きまぐれ観劇日誌

RENT '09 JAPAN TOUR
来日公演

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2009年8月30日(日) マチネ

ついにこの日が来てしまった。奇跡と言われたこの公演、最後と言われたこの公演…その最後の日だ。千秋楽だけのTシャツ販売、そして966人というかつてないブレイクスルーシート抽選会の参加数。何もかもが「最高」だ。
劇場に入ると、「ありがとう JONATHAN LARSON」の木彫りのプレートが展示されていた。由香さんのバックステージツアーのビデオでしか見たことのなかったこのプレートを最後に生で見ることができてとてもうれしかった。
そして劇場内へ。いつもと同じなのだけど、何かちがうような雰囲気。皆がそう思っている事だろう。早速限定Tシャツを着ている人ももちろん多い。
1階F列31番。以前に見た席と全く同じだ。サイドではあるものの悪くない席だ。
そして…始まってしまった。そう、始まってしまったと思った。終わりの始まりだ。盛大な拍手を浴びるAdamとAnthony。もちろんその拍手はなかなか鳴りやまなかった。
ようやくマークのセリフから始まる。そしてその後、なんだかどんどん進んでいくような印象だ。いつもの通りに進んでいるのに、なにか違う。もちろん観客の熱もすごいし拍手も声も大きい。しかしやっぱり、最後という事が違うものに感じさせているのだろう。目の前で演じられているはずなのに、それが現実でないような気さえした。
Christmas Bellsあたりでようやく現実に入れたような感じだった。 沢山の歌声が重なるこの曲、ひとつひとつの歌声が聞こえるような感じだった。そしてOver the Moonに突入。Moooooもおそらく日本でのRENT史上最高だったことだろう。
La Vie Bohemで手拍子して、そして一気に一幕は終わってしまった。 もちろん会場の拍手はすごかった。
2幕。Seasons of Loveが始まる。今までに何度も観て来たこのシンプルで濃厚なシーン、もう観れないかもしれないと思うと何とも言えない気持ちになってくる。手拍子はとにかく叩いたという感じだった。
本編スタート。千秋楽ならではのアドリブがあればうれしいものだが、モーリーン演じるニコレットがやってくれた。2幕で最初にジョアンヌと会ったところで取り出したのがポッキー。いいねぇ。お茶目なニコレットに似合った雰囲気。
そしてその後もどんどん歌が進んで行く。今日は各シーンで涙が流れることが無かった。これでいいのだろうか、もう最後かもしれないのに、自分は本当にRENTを隅々まで吸収しているのだろうかと後から思った。エンディングが近づくにつれ、いわば客観的な見方になってきたという雰囲気。一歩下がった位置から、最後をしっかりと観よう、最後を見ている自分を見守ろうという雰囲気。
終わった。It's over。

とにかく拍手をした。それしかできなかった。いつもなら声を出したりするのだけど、それもできなかった。初日と同様にSeasons of Loveが歌われ、カーテンコールが続き…その間、できた事はひたすら拍手だった。

Thank you! Jonathan!
ありがとう! '09 Tour Company!!


2009年8月29日(土) ソワレ

1階R列28番。今までで最も後ろの席だ。
やっぱり迫力は前方席には劣るものの、それでも決して迫力が無いわけではない。音のバランス的にはなかなかいい感じでもある。
心配だったAdam、今回は全然不安な感じは無く、安心して楽しむことができた。
そして後方で楽しめるのが逆光の演出。特にContact、エンジェルの陰がステージから2階席に延びる。この光がとても美しい。ラストシーンでミミが見たのもこのような光なのだろうか…なんて思ってしまう。
Adam、いろいろお疲れという話を聞きちょっと心配だったが、今回はそのような雰囲気を感じることはなく、いつものAdamらしい見事な声を楽しませてくれた。2幕でのチューニングシーンでギターの音がちょっとおかしかったのが残念。
ラスト、「ミミ!」の声がものすごく感情がこもっていて、これは涙を流さずには聴く事ができなかった。

エンディング。終わると同時に総スタンディング。最後にバンド演奏はあるがカーテンコールは無し。さて、明日はどうなるだろうか。

2009年8月22日(土) マチネ

どうせ外れるだろうと思ってトライしたブレイクスルーシートに当選。最後の1枚、214番だった。連日20倍を超える高倍率の中、一度は当たりたいとは思っていたものの、やっぱり当たると嬉しい。
ということで1階A列27番。最後だったからか、センターブロックのサイド。
先日は2列目で観劇したが、やっぱり舞台までに遮るものがないというのは最高だ。ほんとに目の前で役者が歌い、生の声が聞こえてくる。Light My Candleなんか、こんな間近でセクシーなミミを見てもいいの?と思ってしまうほど。キャンドルを吹き消す時に飛び散るロウまでもが見えた。
上手側ではやっぱり照明がいい。One Song Gloryでの逆光の美しさをまた味わう事ができた。ただちょっとAdamの声がお疲れ気味だったかな。それでもあれだけの声を出しているのだからすごい。というかちょっと不安だった。
そして Today 4 U 。これまた目の前でダイナミックに踊るエンジェル。すごい。キレのあるエンジェルのダンスだが、その迫力も最高。

