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束草は南北が対峙する最前線としてのほかに韓国有数のリゾート地という横顔を持ち、夏は高原での避暑に海水浴、冬はウインタースポーツと多くの観光客が押し寄せる観光拠点である。パート2ではこの街をベースに、共和国との軍事境界線に接し、名峰金剛山を望むことができる高城統一展望台を訪問する。 |
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14.7〜15.7.2003 束草泊―統一展望台訪問 |
| 朝鮮半島東岸、東海(日本海)といえば欠かせないのが新鮮な魚介類。いつも職安通りのその名もズバリ「東海」を指をくわえて通り過ぎるだけだった我々も、ぜひ格安の刺身を賞味したいところである。本日のディナーに国貞様が案内してくれたのはロシア・ザルビノや金剛山行きのフェリーが発着する岸壁のすぐ前にある海鮮料理レストラン「クンパダフェッチプ」(フェッチプとは刺身店という意味)。束草といえば市街中心の刺身横町が有名だが、さすが地元の方だけに穴場を知っていらっしゃる。ここが一番のお勧めとのことだが、時間が早いせいか広い店内にお客はまばら。 | ||||||||||
| まずとりあえずビールで乾杯と行きたいところだが、こちらでは食事の席でビールを飲むのはあまり一般的な習慣ではないそうで、普通はひたすら焼酎なのだという。これは日本人にはあまりに厳しいので、メニューにもあるし当然ビールを注文。小皿の付け合わせがどんどん出てきてあっという間にテーブルがいっぱいになる。もう置けないし、大体この量食いきれるのか・・・と不安になってくる。必死になって食べるが、追い打ちを欠けるようにいや〜来ました〜! カレイとマスの活き作りがド〜ンとまな板に載せられて出てくる。もう嬉しいんだか苦しいんだか・・・味付けには醤油で食べる日本風と、韓国らしくコチュジャンをつけてサンチュで巻いて食べる方法の2つがあり、コチュジャンはそんなもので食えるか!と思っていたのだが、試してみたら結構うまかった。皆さんもぜひお試しを。 | ||||||||||
| 前菜類。左上はワカメスープを中心にチヂミ、イモのもちフライ、ミックスベジタブルのマヨネーズあえサラダ、タラの卵の煮付け?などのつまみ、右上はプチプチする卵と味付け海苔、左下はボイルしたエビ・サザエ・赤貝、下はイカの刺身、右下が締めのメウンタン(タラが主体の辛い海鮮鍋)。 | ||||||||||
| もう食い切れん!という位の満腹で、最後のメウンタンは若干残しがちで店を後にした。ここで市街をちょっと案内してもらう。先程の店からさらに海岸沿いを進むと、市街の東北端に位置する灯台展望台に至る。ここは東海を一望のもとに見渡せるほか、海に突き出た海上展望台である霊琴亭などの名所が集まっており、海鮮料理店もこちらが本場。「○○フェッチプ」と書かれた看板が並ぶ。人通りも多く華やかな雰囲気が漂う。こういうのって、日本ではなかなかないよな・・・とにかく韓国は田舎でも夜が遅い。 |
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| 霊琴亭から南の海岸を見る。街の灯りが点々と続いているが、反対の北側は恐ろしいほど真っ暗。それもそのはず、もう共和国は目の前なのだ。到底写真には写らないので撮影は諦めたが、意外なことに海上には何かボーッとした灯りが点り、妙に明るい。あれは何?と聞いたところ、イカ釣り船が大挙操業中でイカを誘う照明なのだそうだ。しかし、この海域で夜間操業とはちょっとおっかない気もする。北の方に行くと共和国の領海にもひょっこりと入ってしまったりして!? 右は霊琴亭から見た刺身屋街。 | |
| 高速バスターミナルの近くにあるスーパーにも連れて行ってもらった。缶詰から生鮮、洗剤までなんでも揃うが、右はその一角にあったペットフードのコーナー。A○POやペデ○グリーなど日本でもおなじみのブランドが並ぶ。おやつ類には日本の製品(韓国パッケージではなく日本語そのままのもの)も結構あった。 |
| 翌日、0800出発で韓国の北端、統一展望台に向かう。宿は高速バスターミナル近く、市街のほぼ南端に位置するが、1番の大津行きバスに乗ると展望台まで直通(3,430W)。この系統は市街メインストリートをずっと走るので、市外バスターミナルに宿を取っても客船ターミナルの近く、収復記念塔の所から乗ることができる。平日朝だけあって制服姿の高校生が乗ったり降りたり、最後の大きな街である杆城の辺りから空いてきた。片側2車線の広い道だが、右側に海岸線が近づくとずっと鉄条網が張られているのが見える。日常が非日常なのか非日常が日常なのか・・・バスはとにかくすさまじい勢いでブッ飛ばすので、椅子に座っている時でさえ転げ落ちないように注意が必要。この写真を撮るのもとにかく揺れが激しいので難儀しました。 | |
