく、手に入れるのが難しかったですが、最近では人気が出てきて花屋の店頭でも見かけます。茶花としても用いられ始めているようです(素晴らしい!)。クリスマスの頃に咲くということでこの名がありますが、同時期に咲くのはニゲル(ニガー)という品種だけで、出回っているのはオリエンタリスという交配種です。オリエンタリスは仙台では3月に開花します。宿根草で、夏に休眠し、涼しくなると活動を初めます。通常と逆で、これを理解していないと失敗することになります。すなわち、夏期の水やりは控え、施肥もすべきではありません。夏に半日陰となる、西日の当たらない場所が植え場所として最適と思います。直根が長く伸びますので、鉢植えの場合は深くて大きめの鉢に植える必要があります。

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咲き始めの頃の白花。(2003)

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濃紫花と赤桃花。(2002 & 2003)

この花の魅力は何と言っても多様で上品な花色(花に見える部分は実は萼です。)ですが、これに劣らないのが新緑の美しさで、透き通るような淡緑色の若葉が花色をいっそう引き立てます。我が家には現在白,赤桃,濃紫のものがあります。去年、写真を見て一目惚れした「ピコティー」というアプリコット・カラーにピンクの覆輪が入るものを植えましたので、開花を楽しみにしています。私が育てたものはすべて開花が植えてから2年目で、これの開花も再来春なのでしょうか。葉は翌年の開花前にしおれてきますので、すべて根元から刈り取ります。この頃には新芽が出てきているのを確認できるはずです。こぼれ種でよく増え、我が家では鉢の周りの露地にたくさん生えています。ニゲルを一度トライしましたが、夏越しできませんでした。耐暑性が低いのかも知れません。見た目もオリエンタリスとは別物という印象でした。オリエンタリスならば、仙台で問題なく育ちます。耐寒性は強く、寒さは問題になりません。基本的に強健ですが、ウイルスが原因らしいと言われている葉が黒変する病気があります。詳しいことがわかっていないようで、私はこういう葉が出たら根元から刈り取っていました。これで対処できています。(2002/01/16)

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新緑に隠れた魅力があります。こぼれ種から発芽した双葉が沢山見えます。(2003)

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露地のものが鉢植えのものより早く開花します(2003)。

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「ピコティー」(2004)。


(4)ワイルド・ストロベリー
いわゆる野イチゴです。株も実も通常のイチゴより小さく、コンパクトです。花も清楚な白い小花で、野趣にあふれた佇まいを見せてくれます。こうした味わいは通常のイチゴからは得られないもので、控えめな存在なのですが、これがあると庭の雰囲気が確実に変わると思います。実は小振りですが、紛れもないイチゴの味がします。我が家にあるのはアレキサンドリアという種類(赤い普通の実をつけるものと、白実のものがあります。)のもののみですが、これには理由があります。多くのイチゴがランナーを旺盛に出し、ワイルド・ストロベリーも例外ではありませんが、アレキサンドリア種は全くランナーを出しません。植物にとっては勢力拡大をはかる重要な営みの一つなのですが、鑑賞用としては茂り過ぎて手入れが大変です。初夏から初秋までの長期に渡ってかなりの量の実をつけますが、5才になる息子の大好物のため、ほとんど全てが彼の胃袋の中に消えます。本当はジャム等作ってみたいのですが、かないません(;_;)。強健な宿根草で手もかからず、仙台で何の問題もなく育ちます。ストロベリー・ポットというイチゴ栽培専用の鉢がありますが、いかにもという感じで私はあまり好きではありません。(2002/01/17)

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ワイルド・ストロベリーの花。(2003)

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アレキサンドリア種の赤実と白実。(2002 & 2003)


