GHETTO @川崎市アートセンター アルテリオ小劇場
2009年10月4日(土) ソワレ
空間製作者制作のミュージカル。
知人が出演しているということで当日券で観劇。自由席なので4列目くらいのセンターブロックを選択。
まずいきなりパワーのある歌。こりゃすごいぞ。多くの出演者がいるが、皆しっかり歌える人でなかなか好感。そしてストーリーに入る。主役、市川ゲルダの透き通った声がなかなかいい。
しかし中盤から歌が少なくなってしまったのが残念だ。ほとんどストレートプレイのよう。これだけ歌える人をそろえているのにもったいない。
そして何度も繰り返される暗転。これは舞台装置の都合上仕方ないかもしれないけど、ちょっと食傷気味。
終盤の劇中劇から思い出したかのように歌が歌われる。しかしこれも劇中劇の中での歌だ。なんかもったいない。
しかしラスト。最後の一曲で涙が出た。劇中に何度も歌われた歌ではあるが、きれいなメロディーのいい歌だ。これを最後に歌ってくれたことはうれしかった。
残念だったのが、パンフレットに書かれていた「どちらかというとあとがきにかえて」のメッセージだ。「芸術は暇つぶしでしかない」という言葉。災害の中、目の前で死んでいく人を芸術で助ける事はできない…というような事を言いたかったのではあろうが、そこから「暇つぶし」とまで飛躍して表現するのはどうだろうか。舞台を愛する人としてはとても残念な表現だ。本当に「暇つぶし」で舞台を作っているのであれば、そんな舞台は観たくない。
スペリング・ビー @銀河劇場
2009年7月31日(土) ソワレ
当日券。1階I列7番。どんな作品なんだか全く知らなかったけど、なんだか面白そうなので観ることに。
なかなか楽しい作品だった。表面的なストーリーはごくシンプルでありながら、その中に様々なものが描かれている。そしてそれを、実力派ミュージカル俳優と、ミュージカルは初めてという役者と、そして観客の中から参加した普通の人が演じる。そんな舞台の特殊性から来る笑いを楽しみながらも、実力派の見事な歌声も楽しめる舞台だった。
やはり見事だったのはオリーブ演じる新妻聖子ちゃん。弱々しい小学生が可愛らしくて良かった。もちろん歌声は素晴らしい。The I Love You Songでは涙が出た。ロナ役の安寿ミラ、深みのある声。歌が少ないのが残念。ロナ役では要所要所で笑わせてくれながら、オリーブの母親役のシーンでは素晴らしい歌声で泣かせてくれた。ミッチ役の今井清隆、最初はすごい役だなぁとは思ったけれど、持ち前の豊かな声量をしっかり披露してくれるナンバーもあり見事。チップ役の坂元健児、これまた持ち前の声量と、そして実はコメディーも得意だと言わんばかりの演技で笑わせてくれた。マーシー役の風花舞、これまた似合ってるね。役での実力が、歌の実力でしっかり表現されていて気持ちいい。
役者陣では、ウィリアム役の藤井隆、それなりにクセのある演技で、まぁこういう作品であればそのクセもまた活きてくる。リーフ役の梶原善、はっきり言って歌はうまくないが、そんな雰囲気の役だからOK。ローゲン役の高田聖子、これまたいい雰囲気。歌はほんとに沢山あるけど、それなりにいい感じ。
楽しい舞台だった。終演後のトークショーで知ったが、一般観客参加者が正解するか否かが予想外に動く事もあるらしい。これもまた生の舞台ならではの楽しさを増しているのかもしれない。
DOWNTOWN FOLLIES @青山円形劇場
2009年4月11日(土) ソワレ
Fブロック33番。一番端のブロックで、役者が舞台の最前に立つと斜め後ろから観るようになる席。
最近ちょっとマンネリ気味でもあるが、今回は結構変わっているような雰囲気だ。女性キャストが変わったことが大きいだろう。
まずはいつものお決まりオープニング。そして服部+笠置メドレー。いやぁ、香寿さんの歌声がすごくいい。歌のショーとしても十分に楽しめるクオリティーの高さが見事。そして DTFと言えば笑い。落語までもってきた。その後の「妻殺し…」ではちょっとスローテンポなセリフに眠くなってしまった。
そして、有名姉妹。そう来たか。このコーナーは今まで通りモンローでもいいかとは思ったけど、やっぱりそれとトクホンは北村さんのために今回は封印なのかな。もちろんこれはこれで面白かった。
そしてコーラス・グループ・メドレー、いやぁ楽しい。ギャグを取り混ぜながらもしっかりと聴かせてくれる。そしてそのコーラスがまた美しい。DTFの醍醐味をしっかりと楽しませてくれた。
定番のカーネルサンダースと準教授、のりお君もしっかり登場してくれるのがうれしい。
今回も、歌穂さんの多彩な歌声、玉野さんの楽しいタップ、そして吉野さん独特の甘い歌声、存分に楽しませてもらった。もちろんラストは今までどおり。これがまたうれしいね。歌穂さんに煽られる前に総スタンディング。
回転木馬 @銀河劇場
2009年3月28日(土) マチネ
