2003年7月13日〜19日、韓国東北部、江原道を中心に旅行をしてきました。通常の観光スポットは少なく安保観光が中心ですが、あまりネットで紹介されていない場所ですので、旅行を予定されている方は参考にしてください。




2002年5月の共和国訪問以来、朝鮮半島ブームが続いている我が家。今年は4月からNHK-BSで放送されている韓国のドラマ「冬のソナタ」に同居人が夢中になってしまい、近所の職安通りコリアンタウンにも前にも増して足繁く通うようになった。そうすると当然のごとく、今年の夏休みは念願の韓国に行こう!ということで、1月前位から具体的な計画を練り始めた。今回のテーマはBlueforceのライフワークともいえる(大げさな・・・)安保観光と、同居人念願の「冬ソナ」ロケ地めぐり。従って、これらのスポットが集中する東岸軍事境界線周辺の江原道(カンウォンド)一帯をうろつく6泊7日の行程となった。



行       程
 
1.13.7.2003〜14.7 日本―江陵・束草
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2.13.7.2003〜14.7 束草―高城統一展望台
3.15.7.2003 束草市街を歩く
4.15.7.2003 さらにディープな束草&大浦
5.16.7.2003 乙支展望台&第4トンネル見学
6.16.7.2003 春川&冬ソナの名ロケ地、南怡島



13.7.2003 日本発 ソウル―江陵


 0730起床、ヨーロッパ行きと違い午後出の便で朝は楽だがあまり寝坊もできない。なぜかというと、うちの女王様、ふうこをペットホテルに預けなければならないからである。地下鉄とバスを乗り継いで高輪の「CANINE Hotel」へ。ここはケージに入れず室内で自由に過ごさせる形態のペットホテルで、散歩にも連れて行ってもらえるしふうこも1週間を超える滞在期間のんびりできるだろうと選んだ所。あまり名残惜しそうに「バイバ〜イ」とやるとかえって良くないので、さっさと預けたら品川行きのバスに乗る。こんなに長期間ふうこと別れるのは初めてでちょっとかわいそうになるが、自分勝手にも早めに気持ちを切り替えて、成田空港行きの快速「エアポート」に。予定より事が早く進んだので1本早い列車に乗ることができた。

 今回乗ったのは成田発1455のKE704便。チェックインが早かったせいか座席のリクエストで窓側を希望したら62A・Bの2列シートに当たった。思いっきり後ろだから降りるときは大変だが・・・昔は大韓の機体後部なんて、喫煙席なのと前からタバコを吸いにやってくる連中で火災でも発生したかと思うような恐ろしさだった。今は全席禁煙となって、くじ運であの難行に耐える必要はなくなった。チキンを朝鮮風に味付けした機内食もなかなかうまい。

 1720仁川空港着。さてこれから先の行程は一切予約をしていない。今日中に半島を横断し、東海岸の江陵に行きたいのだが、果たして間に合うだろうか。到着ロビーでまずソウル市内、江陵方面へのバスが発着する江南バスターミナル行きのバス停を探し、レンタル携帯電話のカウンターで契約。1日2,000W(ウォン。1Wは約0.1円でつまり2,000Wは200円)と格安でペットホテルからの緊急連絡やこっちで宿泊の手配などが格段に便利になる。

 成田よりちょっと近い、と言う程度の都心から離れた仁川空港からソウルまでは1時間〜渋滞していると1時間半位かかるらしい。ソウル―江陵間は3時間ちょっとなので遅くとも20時にはバスに乗りたい。1930頃までにバスターミナルに着けるか・・・ところがバスは快調に飛ばし、漢江沿いに市内を抜けて1930には着いてしまった。ここまでノントラブルで目論み通り来たわけである。

なんとか間に合った!2000発の高速バスで江陵に向かう。江南のバスターミナルは2年半前の旅行でも同じルートを辿った所。出発まで10分ほどあるので車中のお菓子や飲み物を購入すべく構内をぶらぶらすると、オッ!早速「冬ソナ」主演のペ・ヨンジュン様がお出迎えだ。
(上)これがバスターミナルで買ったキムパブ。 道中渋滞もなかったおかげで、2時間40分で江陵到着、予定より大分早いがそれでもすでに23時前、バスターミナルは電気も消えており人々が散ったら我々だけになってしまった。さて、どうするか・・・と、建物を出たら、右手に大きなホテルがあるのを発見。2年前にはなかったはず・・・近づいてみたら新築のようでとってもきれいだし、最初からラッキー!
深夜着の旅人を暖かく迎えてくれたのは、ホテル「パスカル」。1泊45,000Wと若干お高めだが、とにかく新しくてきれい!しかし、入口を入るととてもロビーとは思えない管理人室のような窓口にトレイが置かれており、向こう側は暗くてよく見えないようになっている。これって、どっから見てもラブホのシステム・・・そうなのかな〜? ま、いいですけど。
江陵駅。町の中心部からは若干離れており、泊まったホテル(=バスターミナル&市役所)も市街にはないので、タクシーで向かう。1,900W也。