好きなChristmas Bells, まずはHonest Livingのシーン、上手側からライトアップされるが、その陰が下手側舞台壁に大きな陰となって映っている。まるでキャッツのミストのシーンで歌うタガーのようで面白かった。そして後半、様々な役者が様々な歌詞を歌うあたりが好きだ。これがほんといい迫力だった。
Contact、由香さんの早替えもしっかりチェック。またこのダンスもすごい。プリンシパル陣はほとんど見ないでこのダンスばかり見てしまった。
そしてラスト。ほんと目の前で、机の上でミミが起き上がる瞬間。一気に涙が出てきた。
最後にキャストの挨拶。ミミ役のLexiと目が合うとウインクしてくれた。
一気に終わってしまった最前列。できればもう一度…とも思うが、それは無理だろうなぁ。

2009年8月15日(土) ソワレ

1階5列31番。サイドブロックだが、上手側の奥がぎりぎり見える席。これよりも外側だと見切れが生じてしまう。しかし演出上、見切れは問題にならないだろう。
今回、初のサイドブロックからの観劇になったが、これが良かった。
サイド、特に前方サイドからの観劇は、反対側サイドからの逆光の美しさを味わうことができる。今回、One Song Gloryがまさにそのパターンだった。光を浴びて歌うロジャーがすごく綺麗だった。
そしてこのあたりのサイドの醍醐味のもうひとつがエンジェルの登場シーンだろう。ピンクのバックライトを浴びながら登場する姿というのもまた美しい。これも存分に楽しむことができた。
そのエンジェル、面白いのがChristmas Bellsでの「No, No, …」の、最後の「No!」。初演では気に入らない(?)デザインを魅せられて拒否する格好で笑わせてくれたけど、今日はそれにも増してその商品に唾を履くという暴挙。それに対してあからさまに嫌そうな顔をするグウェン。服についた唾を払うような仕草。面白いねぇ。
そして今回、たまたま隣りに座られた方が高良さんのお知り合いという事で、ついつい高良さんのダンスを追いかけてしまった。ほんとにキレがあり、観ていて楽しいダンスだ。すごいよ、高良さん。

あっという間にエンディング。もちろんエンディングと共に総スタンディング。このスタンディングのタイミングと積極性もまた今回の公演の公演の素晴らしさが素直に表現されているという事だろう。感動した、立つ、そのタイミングが気持ちいい。

2009年8月14日(金) マチネ

今日はマチネ。実はこの回を購入したときは平日マチネにアンダースタディーが出演することを狙ってみたのだが、やっぱり今回のツアーはアダム&アンソニーが目玉。そう簡単にアンダースタディーというわけにもいかないだろう。ということで今回ももちろんアダム&アンソニー。1階F列21番。ど真ん中のいい席。
オープニング直前の静寂。なんとなくRENTっぽくない静寂。しかしバンドの登場で拍手。そこからは一気に興奮が高まる。この感覚がいい感じだ。アダムが、アンソニーが、そして始まった。どまんなかだけあって音がすごくいい。大音響の中にまさに包まれているような感じだった。
残念だったのがサウンドのトラブル。モーリーンのパフォーマンスで「Virtual life」の部分でディレイがかからなかった。それに合わせてニコレットがウインクの演技をするのが面白いのにすごく残念だ。ちなみにディレイが無くてもニコレットはウインクをしていた。
そのニコレット、そしてジョアンヌのハニーファ、この2人の Take Me Or Leave Me がものすごくパワフルに聞こえたのはこの席のためという事もあるのだろうか。とにかくすごい迫力だった。
そして今回つい目が行ってしまうのが高良さん。ダンスがピシッと決まっていて綺麗。RENTって歌がメインだとは思っていたけど、ダンスもこんなに面白かったんだとあらためて気付かせてくれた。

盛り上がりはどんどん増すような感じだ。千秋楽にはどんなことになってしまうのだろうか…。


2009年8月8日(土) ソワレ

2回目の観劇はB列18番。2列目、どまんなかではないものの結構中央よりですごくいい席。こんな席で見られるのは今回の公演ではこの公演だけだ。ブレイクスルーに当選しない限り…。