1階O列35番。ホリプロから購入したのに後ろから2列目という席。まぁこの劇場は後方でも結構見やすいからいいか。幸い通路側なので視線を遮るものはない。
もちろん初観劇、ストーリーも何も知らなかった。かなり昔に東宝でやっていた頃のCMを見た記憶がある程度。
1幕。ストーリーは淡々と進み、大きく盛り上がるような歌もあまり無い。笹本ジュリー、玲奈ちゃんらしい聴きやすい歌声が好感。ほんとに歌がセリフになっている感じがする。見事。はいだキャリー、独特の歌声。自分はちょっとこういう声は苦手かな。でも高音になると結構豊かな声になり、さすが宝塚と感じる。
浦井ビリー、今までの王子様っぽいキャラとは全然違う役柄。でも違和感を感じることなく、なかなかいい雰囲気だった。歌声ももちろん文句なし。川崎ジガー、久しぶりに川崎麻世を観たが、これまた今までの川崎麻世のイメージと違っていた。しかしその演じっぷりは見事。もっと歌声が聴ければよかったのに。安奈ネッティー、ちょと不安定な歌声、雰囲気もいまひとつ。
2幕に入り、ストーリーは大きく動く。母親になった笹本ジュリーがまたなかなかいい雰囲気。ビリーが自分の子に想いを伝えるところでは涙がながれたものの、なにかもうひとつ盛り上がりがほしかったというのが正直なところ。え、ここで終わってしまうの…というのが最後の感想だった。
1幕ラスト、そして2幕ラストでの拍手も盛大とはいえない拍手だった。面白い題材なだけに、なんか残念。
マルグリット @赤坂ACTシアター
2009年2月14日(土) ソワレ
レ・ミゼのスタッフを前面に宣伝されたこの作品。とりあえず観ておきたい。しかし席はあまり良くなく1回U列35番。椿姫の翻案との事だが、椿姫のストーリーも知らないので事前知識はほとんど無し。舞台が第二次大戦の頃のフランスという事くらいしか知らなかった。
一幕は淡々とストーリーが進んで行くという雰囲気で、正直、少々眠くなってしまった。しかし音楽はとても面白い。歌う側としてはとても難しいことだろう。
タイトルロールを演じる春野寿美礼、まさにマルグリットの雰囲気だった。妖しい感じがなかなかいい。歌声もなかなかなもの…と思ったが、アルマン役の田代万里生とのデュオとなると、そのテノールには負けてしまっていた。それほどに田代アルマンのテノールは見事だった。ただもうちょっと演技に熱さが、マルグリットを愛する熱さがあれば…と思った。
そして二幕ではいろいろ動き出し、ストーリーに引き込まれていく。でも、なんというか、そのストーリーそのものにあるはずの緊迫感がなかなか伝わってこないような感じだった。何が足りないのか具体的にはわからない。音響とか照明とかかもしれない
とにかく音楽が面白かったし、田代アルマンのテノールが見事だった。ストーリーもドラマチックなのに、なんだかその表面だけを伝えられたような感じで終わってしまった気がした。ちょっと残念。もし別の席でもう一度観たら、かなり違う感想になるかもしれないだろう。
ドロウジー・シャペロン @日生劇場
2009年1月17日(土) ソワレ
A列32番。サイドブロックの最前列。オケピが結構広く取られているので最前でも結構全体を見渡しやすい。
ほとんど事前知識は無かったし、キャストも普通のミュージカルではない。客電が落ち…オープニングの前に小堺一機演じる「椅子の男」が喋り出す…これが長い。その椅子の男にライトが灯っても、まだ喋る。しかしこれがこのミュージカルだった。全体が劇中劇。ミュージカルが大好きな「椅子の男」が、大好きなミュージカル「ドロウジー・シャペロン」のレコードを聞きながら、そのひとつひとつのシーンを思い描く。そしてそれがなかなか面白かった。
その小堺一機、歌はほとんど無く、芝居もほとんど語るだけ。しかし特にラスト近く、結構しんみりした喋りがなかなか印象的だった。劇中劇のストーリーはかなり平坦ではあるが、この作品はそのストーリーを楽しむものではないだろう。コテコテのキャラが描くミュージカルという特殊な世界。それをミュージカルとして楽しばいい。そしてそれぞれのキャラが、それぞれの俳優(役者、芸人)の個性をそのまま表現しているのが面白い。川平慈英のネアカなキャラとタップ、なだぎ武のわざとらしくさえ思える濃いロバートがなかなか。テツandトモ、小松政夫、中村メイコらは、ひとつひとつの存在感は濃いものの、やはりストーリー的にそれほど重要な役ではないのが残念かな。
主役の藤原紀香、その長い手足を存分に披露。歌はこれといって特筆すべきものではないけど、まぁそれなりに歌えていたかな。飛行士役の浦島りんこ、出番が少ないのが残念。ラスト近くでなかなかパワフルな歌声を披露してくれたのが良かった。そしてタイトルロールである木の実ナナ、ベテランならではの歌声、その貫禄が見事。キャラ重視のこの作品の中で、しっかりと歌声で楽しませてくれたのがうれしい。
面白かった。楽しい作品だった。異色の作品ではあるが、こんなミュージカルを楽しむのもなかなかいい。