私はトルソビビンパプ5,500W、同居人はコムタン5,000Wを注文。朝食とは思えないボリュームだが、とりあえず全部平らげる。言うまでもないが、付け合わせはすべて無料。駅前という好立地にもかかわらず、お客は我々が入ったときはおじさん1人だけ。後からお坊さんかな?後ろに見える2人連れが入ってきた。



14.7.2003 正東津


セマウル編成に連結のロッテリアカフェテリア車。食堂車を期待していくとがっかりするが、今はほとんどの編成がこれになっている。カフェテリアで7時間乗車はキツイ!? 
江陵発0900の清涼里行きセマウル192レで正東津に向かう。正東津までは15kmほど、たかだか15分の乗車だが、料金はなんと1人7,900W!しかしこれを逃すと次の列車、ムグンファ526レは1045になってしまうので、こんな何もない駅前で時間を潰すわけにも行かない。2人で1,600円は痛かったが、選択の余地はないし、セマウルに乗る機会も今回の旅行ではここが最初で最後なのでまあいいか!
セマウルはあっという間に正東津に到着。「最も海に近い駅」としてギネスブックにも載っているいるらしい(この位の駅北浜とか青海とか日本にもたくさんあるぞ!?)海辺の小駅だが、駅前には旅館が軒を連ねている。






正東津駅前は韓国では有名なリゾート地、1995年に放映されたテレビドラマ「砂時計」(モレシゲ)の舞台になったおかげで沢山の観光客が押し寄せるようになった。駅前は本当に猫の額のような広さで、旅館から土産物屋が所狭しと建っているのだが、韓国ではここから初日の出を拝むのが若者のトレンドになっているようで、2000年の大晦日には150万人(!)が押し寄せたという。行ってみると、とてもそんな大勢がいることのできる面積とは思われない。半分位海からこぼれ落ちたのでは?

ただ、そんな大人数を(なんとか)収容できるキャパがあるだけあって、夜遅く飛び込みで行っても宿は開いていそうな感じなので、江陵到着後思い切って足を伸ばすのも手かも。列車は一日12本ほどしかないが、バスは頻繁に出ています。朝起きたときの爽快感は江陵市街とは比べ物にならないはず!


メジャー観光地としての顔を持つ正東津だが、さて我々の目的は海辺の散策ではない。実はここ、1996年9月18日、共和国の潜水艦が海岸に座礁して乗組員が内陸に逃亡、2カ月弱の掃討戦の末総員26名中25名が死亡(1人行方不明)、韓国側も民間人を含む13人が死亡という当時朝鮮半島を震撼させる大事件が起こった場所。何もこんな有名観光地でやらなくても・・・と思うが、実はその潜水艦が座礁場所で展示されているのである。
正東津駅の待合室、周辺の観光名所を示したパネルには潜水艦が展示されている「統一公園」の案内もあるが、そこにある写真を見てびっくり!これが座礁したら大変なことですよ。しかし笑わしてくれます!(笑えない方への無粋な解説:これはアメリカ海軍の最新鋭原子力潜水艦、シーウルフSSN-21級。ソビエトの新世代潜水艦に対応するため超高性能攻撃原潜として開発されたが、冷戦の終結に伴って建造は3隻で打ち切られた)。

統一公園は駅から約2kmほど、歩いて行くにはちょっと遠すぎる。重い荷物を背負っているしこっちにはコインロッカーという物がない。荷物は駅員に頼み込んで待合室の隅に置かせてもらい、タクシーを借りることにした。(超狭い)駅前広場にはワンボックスのチャーター用タクシーが停まっており、11,000Wで話をつける。

車は海岸線を線路に並行して走る。実に気持ちのいいドライブだが、随所に軍の哨所が建っていて、海に陸に睨みを利かせている。開けた窓から反射的に撮ってしまったが、本当は撮影は厳禁!(それをネットに流すオレもオレだが・・・)

