
ストックホルム観光に疲れてお茶したい時・・・路面電車で一服というのはいかがですか?
東京と同じく、1960年代後半に路線網が全廃されてしまったストックホルムの路面電車ですが、これも東京と同じく、市街地に1系統のみが残っています。東京と違うのは純粋な観光路線であるのと、いったん全廃された後に復活を遂げたことです。市街中心、北欧随一のNK(エンコー)デパートから近いNorrmalmstorgから観光客が訪れる野外博物館、スカンセンや遊園地グローナルンド・チボリのあるDjurgarden島(ユールゴーデン gardenの「a」は上に○がつく字です)までの循環路線である7系統が1991年6月2日、24年ぶりに復活を遂げ、春〜秋の間運行されています。この路線はスウェーデン各都市で使われていた旧型車両を集めた「路面電車博物館」ですが、もう一つ、珍しい車両が運行されていることで有名です。そう、車内でお茶できる"Cafe tram"があるのです。
Norrmalmstorgで発車を待つ"Cafe tram"。電車は大体5〜10分ヘッドで出ています。両端ともループ線なので在籍全車とも運転台は前位のみ。こちらは後部です。 屋根上にはコーヒーカップが載せられ、遠くからでも一目でわかります。限界に支障しないのか!? 当線在籍車両は当然のごとく電動車が主体ですが、このカフェトラムは付随車となっており(他にも数両いる模様)2両編成で運行されます。牽引車は特に限定されていないようですが管理人が訪れた2000年夏シーズンは“グローナルンド・チボリ”広告塗装ののA31形329号車(元ヨーテボリ市電M23形)が牽引していました。カフェトラムの618号車はストックホルム生え抜きのB31C形、1949年製で1996年に改造されました。前の車両は一般客が乗車します。後ろの建物前の道が市街のメインストリートで、右に行けばすぐにNKデパート、さらに進むと中心部のセルゲル広場、ストックホルム中央駅に至ります。 車内は全く改造されています。一般鉄道車両の食堂車と言っても通用するインテリアです。全体的に木の質感を生かした落ち着いた感じです。路面電車は市内乗り放題のフリーパス「ストックホルム・カード」で乗車できますが、このカフェトラムは乗車できません。料金は40クローナ(約520円)、ちょっと高いですが降りなければ何周でもOK。物価の高い北欧では普通にお茶してもそれほど安くは上げられませんので、それほど割高感はないでしょう。しかしこういった料金は向こうでは毎年のように値上げされるのでたまりません。行かれたときは各種ガイドブックに記載されている料金より高い!と怒らないように。
カフェカーの後位はこのようにサロン風の座席になっています。もちろん全席自由ですので空いていたら座って構いません。T車ですから音もなく動き出します。街並みを見ながら飲むコーヒーは格別です。 カウンター付近はこんな感じ。乗降口は片側2カ所、どちらから乗ってもかまいませんが席に着くと係の女性がチケットを売りに来ます。その時パンが載ったトレイを一緒に持ってきますので、好きな物を1つ、またコーヒーか紅茶をオーダーします。車外に出て写真を撮ったりしているとそろそろ発車時刻。先頭付近でダベっていた運転士が乗り込んだらこちらも乗りましょう。結局お客は我々2人だけ、貸し切り食堂車の出発です。
電車はビルを囲むようにしてループ線を回るとNybrovikenと呼ばれる入り江を望む道の専用軌道を走ります。対岸には高級ホテルが軒を連ね、ストックホルム周辺の群島(アーキペラゴといいます)巡りの観光船が停泊している光景を見ながらしばらく走るとタイトルカットの場所に出ます(タイトル写真の左側がNorrmalmstorg方)。ここがユールゴーデン島の入り口、電車は直角に曲がり緑豊かな島の中を進んでゆきます。右上写真の左側は北方民族博物館、その奥にはヴァーサ号博物館、右側には生物学博物館、さらにその奥、山の上にかけて野外博物館スカンセンが広がります。この島は現在でも王室の領地で、東京で言えば上野公園のような所。約1,000haの敷地に各種博物館や動物園、遊園地などが集まったストックホルムっ子のオアシスです。我々もすっかりいい気分。なんていい所なんでしょう・・・コーヒーや紅茶はなくなればつぎ足しに来てくれます。 ユールゴーデン島の一番賑やかなところを過ぎ、人気が無くなってくると終点方のループに到着です。Norrmalmstorg方は時計回りにループを回りますがこちらは反時計回りで一周、運転系統上の終点、Waldemarsudde停留所に停車します。ここでたいてい時間調整のため4〜5分停車、右側には再び海が広がり、一服にはいい所です。前述の通りカフェカーは何周乗っても構いませんので、落ち着いてお茶を飲んでいられます。起点が都心に近いので、買い物や市内見物に疲れたら「乗ってくか?」という使い方ができとても重宝します。ん〜今日は歩き疲れたし、あと何周するかな?
ただし!この電車、シーズン中でも土・日曜日しか動いてないのです。もしどうしても乗りたい場合はストックホルム滞在を土日に絡めるよう配慮が必要です。