| 道の要所要所にあるのが、見えにくいがご覧のような緑色の箱。これは平地用の戦車止めで、本旅行記の姉妹編「共和国への道」にも登場するが、有事には爆破して崩壊させ、敵の進軍を止めるためのもの。最初見たときは立体交差と思ったが、それにしては上の道路はないし造っている様子もないしと不思議に思ったものである。道路の左側は遠く太白の山並みを見て、おおよそ5kmほど平地が続いているが、横道といえばほとんどすべてではないかと思う位韓国軍部隊駐屯地の看板が出ている。 | |
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いよいよ最後の町、巨津に到着。市街は漁港に沿って本筋である国道7号線から離れて連なっているので、バスはいったんルートを離れてメインストリートを通ったのち、一番北の行き止まりでUターンして来た道を戻って行く。この写真はUターンのロータリーで撮ったもので、左側の燃料タンクが迷彩に塗られているのに注目。さらにこのサイズではわかりにくいが、画面中央から右寄りの岸壁には韓国海軍の警備艇が2隻停泊している(これ、今回の旅行記の中で一番マズイのではないかい?)。大津は明太(ボウダラ)の水揚げが多かった昔に比べればさびれたとはいうが、メインストリートには商店や食堂も多くそれなりに活気もある。ひょいとバスを降りてメシでも食いたくなる街。また、朝鮮戦争中ここが共和国の勢力圏だった時に金日成氏の別荘があった花津浦も近い(別荘は現存し見学可能)。花津浦は近年人気ドラマ「夏の童話」のロケ地としても知られ、韓国全土から巡礼が来るらしい。 |
| バスは花津浦を横目に見て小さな集落である大津に着く(なぜかここでいつも大きな荷物を持ったアジュンマが降り、とても1人では持てない量なので手伝わされる。どうやら朝市の売り物のようで、バスを降りたところで即開業というのが面白い)が、大津行きと表示が出ていながらさらに北上、1kmほど走った所に終点の営業所がありここで降車。さてどうしたものか途方に暮れるが、ここまで来るのは観光客に決まっているので運ちゃんが展望台の受付所である統一安保公園へはどうやったら行けるか親切に教えてくれるので心配無用。車の通りもめっきり少なくなった国道7号をトボトボと400mも歩けば、坂の上左側に駐車場が見えてくる。それにしても、なぜこのバス統一安保公園まで行ってくれないんだろうか・・・荷物が大きいと結構かったるい。 | |||||||
| 統一安保公園までの道中に建っているのがこんな辺境には場違いなリゾートホテル、金剛山コンド。1度だけ試験的に実施された金剛山陸路観光の韓国側拠点となったホテルで、当時日本のテレビでもよく映っていたのでご存じの方も多いだろう。海岸沿いの風光明媚なロケーションで、束草の街に泊まるよりこっちの方がいいかも・・・といつも思うのだが、ここにも冷徹な現実が。目の前のビーチにはこれまた金網(さすがに鉄条網ではない)が張り巡らされており、狭い扉から出入りしなくてはならない。当然夜間は海岸には降りられない。 | |||||||
| 金剛山コンドの所から海岸に降りてみたが、左は民間人が行ける韓国最北端の浜辺(実はこの表現は半分は正しいが半分は間違い・理由は後述)。上は浜辺から見た○○○○(自粛します)。 | |||||||
| 統一安保公園でパスポートを見せて展望台の見学申請―入場券購入。バスの時間まで1時間以上もあるので、とりあえず建物の中に入って腹ごしらえを。スイトン2,500W、ジャガイモを練ったタネを半透明の生地で包んだカムジャトック2,000W。土産物屋もあるが、特に気の利いた物はない。暇もつぶれね〜し、困ったな・・・ | ||||
| 「統一展望台」という名のついた、共和国の望める展望台はいくつかあるが、ここ高城統一展望台は韓国最北、朝鮮半島随一の名峰として韓国でも人気の高い金剛山を望めるものとして韓国では有名である。難点はソウル近郊に位置する他の展望台と比べて圧倒的にアクセスが悪いことで、束草まではバスで4〜5時間、さらに一般のバスを乗り継いで1時間以上ととてもソウルからの日帰り圏ではなく、ただでさえ情報の少ない江原道ゆえどうしても日本人には敬遠されてしまい訪問例も少ない(もちろんパックツアーでの設定など皆無)。車社会の韓国だけあって本来は安保観光というのは自家用車で行くものであるが、外国人は当然公共交通機関の利用が前提で、これがまた使いにくい!
