2001年7月、スウェーデンに行った折Goteborg(ヨーテボリ)という町でスウェーデンの誇る振り子高速列車、X2000の細部を見ることができました。

なお、Goteborgの綴りの最初の「o」はウムラウト(上に2つ点がつく)ですが、ネット環境では化ける可能性が高いため通常のoで表記します。

ヨーテボリは人口約45万人、スウェーデン第2の都市です。以前世界陸上をやったのでテレビで名を聞いた方もあると思います。人によっては「イェテボリ」と発音することもありますが、現地の人の発音を聞くと「ヨーテボゥ」と「ヨー」が強いように思えます。第2の都市といっても日本の感覚では信じられないほどこぢんまりとしており、目立った観光資源もないため静かな町です。どちらかというと工業都市で、ご存じボルボとカメラのハッセルブラッドの本社はここにあります(というか工業都市じゃん!)写真はスウェーデンの現役の駅としては最古の建物といわれる中央駅。駅はほぼ街の中心にあり、北欧随一の巨大アーケードモールNordstanも近いです。またスウェーデンでは数少ないトラム(路面電車)が町中を走り回っており、駅前にもひっきり間なしに発着しています。

中央駅の北側にある高さ86mの見晴らし塔(Goteborgs Utkiken)展望台から駅を望む。駅本屋の裏、頭端式ホームに通じるあたりのスペースは2001年夏現在大改装中。写真左に見えるのは客車区です。市街地はこの写真の右の方になります。

検修設備は駅から離れた所にあり、到着する際に車窓右側に見えます(マルメ方面から来ると見えない)。ここはX2000や客車が入る施設のようで、カマ関係はまた別の施設があるようです。行きはタクシーで行きました。帰りは歩きましたが、大体20分ほどでした。

事務所入口のタイムカードや連絡事項の紙を入れるラックの横にはBk747(1943年の刻印入り)、KE1212(1914)、Mg604(1944)、D594(1943)のプレートが掲げられています。パンタはRcのもの。

パンタの反対側に無造作に置かれていたX2000のノーズ。一応金属製のようで、へこむと板金が大変なのだそうです。いちいち直して使ってるんですね・・・

庫内には2編成が在線、他に検査中のバラが数両いました。左の編成は2003Fとでも言うのかな?反対側の動力車がX2 2003の7両口。こちら側の先頭車は客車のUB2X(Bは2等車、Aは1等車を表す)です。ここは見たところ日本で言う要検位までのレベルを担当するデポのようです。

運転台はこんな感じ。コンソール右のオレンジ色の物はずばりオレンジジュースの1リットルパック。専用のホルダーに入っています。それにも十分驚きますが、その隣、左右中央には何と電熱コンロが!紙コップのあるので多分コーヒー用だと思いますが・・・(他に何作るつもりだ?)
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X2形の正面形。現在ではひとくちにX2000といってもストックホルム―ヨーテボリ間(スウェーデンの東海道!)に運用される7両をはじめ6・5・4両の各バリエーションがあります。先頭動力車のX2形は計43両が製造されました。

X2000用の車輪。動力車用と客車用で想像以上に大きさが違うのに驚かされました・・・と書こうとして、動力車1,100mm、付随車用が880mmと日本と変わらないことに気づく。こんなもんすかね?付随車輪は内側ディスクブレーキです。


これはなかなか見られない!X2000の中間部分。台車がきれいなので台検が施行された車なのでしょう。写真はUB2FK形2等付随車ですが、この2858はオアスン海峡線開通に伴い25両が改造されたコペンハーゲン直通用のトップナンバー。スウェーデンは交流15000V16-2/3Hz、デンマークは交流25000V50Hzなので複電圧仕様ですね(付随車は関係ないですけど、引き通し等の関係で改造があったんでしょう)。「K」のサフィックスがデンマーク直通用を表します(コペンハーゲンのK?)「F」が何を意味するかが解らないんだよなあ・・・どなたかご存じの方ご教示下さい。

連結器のアップ。棒連ですね。

動力車の台車ディテール。見てのとおり台車装荷の電動機ですが、これで1個815kWの大出力を持っています。X2000は振り子列車ですが、動力車のX2形は振り子機構を持っていませんので通常のボギー台車です。大歯車側の車輪は踏面ブレーキ、反対側は車輪裏側ディスクブレーキと非対称の構成。左上写真、真ん中に伸びている棒が引張力伝達用?
付随台車に装備されているレール吸着ブレーキ。シーメンス製でした。

車軸を抜いたところ。軸箱を支持するシェブロンゴムが加重を失って伸びきっています。積層ゴムで軸箱を前後から抑えるこの方式は日本では最近のコンテナ貨車や路面電車等一部にしか採用されていませんが、スウェーデンはこれが大好き! 何でもかんでもシェブロンゴムです。前後方向に適当な柔らかさがあるので曲線通過性能に御利益があると言われていますが・・・

抜かれて整備を受ける動力車の車輪。シェブロンゴムが食いつくハの字形の軸箱部がよくわかります。最初庫内に入ったときはひっそりしていて、奥の方でこんな作業が行われているとは気がつきませんでした。それほど作業はひっそりと、静かに行われています。

車軸を抜いた部分のディテール。左下の枕バネ部分、写真ではわからないと思いますがなんと「TOYO TIRE&RUBBER CO LTD JAPAN」の文字が!

動力車の車内。ご覧のように機器がぎっしり。編成にすると同じ長さに見えますが、先頭車は17,397mmと7mも短いのです。

皆様お疲れさまでした。これでこのツアーは終わりです。最後にご覧頂くのはヨーテボリ随一の観光スポット、リラ埠頭に係留されている帆船Barken Viking(船内にレストラン等がある)と、後ろにそびえる冒頭に記した見晴らし塔です。

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