ミュージシャンが登場し、緊張が高まる。舞台上手に注目。アダムが出て来た。すぐさま声をかけて拍手。もちろん劇場も拍手に包まれる。そしてアンソニー。ここでも拍手。そのアンソニーの最初の立ち位置が目の前。拍手も納まり、アンソニーが最初のセリフを言う。その声はマイクを通すことなくダイレクトに聞こえてくる。すげー、感動。というか緊張。
そしてタイトルソング、RENT。目の前で役者が歌ってくれる。そして目まぐるしく役者が動く。どこを観ていいのかわからないとは思いつつ、そんな感覚が最高だった。
そしてこの席ならではの発見があった。Light My Candleの次のVoice Mail #2のシーン。これは上手側でスポットライトに照らされた役者がマイクに向かって喋る。しかしその間、下手側では暗闇の中、ジョアンヌがモーリーンのパフォーマンスのためのオーディオ装置をいろいろいじっている。これは今までにもあったのだろうか、今まで全く気付かなかった。目の前だからこそわかった。ちなみにそのシーンから Tango: Maureen までの間には Today 4 U 等もあるので、ほんとにジョアンヌは真っ暗な中に出て来て、真っ暗な中、引っ込んでしまう。
もうひとつこの列で面白かったのが、 Sante Fe だ。ちょっと地味な歌ではあるが、アンサンブル達がダンスを繰り広げる。これだけ前方で観ると、そのダンスがすごくダイナミックに見える。今までとはかなり違って見えた Santa Fe だった。

この距離からだとそれぞれの役者の表情までもがよく見える。そんな中でも今回話題なのがモーリーンだ。パフォーマンスの途中でのウインクの演技。こりゃいいアイデアだね。すごい。モーリーンといえばダイナミックレンジの広い(?)性格。それをしっかりと表情で伝えてくれるのが楽しい。もちろん歌声もパワフル。聞いていて気持ちがいい。
そしてベニー。どちらかと言えば固いようなイメージがあったが、今回の公演でそれがひっくり返った。マークが撮るカメラの前でおちゃらけた顔をするベニー。なんかそれだけで印象が変わる。すれ違いはあるものの、やっぱり仲間なんだなぁ…とあらためて認識。

さて、今後はどんな発見があるだろうか。楽しみだ。

2009年8月7日(金) ソワレ

アダム・パスカルとアンソニー・ラップ。なんと言っても今回の来日の目玉はこのキャストだ。そしてその初日。盛り上がらないわけがない。
8月7日19時。その瞬間がやってきた。緊張感が高まる劇場に、まずアダムが登場。大きな拍手と完成。そしてアンソニー。まずブレイクスルー・シートに当選した最前列の観客が立ち上がり、そしてほぼ総立ち。初日に集まった観客はこの2人の登場の瞬間を盛大な拍手と完成、そしてスタンディングという最大の賛辞で歓迎した。今までにもRENT来日公演はあったが、その中でも歴史的な公演が始まった瞬間と言っても過言ではないだろう。

そしてアンソニー演じるマークが動きはじめ、劇場内は一気に静まる。いつもの語りから始まり、アダム演じるロジャーのギターのチューニング。そしてタイトルソング、RENTが始まる。
最高の瞬間だった。

アンソニー・ラップ、自分が見るのはおそらくガラ・コンサートでゲストとして出演された時以来ではないかと思う。さすがにマークとしては若干年齢を感じさせないこともない。しかし始まってしまえば関係なかった。そこにいるのは紛れも無いマークだった。アダム・パスカル、歌声が最高だった。作品の中でも実際に歌を作っている存在ではあるが、そんな役にぴったりとあった歌声だ。とにかく最高のロジャーを聴かせてくれた。

他のキャストもほんとに素晴らしい。そして今回なかなか嬉しかったのがエンジェルを演じるジャスティンのリズム。You Okay Honey?の前でポリバケツを叩くリズムからして綺麗だったが、Today 4 Uでもきっちりと正確なリズムを刻んでくれていて、聞いていて、見ていて、気持ち良かった。

他のキャストもほんと素晴らしかったが、まだまだ公演は続く。それぞれの公演で書くことにしようか。とにかく今回の公演は素晴らしかった。今までに見てきた公演…初期の日本語版公演、そして今までの来日公演、東宝版の日本語公演… それらの中でも最高のRENTだった。これがRENTか、そう思わせられる舞台だった。

カーテンコール。おそらくキャスト達は出る予定は無かったのだろう。しかし観客の拍手は鳴り止まない。そんなファンの熱意にキャスト達が負けたといったところだろうか、自分達の荷物を持ったまま、様々なキャストらが舞台に戻って来てくれた。手を振り、握手をし、熱いひとときだった。そして少ししてから唯一の日本人キャスト、高良さんも戻って来てくれた。これにはほんとに大きな拍手が沸き起こった。手を降り、投げキスを繰り返していた。高良さんを初めて見たのは映画「ブロードウェイ・ブロードウェイ」だったが、まさかそこに出演していたキャストを生で、そして日本凱旋を祝福できるとは思っていなかった。素晴らしい感動をありがとう。

本当に、最高のRENTだった。