15.7.2003 さらにディープな束草を楽しむ


市外バスターミナルから収復記念塔のロータリーに出て、メインストリートを400m程南下すると市場の入口。ここを右折して入っていくと、活気のある市場が底なし沼のように広がっている。海産物を中心として野菜、肉、朝鮮人参をはじめとした薬草類、キムチ、日用雑貨などなんでも揃う。


上の写真の右側、1階と地下に何軒もの店が連なる市場ビルで、その外周を囲むように露天の店が延々と・・・右はメインストリートから伸びる路地。
ウヒ〜、見るからに真っ赤っか!左はイカ、タコ、アミやカキなど海産物の塩辛で、下には「トンヘ(東海―日本海のこと)チョッカル(塩辛)」と書いてある。右は白菜、きゅうり、ニンニク(丸ごと!)など野菜を漬け込んだおなじみのスタイルのキムチ。
これまたでかいタコですこと・・・右は見る限りサバ、太刀魚、金目鯛、アジのような感じ。
ゲテモノの品揃えもおまかせ下さい!左はご覧の通り豚足、右はカタツムリというかタニシのような貝。



若い頃日本に住んでいらっしゃったとのことで、日本語が話せる姫順ハルモニに呼び止められ、いろいろ話を伺う。市場まで来たらぜひハルモニに会いに地下まで降りてみてください。


前述の通り、市場ビルは地下にも多くの店が入っている。こちらは鮮魚が中心で、どの店も生け簀にカレイをはじめとしてイカやタコなどがユラユラと泳いでいる。ほとんどは座席も用意されており、その場でさばいて刺身を食べられる食堂を兼ねている。確かにビルの地下という殺風景なロケーションで、階段を下りるとき薄暗くてちょっとおっかないが、これはこれで刺身横町では味わえない楽しみでもある。連泊したときには1度は訪れてみたい。ただし、夜は営業していないか、やっていてもほとんど売り尽くしていると思うので昼食をお勧めする。それにしてもこの市場、青森駅前の再開発で地下にデパートの地下に移った市場にクリソツ!

ここがパート3の終わりで紹介した、市外バスターミナルから続くチョルドキル(鉄道通り)が市場にぶつかる所の広場で、写真の向こう側が市外バスターミナルになる。元の東海北部線束草駅はここと市外バスターミナルの中間辺りにあったらしく、駅舎も1968年までは残っていたという。現在周辺の再開発事業が進行中のようで、建物が取り壊されたりしているが、もし東海北部線が束草まで復旧した場合は市街を大きく迂回するか地下線にでもしない限りここを通らざるを得ない。一応道になっているので線路はなんとか通せるとは思うが・・・市外バスターミナル周辺の宿から市場に来るにはこの道を通った方が早い。最初は寂しくて心細いが、400mも歩けばこの広場に着く。


表通り、国道7号線の街並みを見る。メインストリートは市場の横辺りから1km位続くが、どの店にも活気があり見ていて飽きない。「地球の歩き方」によれば束草の人口は約9万、日本では東松山市(約93,000人)、舞鶴市(約94,000人)と同じ規模だが両市とは比べ物にならない都会ぶり。江原道日本海沿岸の随一の都市である江陵が約23万人とのことだが、まるで勝負にならない賑やかさなのだ。


メインストリートの携帯ショップに貼ってあるペ・ヨンジュン氏のポスター。現在氏はLGグループのイメージキャラクターになっているので、街のそこかしこで見ることができる。ちなみに隣のポスターの右に写っている女性は映画「猟奇的な彼女」で有名なチョン・ジヒョン。

前述のように束草は韓国では有名なリゾート地なので、人口は少なくともソウルから直接最先端文化が入ってくるのだそうだ。通りに田舎町には不釣り合いなブティックが軒を並べるのも、裕福な観光客あってのことである。人口が3倍弱の江陵ではこういった光景は見られないし、人々のファッションも確かに洗練されている。田舎の港町の気どらなさと都会の匂いの奇妙な同居が束草市街の魅力である。



 大 浦




やって来ましたのは大浦。あちら読みで「テポ」というが、そう、あの「テポドン」の「テポ」である。もちろんここにはミサイル実験場はない。てゆーか韓国だし。日本でもそうだが、海沿いにはありがちな地名のようである。

大浦は刺身横町などと同じく束草では有名な食堂街だが、市街からは若干離れており、山を一つ越えた南側の集落になる。メインストリートから南へ向かう系統に乗り約15分ほど、料金は1人750W。真っ暗な夜道を走って急に賑やかな所に出るので、降りられるかどうか心配は無用。バス停や駐車場がある入り江の付け根から、先の方に向かって何軒もの飲食店・土産物屋が軒を連ねている。右側にはこれまた無数の屋台。


大浦にやってきたのはもちろん夕食をまた市街で食うのも芸が無かろうということで、再び狂宴を催すためである。しかし、ローテーションを読み違えたというか、まだアバイ村で得体の知れない麺を食べてからそれほど時間が経っていない。腹が減っていないのに加えて、ここでのコース料理は3〜4人で食べることが前提の量となっている。いくら安いと言っても、40,000〜50,000Wの料理を2人で食うわけにもいかない。ここが良かろうと入った一軒で、注文をしたはいいが同居人がやっぱり高いと言いだし、「帰る!」と席を立ちかけたが、そこは店の兄ちゃんの猛烈な引き留めにあい、結局メニュー通りではなくヒラメ、イカ、ホヤの単品だけということで話をつけた(上の写真)。しめて25,000Wだったが、これでもかなりのボリュームである。しかしこのヒラメ、左の水槽で泳いでいたのをその場で捕まえてさばいた物。店の兄ちゃんが出ていったのでいそいそついていったのだが、ストロボのチャージが終わる前に網でさっさとすくって持っていってしまった。左手前にはエイも泳いでるが、これも刺身にして食べるの?
腹一杯になって、バス停の方に戻ってきたが、屋台の天ぷらがうまそうだったのでついエビ×2とイモ×3天を買ってしまった。しめて4,000W。上はオカラなどの具をイカに詰めた韓国版イカめし、オジンオスンデ(オジンオ=イカ、スンデ=腸詰め)。


天ぷらを持って国道沿いの駐車場に戻ってきた。せっかくだから海に出て食うか・・・と、この辺は浜ではないので、駐車場の先端、テトラポッドの上に座って食うことにした。もちろんこの一帯も海岸には鉄条網が張り巡らされている。2000以降は外に出ることはできないが、1カ所だけ扉が開いている所があったので、そこから外に出た。真っ暗な海を見ながら油紙の袋に入った天ぷらを食べていると、目の前に共和国の工作員が「ヌッ」と上陸してきたら、我々はどうなるんだろうか・・・と、不安というかなんとも不思議な気持ちになってくる。今鉄条網の外にいる民間人は我々2人だけかもしれないのだ。いや、こんな広い範囲で、「ネズミ一匹漏らさぬ・・・」なんてできるはずがない。警備が回ってくるわけでもなし、重点警備区域でなければ意外に出られるものなのかな?

帰りもバスで帰ろうと思ったのだが、私がトイレに行っている間に行ってしまったようで、その後待てども一向に来ない。こちらのバス停には系統図や時刻表など一切ないので、すでに2130を回っており果たしてまだ来るものかどうかもわからない。というわけでバスは諦めて、タクシーに乗って帰ってきた。市外バスターミナルまで乗って4,400Wであった。