統一公園は海岸に切り立った山を落石除けで抜けた、想像したより狭い平地にあった。なんか市振の道の駅を思い出すなあ・・・まずびっくりするのが陸上に引き揚げられた姿で展示されている軍艦。これは1999年に退役した韓国海軍の駆逐艦、チョンブクDD-916。ご覧の通り元はアメリカ海軍のギアリング級駆逐艦、エヴァレット F.ラーソンEverett F.Larson DD-830で、1974年にアメリカ海軍を退役後韓国に譲渡されたもの。クレーンで持ち上げてここに安置されたらしい。陸上に展示された世界初の艦船ということです。共和国の潜水艦とは直接の関係はないのだが、安保教育の格好の教材として一緒に展示されている。
ブリッジ、マスト、後甲板に新設されたヘリ格納庫・甲板など、原形は全く留めていない。もとは第2次大戦中のフネですからねえ・・・


さて!今回の目玉第一弾、共和国の「鮫」(サンオ)級潜水艦。全長34m、排水量水上275t、水中330t、速力水上7kt、水中4kt。いわゆる攻撃潜水艦ではなく(そんなもの持ってません)、沿岸の偵察・工作員の上陸用母艦として使用される。現在共和国はこのクラスを16隻保有しているという。まさにここがこの潜水艦の座礁地点。

艦内は非常に狭いので、入口の所にヘルメット置き場がある。暗くてヒンヤリしておりちょっとおっかないが、いざ出撃! 艦首は作戦準備室、右舷の下方に穴が開いており、ここが工作員の水中ハッチ、隔壁を隔てた後方が乗組員居住区画。
発令所周辺。左は潜望鏡―艦尾方向を見たところで、手前に上部ハッチが見える。中央は潜望鏡後部、航法・通信関連の計器類が集まる区画。ここは若干広くて背も伸ばせ、人とすれ違うこともできるが・・・右は艦尾のV形12気筒ディーゼルエンジン。

ここで長々とやってもいいんですが、それでは韓国旅行記の趣旨からは若干外れてしまうので、潜水艦についてはまた別項で取り上げることにして先に進みます。

頭から入って、しっぽから抜けてきた所。スクリューは取り外されて(もぎ取られて?)いる。普通なら長くても5分もあれば出てくるが、行きつ戻りつ、写真を撮っていろいろやっていたら小一時間ほど経ってしまった。その間、さすがに同居人はどっかに行ってしまい、どうしたもんかと思っていたら・・・
外国で手紙を書く女と、その背後に控えるオカに上がった駆逐艦というシュールな図。さて、ここらで潜水艦は切り上げて、駆逐艦の方に行こうとしたのだが、駐車場で待っていた運ちゃんが「もういいだろう?」と言うので、こちらは泣く泣く諦めた。ここで先に帰ると言われても困る。


正東津の駅に戻ると、次の江陵行きまでには30分ほどあるので海岸をぶらついてみた。ホームの端から入るのだが、入場料400Wが必要。海水浴場として整備しているための維持料だが、なるほどゴミは落ちていないし非常にきれい。しかし、日本人の感覚から言うと岸辺が「ガクン!」と落ちて結構な段差となっているので、楽しく海水浴をするのにはちょっと・・・という気もするが。7月中旬ではまだシーズンには早いとのことで、訪問時は海の家などの組み立てがたけなわであった。
さて、駅前で降ろしてもらって「カムサニダ〜」と別れたのだが、ここで大問題!ストロボが見あたらないことが判明。タクシーの中だ!まだ遠くに行っていないだろうとあわてて近所をうろついてみるが、さすがにそこいらを走っているわけはない。途方に暮れ(といいつつなぜかそれほどショックではなく、他人事のように思っていたのが自分でも不思議)駅に戻り、英語で案内してくれる駅員に相談したところ住所を書け、今後の滞在先を書けと言われ、後で送るからと約束してくれた。有数の観光地だけに駅の対応も親切!
駅で呆けていても仕方がないので、駅前の路地を抜けてメインストリートに行ってみる。海岸沿いはどこでもそうだけど、ここもいけすにヒラメ、イカをはじめ各種魚介がユーラユラ! 
街の中心は駅前の細い路地を入っていった奥にある、旧道のソウル行きのバス停がある場所で、そこから南の方に小規模ながら商店街が続いている。同居人が先程書いた手紙を出したいというので郵便局を探す。どうもそれらしき建物が見つからないので歩いている人に聞いてみたら、目の前にある建物だった。ここで葉書を出し、駅に向けて歩き出したら、なんとさっきのタクシーが我々を追い抜いていったではないか! あわてて走って追いかけたら、狭い道だけに車の速度も遅くなんとか追いつくことができた。向こうも私の姿をバックミラーで見つけたのか、窓から笑いながらストロボを渡してくれた。いや〜なんという偶然!でも、なんとなくこうなるような気がしてたんだよな〜。虫の知らせというのか、だから大して慌てなかったんだと思う。自分でも説明はつかないが・・・駅に戻って先程の駅員氏に無事戻ったことを報告。