(5)バジル
我が家で食用として育てる数少ないハーブの一つで、一年草です。苗を購入して植えるのが簡単ですが、発芽しやすく種からも比較的楽に育てられます。種から育てるには、室内でピートバンやジフィー・ポットを用いるのがよいでしょう。ハーブとしては異例の熱帯原産で寒さに弱く、春の植え付けは慌てずに、十分暖かくなってから行わないと凍えてしまいます。夏期に入ると旺盛に育ち、50〜60 cm程の大きさになります。乾燥に弱いので、水切れに注意が要ります。次々と花穂を出しますが、花が咲いてしまうと葉が硬くなってしまいますので、どんどん摘芯します。これは株をよく茂らせるためにも必要で、欠かせない作業です。2株もあれば、十分に収穫できると思います。秋には枯れてしまいますが、仙台では初秋まで収穫が可能です。イモムシが時々つきますが、葉が虫喰いとなって、黒い糞が葉や鉢の周りにありますのですぐにわかります。捕殺するのですが、敵もさるもの保護色となっている上に擬態しており(茎の上にピンと立って、枝のふりをしていたりします(^^;))、目を凝らしてもなかなか見つけられません。かなり強力にへばりついていますので、割り箸を使って捕るのがよいと思います。全部捕ったつもりでも残していることがあり、数日は観察したほうがよいと思います。我が家ではほとんどがピッツァ・マルゲリータ,トマトとモッツァレラ・チーズのサラダ用で、他にはスパゲッティに使います。保存用としてバジル・ペーストとする方法がありますが、必要ならばスーパー・マーケットで温室栽培のものが1年中買えます(^^;)(ただし高価)。保存の観点とは別に、バジル・ペーストのスパゲッティはなかなか美味です。大したものは作っていませんが、追々料理についても紹介できればと思っています。バジルと言えばスイート・バジルが一般的ですが、他に紫色のダーク・オパールや、レモン・バジル,シナモン・バジルなどがあります。(2002/01/21)

(6)ミント
多くの種類がありますが、おしなべて丈夫で耐寒性も強く、仙台で問題なく育ちます。宿根草で、やや日陰の湿った場所を好みます。手があまりかからず、初心者におすすめのハーブの一つですが、旺盛な生育が見方によっては難点と言えるかも知れません。地下茎やランナーを出してどんどん広がりますので、地植えの場合はある程度の広さがある専用のスペースがベストと思います。鉢植えにする場合は大きめのものに。ミントを育てる上での一番の楽しみは、何と言っても生葉を摘んでのティー・タイムです。市販の乾燥させた茶葉でしかミント・ティーをいれたことがない方は、是非自分で育てた生葉のものをトライしてみて下さい。もうあなたは生葉ミント・ティーの虜です(^o^)!初夏から初秋まで葉はどんどん茂りますので、欲しい時に欲しいだけ気軽に摘み取れます。花も可憐で美しいのですが、花が咲いてしまうと葉が茂らなくなるので、涙をのんで摘芯します。我が家では、スペアミントを地植えにしてあります。色々試しましたが、私も妻もこれが一番好きです。(2002/01/21)

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ブルー・キャット・ミントの花。(2005)


(7)サントリナ
一般にはあまりメジャーなハーブではないと思われますが、私のお気に入りの一つです。地中海沿岸原産のキク科小低木で、代表的な品種としてやや肉厚な銀葉のサントリナ・グレー,細い緑葉のサントリナ・グリーンがあります。光を放っているかのような輝かしい黄色の小花(グリーンの方がやや花色が淡いです)が、葉の中に浮き上がるように咲きます。防虫効果があるとされ、香りはいかにもという感じで芳香ではありません。サントリナの周りの植物に虫がつきにくいかというと、そんなことはない印象です(^^;)。グレー,グリーン両者ともに甲乙つけ難く魅力的なのですが、後者は耐寒性に劣り、仙台では露地での越冬はできません。軒下で越冬させたこともあるのですが、何とかという感じで葉の枯れも目立ち、その後は耐寒性の強いグレー中心としてあります。花つき(日当りがよくないと悪くなります)はグリーンの方がよいです。乾燥に非常に強いのですが、かといって水やりにも神経質になる必要はなく、夏期に枯らしたことはありません。枝が混みやすく、初夏の花後に刈込んで風通しをよくしてやります。このハーブの魅力は、庭に地中海の陽光のような乾いた明るさをもたらしてくれることにあると感じています。(2002/01/30)

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サントリナ・カマエキパリッススの花。(2002)

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サントリナ・グレーの花。(2003)


(8)カモミール
一年草のジャーマン・カモミール,多年草のローマン・カモミールが一般的ですが、黄花のダイヤーズ・カモミール(染料用)といった品種もあります。キク科のハーブで、初夏にノースポール(クリサンセマム・パルドサム)やマーガレットに似た花を咲かせますが、ノースーポールのものよりさらに小型です。葉,茎は線状で細く、一般的なキクのイメージとは異なり繊細な印象を受けます。リンゴに似た芳香がありますが、私見では青リンゴの香りがします(^o^)。花を利用して、お茶,入浴剤などとします。アズレンという消炎作用,抗潰瘍作用を有する成分が含まれており、医薬として広く使われています。具体的には、胃薬,点眼薬,含嗽剤,外用剤などとして使われています。「胃薬です。」と言われて青い細粒の薬を処方されたら、それはこのアズレンを主成分としたものです。ポピュラーなハーブの一つと思いますが、現在我が家の庭にはありません。アブラムシのつきがひどく、くじけてしまったからです(^^;)。オルトランで防除を試みるものの上手く行かず、アブラムシがついたり農薬を多用したものを利用する気にはなれませんでした。牛乳を霧吹きするとよいと何かで見ましたが、これも何だか試す気になれませんでした。風通しが悪いとつき易くなるようです。カモミールに適した安全で有効なアブラムシ対策を御存知の方がおられたら、ぜひお教え下さい!水やりは乾燥し過ぎない程度に。こぼれ種でよく増えます。(2002/03/05)