以前はこの申込所である統一安保公園発着の観光客用シャトルバスに乗車したのだが、今回は申し込んだところバスはなんと襄陽国際空港からの直通バスに乗車ということで、このバス1日5往復程度で次の便は約1時間20分後、このおかげでその日のうちに次の目的地、楊口にたどり着くという予定がすっかり狂ってしまった。国際空港から直通で展望台に行く奴はいないと思うが・・・とにかく、これを読んで統一展望台訪問を検討される方は要注意! このバスは束草市街、アナムプラザ前より発着するのでバス停の時刻表を事前にチェックして、最初からこのバスに乗ってしまうのが無難と思われる。ただ、一般路線バスでの海辺の町々をめぐる旅も楽しいが・・・大体、空港バスに乗ってしまうと統一安保公園で一度降車しての見学申告の間に走り出してしまったりしないのかちょっと心配になる。日本ではあり得ない(だって見学客が乗っているのだから、ね)ことだが、あの国では何が起こるかわからないので。 空港バスは高速バス規格の大きくリクライニングする革製シートの豪華版で、乗り込んでしばらく走ると左側に干物などの土産物屋が並んでいる。えっ?なんで?統一安保公園から先は民間人は入れないんじゃ・・・ここはミョンパ(明波)村。戦前からここにいた人が特別に居住を認められている集落で、土産物屋は自家用車で来た韓国の人は車を停めて自由に買い物ができるのだ。もちろんバスは素通り。ここには海水浴場もあり、上記に述べたように金剛山コンドの所が一般人の立ち入れる最北端という表現が半分間違いというのはこういう理由のためである。以上の問題は車で来ればすべて解決するのであるが・・・ ミョンパ村も終わるといよいよ展望台に向けて韓国軍の検問所を通過、もちろんここは撮影禁止なので一帯の写真はない。この先、ちょっとした山越えでつづら折れの道を上り下りする。戦車止めが随所に設けられているが、韓国人の自家用車と結構すれ違うため特別に緊張感は感じない。山を越えてまた海岸に降りてくると、終点統一展望台はもうすぐ。統一安保公園からはなんだかんだで約7km、10分ちょっとの行程であった。 |
| ここが韓国最北端、高城統一展望台。一般の韓国人は車で来ることができるため乗用車が停まっている。売店や便所のある駐車場から小高い山の上にある展望台に登ると、向こう側は軍事境界線一帯。頂上の建物には屋内から共和国側を見渡すことができる屋内展望台、1階に共和国関連の各種展示がある資料館がある。 | ||||
| 展望台より北側を望む。軍事境界線をはさんだ韓国、共和国両国の非武装地帯を見ており、海に伸びているのが景勝、海金剛、その尾根はずっと西に続き霊峰金剛山に続いている。日頃の行いか、この風景の左側にそびえる金剛山は前回と同じく山容を見ることをできなかった(前回よりはマシで雲のムラの隙間に若干山肌が見えたが、写真には写らないだろうし諦めた)。いずれにしても左側は韓国軍の監視所が尾根に点々と建っているため撮影禁止。 | |||
| 境界線部分のアップ。前に訪れたときは一面の野っ原だった所が、南北を結ぶ鉄道、東海北部線と道路の建設工事で造成中。左右に鉄条網が走っている境界線を挟んで双方が交わらないように工事を進めているのがわかるが、板門店付近で同じく再連結が予定されている京畿線の工事が遅々として進まないのに対してこちらはご覧のように最初の南北がコンタクトする地点となった。でも、偶発衝突とか南側への逃亡とか起こらないのだろうか・・・ | |||
| 恐らく入出国審査などを行う建屋などが建つと思われる場所。なお、従来束草発着の船のみで実施されていた金剛山観光に、2003年2月より試験的にバスによる陸路観光が開始されたが、このバスは恐らく左側から来る道を通り左折して境界線を通過、共和国に抜けるルートを取ると思われる。のお、この陸路観光は試験的に行われた後、例によって共和国がゴネ出して現在は中止されている。 | |||
| いつ見てもおよそ人気のない共和国側。左側は海金剛の「九仙峰」と呼ばれる山。 | 海上に点々と突き出る海金剛の島々。 | |||||||||
| 東海北部線は朝鮮半島の東海岸を結ぶ幹線として、再連結が完成すればヨーロッパからロシア、共和国に入り羅津、先鋒を経由し釜山までさらに海路で日本を結ぶ物流のメインルートとしての役割が期待されているが、共和国側の意図的または不可抗力による工事遅延や地雷除去などでいつ完成するか見通しは立っていない。右側は統一展望台の南側、束草方を見たところ。どうも工事はここで終わっているような・・・とりあえず南北をまたげば所期の目的を達するということなのだろうか。韓国内は元東海北部線の廃線跡にすでに人家などが建っており(陸軍の駐屯地もあった。これを動かすのは難しい・・・)、なかなかの難航が予想されるが、一応用地買収なども行われているようである。 | ||||||||||
| 展望台から駐車場を見る。左は展示されている韓国空軍のP-51ムスタング。この他にも敷地内にはM26戦車など朝鮮戦争時の兵器がいくつか展示されている。中は駐車場の向こう側の斜面に植え込みで作られた「統一」の文字。右は駐車場に置かれたDL+客車3両を使用したレストラン「統一列車」。 | ||||||||||