古本屋に行こう


ボクが子供の頃の古本屋と言えば、本好きの偏屈そうなオヂさんとか、すでにリタイアしたやはり本好きの初老の方とか、そう言う人が趣味でやっているようなところばかりで、当然、買い取った本がきちんと並べられることはなく、雑然とそこここに本が積み上げられているという感じでした。

 どうもここのところ古本屋巡りにはまっています。先日の日曜もしっかり古本屋をハシゴしてきました。今欲しいのは福井晴敏の「終戦のローレライ」もしくは「亡国のイージス」。ボクはミーハーですからね。実は映画も見たいです。古本屋2軒回った結果、さすがに「終戦のローレライ」はありませんでしたが、「亡国のイージス」を無事文庫上下巻とも手に入れることができました。いや、ほーんと嬉しかったです。古本屋で目当ての本が見つかったときの喜びはまた格別ですからね。

 しかし、古本屋というのも随分と変わりましたね。ボクが子供の頃の古本屋と言えば、本好きの偏屈そうなオヂさんとか、すでにリタイアしたやはり本好きの初老の方とか、そう言う人が趣味でやっているようなところばかりで、当然、買い取った本がきちんと並べられることはなく、雑然とそこここに本が積み上げられているという感じでした。店に入ると、「いらっしゃいませ」などと言われることはなく、それまで読んでいた本から面倒くさそうにチラリと目を上げ「コゾウ、俺の読書の邪魔をするんじゃねぇぞ」的な視線を投げかけて、また手元の本に目を落とす、そんな感じでした。でも、ボクは雑然と積み上げられた本が放つカビくさい匂いの混じった独特の雰囲気や、あちこち本をどけて見て回る宝探しのような本探しが大好きでした。お目当ての本を見つけた時には、ホントに宝物を見つけたような気持ちになりましたし、見つからなくても意外な本との出会いがあったりして、それはそれでやはり嬉しいものでした。それに何より、少ない小遣いの中から買わなくてはならない身としては、格段に安く本が手に入る古本屋はなくてはならないものだったのです。

 大人になった今では、どうしても古本屋でなければ、ということはなくなりましたし、別にきちんと普通の書店で買ってもいいのでしょうけど、やっぱりボクには古本屋の魅力の方が勝っているような気がします。ひとつには、やはり安いから気軽にちょいと気になっただけの本でも手を出すことができる、ということもありますが、ボクにとって今でも大きいのは、意外な本との出会いです。
 古本屋の品揃えは、あくまでも持ち込まれる本によって決まります。そういう受動的な仕入れのため、必ずしも探している本が手にはいるとは限りません。特に今売れ筋の本などは、ひとしきりピークが過ぎないと、例え入ったとしても少量ですぐに買われてしまい、なかなか手に入れることは出来ないでしょう。でも、その代わり同じ作家の初期の作品があるかもしれないですし、似通った名前の別作家の作品が気になってしまうこともあるでしょう。そういうところに意外な出会いが待っているんです。お目当ての本というのは、あくまでも本探しの入り口で、古本屋ではいつまでもそこにこだわっていても仕方ありません。その入り口から広げていって、思いもかけない作家の作品に出会う、ということが古本屋ならではの醍醐味なのですから。

 最近では、BOOK OFFに代表されるような大手の古本屋チェーンも増えてきていますし、古本屋に触れる機会も増えてきていると思います。もちろん、作家の印税のことを考えれば新刊本を買うのが筋なのでしょうけど、古本屋には単に新品だと高いものを安く手に入れる、というだけではない魅力があるのですから、それを楽しまない手はありません。是非皆さんも、機会を見て古本屋に足を踏み入れてみて下さいね。きっと新たな本との出会いがあるはずです。特に、旅行に行く際には、機内や滞在先のホテルでじっくりと本を読む時間もとれると思いますから、何冊か仕入れていて行くといいですよね。それと、ホテルによってはライブラリーを持っていて、そこに追加する日本語の本を必要としているところもありますから、読み終わった本を寄贈してもいいのではないでしょうか。そういうことも古本で買ったものだったら気軽にできますよね。寄贈するときには、扉ページの裏に「すごくいい本ですよ、楽しんで下さい」なんて一言書き込んでおいたら、その本を手にして読む方にも喜んでもらえるかもしれないですよね。そういうのってボクは素敵だなって思います。

 是非今度の週末には古本屋に足を運んでみて下さいね。

Posted: 火 - 3月 8, 2005 at 05:50 午後          


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