(9)ベルガモット(モナルダ)
北アメリカ原産のシソ科のハーブで、宿根草です。ベルガモット・オレンジという柑橘類に香りが似ているため、ベルガモットと呼ばれるようです。学名はモナルダ(由来は植物学者の名前らしい)といい、最近こちらに呼称を統一しようということらしいですが、私はベルガモットの方に馴染みがあり、語感も好きです。肥沃で湿った土地を好み、草丈は50 cm〜1 mとかなり大きくなります。鉢植えにする場合は大きい鉢が必要となります。花期は夏で、和名(タイマツバナ)のごとく松明が燃えているかのような独特な花を咲かせます。私も含めベルガモットが好きという方は、香りというよりは花そのものが好きな人が多いのではないでしょうか。原種の花色は赤ですが、白,ピンク,淡紫などもあります。蜜源植物で蜂や蝶をよく集めるとされますが、わが家ではラベンダーの方に人気があるようです(^^;)。長く伸びる茎の断面が四角形という特徴もあります。生長が速くて花期も長く、肥料切れに注意が要りますが、薄い液肥を時々与えれば十分と思います。日当り,風通しが悪いとウドン粉病が発生し易く、これが栽培上の唯一の注意点と言ってよいと思います。仙台で何の問題もなく育てられます。ミント類のように、冬期は地上部が枯れて地下茎で冬を越します。花,葉を使って、お茶とするのが一般的な利用法です。アールグレーという紅茶がありますが、これは紅茶をベルガモットで香り付けしたものです。(2002/03/07)

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ワイルド・ベルガモットの花。(2002 & 2004)


(10)タイム
ヨーロッパ原産で、シソ科の常緑小低木です。数10 cm程の高さに生長し、若い茎は柔らかいですが、徐々に木質化していきます。やや厚みのある細かい葉が密につき、初夏に淡桃色の小花が枝先につきます。全草にチモールという成分による強い芳香があります。タイムには多くの種類がありますが、大きく直立性のものと、匍匐性のものに分けることができます。前者の代表が地中海沿岸原産のコモン・タイムで、通常タイムというとこれを指します。後者の代表は北ヨーロッパ原産のクリーピング・タイムですが、風味がやや劣ります。代表的なキッチン・ハーブの一つで、肉料理の香り付け,臭み消しに用いられます。地中海沿岸に自生するハーブらしく、日照,乾燥した石灰質の土壌を好みます。 湿気に弱く、梅雨時に水をやり過ぎたりするとすぐに枯れてしまいます。ラベンダー等と同様、風通しのいい場所で、乾かして育てます。鉢土がいつも湿っているのはよくありません。収穫は基本的にいつでも可能です。耐寒性がありますが、仙台では露地のものは霜除けを施すのが無難と思います。我が家には、カンファー・タイム,キャット・タイムがあります。(2002/06/03)

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カンファー・タイムの花。(2002)


(11)セージ
地中海沿岸原産のシソ科の多年草です。葉はいわゆる銀葉で細かい毛が生えており、初夏に青紫色の花をつけます。他の地中海原産のハーブと同様、日照,乾燥,石灰質を好み、湿気が苦手です。イギリスには「長生きしたければ5月にセージを食べなさい」という諺があり、非常に薬効(具体的には殺菌,消化促進作用等)の高いハーブとされています。学名には「救う」という意味があります。セージを原料とした医薬を私は知りませんので、実際にどの程度の効果をもつのかは不明です。タイムと並び代表的なキッチン・ハーブの一つで、肉料理によく合い、その臭みを消し、消化も助けるとされているようです。ソーセージによく用いられており、その語源と言われています。香りはドライのもののほうが強くなります。セージは夏花壇の代表花のサルビアの仲間で、薬用サルビアとも呼ばれます。非常に多くの品種がありますが、見た目が似ているだけで、すべてに同じ効用があるわけではなく、性質やハーブとしての用途は様々です。上記特徴は、コモン・セージについてのものです。私はチェリー・セージが好きでいくつかの品種を植えていますが、芳香はあるものの、美しい花を楽しむための鑑賞用です。耐寒性は強く、仙台では露地で越冬可能です。コモン・セージとは異なり、水切れに弱いです。(2002/06/03)