正東津発券の江陵行き乗車券は硬券でした。
江陵行きムグンファ542レ、10分遅れで到着。後ろに見えるのは山の上に建てられた客船をかたどったホテル。単線なので遅れは日常茶飯事かと思われるが、観光客もたくさんおり放送でもひっきりなしに遅れ具合をアナウンスしていたので(もちろん内容はわからないが)、それなりにイレギュラーな事態であるとの認識はあるようだ。
行きと同じく15分で江陵に到着。ムグンファ号の運賃は2,100Wでセマウルの約4分の1となっている。一日12本程度の発着本数ながら、江陵駅構内は留置線も多く入換作業も頻繁に行われている。



江陵―束草


江陵駅より再びタクシーに乗り、バスターミナルに戻る。ここよりバスに乗って今日の宿泊地、束草(ソクチョ)に向かう。日本海(東海)沿いに38度線を越え約1時間20分の旅である。日差しの強いこともあり意外に南国風の風景を眺めつつ、前日からの疲れもあってうとうとしてしまうが、海岸線にはずっと鉄条網が張られている。日常と緊張感の奇妙な同居が日本人には興味深い。

バスターミナルから、日本を出発する前にネットで知り合い連絡を取っていた、国貞様に電話。彼女は1988年に韓国に留学以来、韓国の人と結婚し束草に住んでおり、事前にバスや列車の時刻、宿泊の手配などでお世話になった挙げ句、今回は現地で観光の案内もしていただけるとのことですっかりお世話になってしまった。最初に連れて行って頂いたのは、車でないと絶対に行けない名刹、束草市街から西に山を登ること30分ほどの山腹にある金剛山禾巖寺(クムガンサンファアムサ)。ここにはなかなか趣のある喫茶店が併設されており、韓国風のお茶を飲むことができるのだという。
ここが喫茶店。遠く束草市街と東海を望む斜面の上に建っている。ちょっと平面の多い(山形の)山寺といった趣である。訪問日は7月14日、下の街でも暑さは感じなかったがここは肌寒いほど。


我々が飲んだお茶3種。赤いのは五味(オミ)茶。甘い・酸っぱい・苦い・辛い・渋いの五種の味が入っているためこう呼ばれるが、酸っぱいジュースのようで結構飲みやすい。オレンジのはカボチャのジュースであるホバクシッケ。甘〜いので好みの別れるお味か。右のは唯一暖かかった松粉(スンファ)茶。なぜか付け合わせには蒸かした皮付きのジャガイモがついてくる。下はうちわに書かれたメニュー。
喫茶店の内部。時折聞こえてくる言葉を除くと、本当に山寺かどこか日本の観光地にいる気分になってくる。雰囲気もいいし、束草に行かれる方にはぜひお勧めのスポット。ただしレンタカーでも借りないと行くのは難しいが・・・タクシーなら多分1万W位なので、3〜4人のグループなら行ってみてもいいのではないでしょうか。その際はこのページのプリントアウトを忘れずに!

喫茶店から束草市街方面を望む。正面に見える湖のようなものが市街北西にある永郎湖で、湖を囲むように高層コンドミニアムが建っているのが見える。この辺りで恐らく標高は700mを超えていると思われる。
こちらも喫茶店から見た、対面の山上にそそり立つ大きな岩。この写真ではわかりにくいが、岩の右端の上に人が大勢取りついている。当日はボ−イスカウトの遠足のようで、バスに乗った大勢の子供がこの岩場でロッククライミングをやっていた。韓国では基本的に部活というのはないらしく、このように校外の団体での習い事が普通なのだという。


寺の1km位手前にある山門。道の感じとか景色とか、ちょっと摩周湖の第3展望台(裏摩周)に行く道を思い起こさせる山深い場所にあるが、この山門のに来るまで、左側はずっと陸軍の駐屯地の敷地で、コンクリートの塀と鉄条網越しに延々走る。韓国随一のリゾート地として知られる束草だが、軍事境界線のすぐ南に位置する最前線としての顔を至るところで見ることになる。

本日は束草泊、当初翌日の行程を考え市外バスターミナル周辺でホテルを取る予定だったが、行程変更(翌日も束草泊に)によってそれほど近くなくても良くなったので、前から国貞様にお話しを頂いていた民泊に泊まることにする。目の前は日本海に面した束草海水浴場で、日本ならさながら辻堂あたりのリゾートコンドという趣。この広さで40,000Wは安い!さて、今夜はご当地名物、ヒラメやイカの刺身盛り合わせで豪勢に行きましょう!