きまぐれ観劇日誌

歌舞伎・スーパー歌舞伎

児雷也豪傑譚話 @新橋演舞場
2005年11月26日(土) 夜の部

スーパーの付かない歌舞伎に初挑戦。とは言っても大胆な演出が面白そうという、ちょっと普通の歌舞伎とは違うところの期待もあるし、これが普通の歌舞伎と思っちゃいけないのかもしれない。まぁ理屈はいい。楽しめればいい。ということで、わからなかったなんて事が無いようにイヤホンガイドをレンタル。

さて一幕。やっぱり独特の喋り方に慣れていないからか、なんだか頭の中にストーリーが入ってこない感じだ。イヤホンガイドが邪魔しているのかもしれないが、おかげて助かったのも事実。なかなかいい。そしていきなり大蛇。なかなか面白いぞ。第二場。この幕の間でもいろいろ解説してくれた。これが無かったら第二場が谷底という事もわからなかったかもしれない。これでいわゆる「三すくみ」の伏線。蛇、蛙、なめくじの三すくみは知っていたがその強弱関係は失念していた。これも解説で、大蛇は蝦蟇より強く、蝦蟇は蛞蝓より強く、蛞蝓は大蛇より強いという事を復習。これはその後の展開でも重要なだけに有り難い。そして藤橋だんまりの場、三すくみが揃う。面白い。そしていきなり宙乗り。かっこいいねぇ。しかし、一幕でこんなに出してしまっていいの?と思ってしまう。二幕以降がすごく楽しみになる一幕だった。

そして二幕。音楽は四季にボレロ。どうやらこの場はちょっと違うようだ。いきなりわかりやすい言い回しになったと思ったらそれどころじゃない。お虎、お辰が出てからは爆笑。ハデな衣装に流行語。お辰の胸には「千穐楽」と書いてある(通常はハートマークのようだ)。バランスボールにインターネット、「かるくやばい」「フォー」って、そこまでやるか〜。まぁ、歌舞伎はそもそも庶民の楽しみ。「新しい事を大胆にやっていく」という事もまた伝統なのかもしれない。ただ、このような演出をこの場だけに凝縮させてあったのは良かった。だからこそ笑えたと思う。第二場では名刀の掛け合いが見事だった。

三幕。箱根熊手屋での感動的なシーンから地獄谷へ。火の粉四天のダイナミックな立ち回り、その奥では大小の和太鼓をはじめとする楽器が並び、生ならではの迫力あるサウンドが素晴らしい。特に和太鼓のパワーが重量感があっていい。児雷也が手にした浪切の剣はまさにライトセーバー。かっこいいし、観ていてすごく楽しい。そして大蛇丸の最期…と思いきや、大蛇丸に憑いていた妖蛇が浄化された。ここが早変わりで表現される。それほど大胆なシーンではないが、なるほど、このように物事を表現をするのか、と納得。そして幕。拍手止まず、スタンディングオベーション。そしてカーテンコール。

とにかく面白かった。見事だった。観終わってから気分が良かった。ぜひまた観たい。

スパー歌舞伎 ヤマトタケル @新橋演舞場
2005年3月27日(日) 昼の部

新・三国志が完結したから次は何だろうと思ったら、スーパー歌舞伎第一弾である「ヤマトタケル」だった。僕のスーパー歌舞伎初体験が「新・三国志」だから、もちろん「ヤマトタケル」は観ていない。さて、どんなものだろう…
当日券、1階6列21番。ほぼ中央の非常に見やすい席。当日券でこんな席が買えるとは思わなかった。
まず筋書きをざっと見ると、いつもの中国京劇陣の人数が少ない。そうか、初演時には京劇陣のアクロバットはなかったのか。スーパー歌舞伎のスーパー振りも、回を重ねる度にどんどんすごくなっているのであろう。なにはともあれ今年もすごいものが観れそうだぞ。
開演。あれ、台詞の言い回しがスーパー歌舞伎っぽくない。つまり、普通の芝居っぽくない。第一弾はこのようなものだったのかな。そして右近登場。いきなり言い回しが普通になった。歌舞伎っぽくないのかもしれないけれど、やっぱり聞きやすい。
まず小碓と大碓のシーン。双子の兄弟を一人二役でこなす。兄弟の立ち回りシーンでの見事な早変わりの連続。こんな一人二役は初めて観た。すごい。
そして熊襲との戦いでスーパー振りを発揮。新しく出来た宮殿をメチャメチャに破壊。迫力満点。すごいぜ!
さて、二幕からはなんだかストーリーのテンポが落ちたような感じだ。大きなアクションも少なく、ちょっと眠くなってしまった。三幕、火が燃えるシーンでは、もっともっとすごいアクロバットを観せてほしかったなぁ。すごいんだけど、今までに観てきた驚くような動きに比べると、ちょっとものたりない。伊吹山のシーンからまたダイナミックなスーパー歌舞伎ぶりを発揮。迫力あるシーンを見せてくれた。もちろん最後は宙乗り。なんだか、いいよね。
ラストのカーテンコール、ヤマトタケルと父が会い、感動のシーン。あぁ,このシーンがあって本当によかった。そう思う美しいシーンだった。

スーパー歌舞伎 新・三国志III 完結編 @新橋演舞場
2004年5月15日(土) 夜の部

「新・三国志」シリーズも、完結編の再演。つまり、おそらくこれがこのシリーズの最終公演になることだろう。
残念ながら猿之助が休演。だからか、、今回の公演が始まってから新橋演舞場に行って空席状況を確認したら、結構ある。当日券狙いとしては安心できるものの、ちょっと残念。そして予定通り当日券。開場30分前に購入したけど、なんと最前列が買えた。1階1列10番。花道にも近く迫力ありそう。
そして開演。いきなり群舞。旗が舞台から客席に突き出され、おぉっ。やっぱり最前列ならではの迫力はすごい。
そして段治郎登場。歌舞伎ならではの掛け声(って、スーパーのつかない歌舞伎って、まだ観た事ないけど)。猿之助とは全然違う雰囲気。まずは、若い。これだけで役そのもののイメージが大きく変わって感じる。やはり最初はちょっと違和感。なんだか「主役登場」という感じが最初はしなかった。でも、これはたぶんこれは猿之助のイメージが強かったためであり、もし今回の公演をもう一度観ればそんなイメージは無くなることだろう。
見どころのひとつ、本水。ちょっと今回は突然というか強引というか、本水のシーンのためのシーンという感じがしなくもない。でも、それがスーパー歌舞伎だろう。堂々たる三番煎じ、それを大胆にやってしまうところは、このシーンの(というかスーパー歌舞伎の)魅力によるものだろう。舞台もパーっと明るくなって轟音が響く。最高にスペクタクルなシーンだ。
もちろんストーリーも、完結編ならではの強いメッセージがある。三幕は涙無しには観られなかった。人間として、絶対に忘れたくないメッセージだ。
おまけだが、宗康の恋物語など、笑えるシーンもいろいろあったのが楽しい。終演後、伊予の手を取り照れ臭そうに笑う宗康。いいねぇ。一気に会場が和むシーンだ。
さて、来年はどんなスペクタクルが出てくることか。楽しみだ。期待しよう。



Home | Stage Top