認定指導施設になれませんでした

久しぶりの更新です。

最近の動向はほとんどtwitterで書いてしまうものですから、なかなかブログに手が出ません。
以前紹介しましたが、twitterは、パソコンからも、携帯からも、iPhoneからも更新でき、まさに思い立った瞬間に書けるため、ホットな話題が提供できます。外部表示ですが写真や動画、リンクも記述できるので、非常に便利です。

とはいえ、twitterは140字という制限があるため、長い文章はブログでということになります。
今日は久しぶりに長く書かなくてはいけない話題がありますので、少しおつきあいください。

さて、
日本航空医療学会という学会があります。
日本の航空医療関係者が集う組織で、僕も創設時からの会員です。
創設当時から、ヘリ救急をはじめとする航空医療の普及に力を注いでおり、以前ご紹介した
ドクターヘリ講習会もこの学会の主催です。
また、学会では、搭乗もしくは運航に関与する航空医療関係者の知識、技術を向上させ、もってわが国の航空医療の安全と充実を図ることを目的として、
認定制度を設けています。

実は、本年度の認定審査に、池友会救急搬送システム部と、僕個人は、それぞれこの制度の指定施設ならびに認定指導者を申請していましたが、先日その結果が判明し、どちらも認定されませんでした。

理由は、現行の日本航空医療学会認定規則第7章第12条第1項では、申請資格を「救命救急センター等第三次医療機関」としているが、ホワイトバードの運行形態が、「救命救急センター等第三次医療機関」該当しないと判定したからとのことでした。また、「今後、体制を整えられて再申請くださいますようお願い申し上げます。」と書き添えてありました。

厳正なる審査のうえでのことだと思いますので、結果は厳粛に受け止め、今後再度申請できるよう体制を整えるつもりですが、それにしても、ホワイトバードは、この、「救命救急センター等」ということばには何度も泣かされてきました。

上記の文章中、「救命救急センター等三次救急医療機関」とは「救命救急センターとそれ以外の三次医療機関の総称」と読めます。
そこで、今回の申請にあたり、三次救急医療機関とはなにかを、再度確認してみましたが、少なくとも法律上の定義は存在しませんでした。
一般に「三次医療機関=救命救急センター」と解釈されていますが、その法的根拠は存在しないといっていいかと思います。

三次医療機関についての公式な定義は、平成9年12月の「救急医療体制基本問題検討会報告書」にあり、この中で三次救急医療機関の要件として、以下の三つが挙げられています。

(1) 重篤な救急患者を、常に必ず受け入れることができる診療体制をとること。
(2)ICU、CCUを備え、24時間体制で重篤な患者に対し高度な治療が可能なこと。
(3) 医療従事者に対し、必要な研修を行うこと。

ホワイトバードは、医療法人財団池友会に属する四つの医療機関で共同運航を行い、その統轄部署として救急搬送システム部を置いています。
四病院の中には救命救急センターは存在しませんが、それぞれICU、CCUをもち、地域の中核病院として重症患者を24時間受け入れて、研修医・レジデント・看護師・救急救命士といった医療従事者に対する研修も行っています。その意味で、「救命救急センター等」の「等」に入ると考えての申請でしたが、見事にはじかれてしまいました。

同じようなことは他にもあります。

ご承知の通り、ホワイトバードはドクターヘリとして認められていません。
なぜ認められていないかというと、その理由は、実はあいまいです。

ドクターヘリの定義は、法律で決まっています。
救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法
の第二条に

この法律において「救急医療用ヘリコプター」とは、次の各号のいずれにも該当するヘリコプターをいう。
一  救急医療に必要な機器を装備し、及び医薬品を搭載していること。
二  救急医療に係る高度の医療を提供している病院の施設として、その敷地内その他の当該病院の医師が直ちに搭乗することのできる場所に配備されていること。

と記載され、これが法律上の定義です。
これだけ読めば、ホワイトバードも救急医療に必要な機器・医薬品は搭載していますし、医師が直ちに搭乗できる場所に配備してありますから、この点は「救急医療用ヘリコプター」の定義を満たすはずです。
問題は、「救急医療に係る高度の医療を提供している病院の施設として」の部分です。
少なくとも、池友会の四病院は、「救急医療に係る高度の医療を提供している」つもりです。

実はこの件、ホワイトバードの運航開始前に、当時の厚生労働省の担当官に質問したことがあります。
その答は「救急医療に係る高度の医療を提供している病院」とは、救命救急センターのことです。」
ということでした。
だったら最初からそう書いてあればわかりやすいのですが・・・

それなら池友会グループでも救命救急センターの認可を取ればいいではないかと思われるかもしれません。
確かに、施設やスタッフ、患者受入数は救命救急センターのスペックを十分満たしています。
しかし、そこでややこしいのが、救命救急センターは都道府県から指定を受けなくてはならず、しかも補助金が絡むため、無限に増やせないのが実情で、特に、福岡市内、北九州市内はこれ以上新規の救命救急センターができる可能性はほぼない、と非公式ですが県の関係者から伺っています。

そうなると、このままではホワイトバードは、永遠に航空医療学会の認定も受けられませんし、ドクターヘリにもなれないことになります。

もっとも、ホワイトバードは、資格や称号を得るためではなく、患者さんのために飛んでいるわけですから、そういった認定は得られなくても差し支えはないと言えば差し支えはないのですが、現状ではドクターヘリでないが故に、離発着場にかなり制限がかかっていることや、搭乗スタッフを育てるためには認定施設であったほうが有利なことは確かなので、いつか「救命救急センター等」の「等」に入れるように、「救急医療に係る高度の医療を提供している病院」と認められるように、頑張っていきたいと思います。

SANY0018

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