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赤花チェリー・セージと、サーモン・ピンクの花を付ける「コーラル・ニンフ」(2002 & 2003)


(12)ソープワート
ヨーロッパ原産のナデシコ科多年草です。花が美しいハーブの一つとして知られており、私も花に魅力を感じます。花期は夏で、フルーティーな芳香を放つ淡いピンク色の花を咲かせます。一重咲きの他、八重咲きのものもあるようです。切り戻すと何度か花を楽しむことができます。草丈は80 cmと大型で、地下茎で旺盛に広がっていきます。広い専用のスペースで育てるのが理想と思いますが、狭目の庭では広がり過ぎたり、他の植物を駆逐したりしますので、大型の鉢で育てるのがよいかも知れません。小さな鉢では、すぐに根詰まりしてしまいます。全草にサポニンを多く含み、煮出して石鹸液としたことが名前の由来です。和名はサボン(シャボン)ソウといいます。根から出る分泌物に毒性があるようで、魚のいる池の側には植えてはいけないとされています。耐寒,耐暑性ともにあり、強健です。グランドカバー向けのロック・ソープワートという小型のものがありますが、花色等、ソープワート(officinalis)とはかなり印象が異なります。小型officinalisを想像して購入すると、がっかりするかも知れません。実は私もその口でした(^^;)。園芸店でも区別されずに売られていることがあり、確認した方がいいと思います。(2002/07/30)

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ソープワートの花。(2003 & 2004)


(13)スノードロップ
下向きにうつむいて咲く小さな花が、真っ白な耳飾りのように見えるというのが名の由来のようです。ヒガンバナ科ガランサス(Galanthus)属の総称としてスノードロップの名が用いられているようですが、和名「スノードロップ」は元々ニヴァリス(nivalis)種を指すようです。ヨーロッパ地中海沿岸原産の耐寒性秋植え球根で、植え付け時期は10月とされています。日本で出回っているのは専らエルウェシー(elwesii)種のようで、私はこれにしかお目にかかっていません。強健で日本の気候に合った品種と推測されます。仙台では2月に開花した後1か月弱もの間咲き続け、その名の如く清楚な佇まいを見せてくれます。草丈は5〜10 cm,花の大きさは1.5〜2 cmとかなりコンパクトで、見栄えはある程度群植したほうがします。暑さと乾燥を嫌い、半日陰で適宜灌水,マルチングを施して管理します。特に鉢植えとする場合には乾燥に注意が必要です。夏期を中心として乾燥を避けられれば、植えっぱなしで毎年花を咲かせてくれます。厳冬期にひっそりと咲くこの花には、実際にはまだまだ先の春を、遠からじと思わせてくれる生命力を感じます。名前と雰囲気が似た植物としてスノーフレークが引き合いに出されることが多いですが、こちらは属が異なり、花期も春です。花には独自の魅力がありますが、スノードロップとは異なりスズラン様です。(2004/01/25)

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雪の中から顔を出したスノードロップの花。(2004)

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蕾が開いた後の花姿。(2004)


(14)コーンフラワー
南欧東部〜西アジア原産のキク科一年草で、草丈は20〜90 cmになります。開花期は5〜7月で、比較的長く野趣に溢れた美しい花を楽しむことができます。一重咲きと八重咲きがありますが、日本では前者の花の形が矢車(鯉のぼりのてっぺんに付いているあれです)に似ているため、ヤグルマギクと呼ばれます。花色は鮮やかな群青色がその代名詞ですが、白,ピンク,薄紫等もあります。余談ですが、宝石サファイアはコーンフラワーの青が最高の色とされ、コーンフラワー・サファイアと呼ばれます。花色は乾燥させても色褪せず、ポプリ,ドライ・フラワーとして利用するのが一般的ですが、ハーブ・ティーや料理の彩りとしても用いられます。元々は麦畑に生える雑草で、その種が穀物に紛れ込んで世界中に広がったため、コーン(ムギ,トウモロコシ等の穀類を指します)フラワーと呼ばれます。通常は秋に直播きし、間引きをしながら丈夫な苗を越冬させます。耐寒性は比較的高いですが、厳寒地では春播きとします。こぼれ種でよく増え、痩せ地でもよく育ちます。コーンフラワー、いかがですか?あなたを乾いた緩やかな風の吹く南欧の麦畑へと誘います。ドイツ国花です。(2004/06/27)

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コーンフラワーの花。(2004)


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